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紅い月  作者: ソムク
29/31

 模擬戦

 夜夜が戻って来てから1週間が過ぎた。

 この1週間で月夜達は、ランキング戦のクラス代表を決める戦いでまた1勝していた。

 この結果により早くもクラス代表は月夜達に決まりそうである。

 嬉しいのやら嬉しくないのやら微妙な感覚だが、今日はランキング戦の行く末より気になるイベントがあった。

 先週夜夜の発案で実現した剣と雷太の手合わせである。

 放課後の演習場には既に両者の姿があった。今はお互いウォーミングアップをしている。

「どう、雷太君? 緊張してる?」

「はい。いえ、多少ですね」

「……どっちなのよ」

 月夜に声をかけられ、返事をした雷太に対して雪野がジト目でツッコむ。

「緊張するというか、良い経験になるだろうなって感じです。生死がかかっている訳でもありませんし。ただ、やる限りは何か爪痕を残したいですね」

「そっか。頑張ってね、応援してる」

「……私も。一応、応援してあげる」

「じゃあ私も応援しようかな! なんて言ったって同じチームの仲間だからね。でもぶっちゃけ爪痕を残すのは厳しいよ。この前も言ったけど、負けても落ちこんじゃ駄目だかんね」

「今なんか皆で頑張ろうみたいな空気だっただろうが」

 いきなり会話に入ってきて、微妙な空気を作っていく夜夜に呆れる雷太。

「全く私が空気読まない事なんて分かりきってることじゃん」

 満面の笑みで検討違いの主張をする夜夜。

「駄目な方に自信持つなよな」

「でも私なりに励ましたつもりなんだけど」

「そうかよ」

「あー! その反応は信じてないな。全くそんなんだからモテないんだよ」

「それは今関係ないだろ」

「ふーんだ。もうライチなんてツルギーにボコボコにされちゃえばいいんだ。てゆう訳だから剣の坊ちゃん! このクソ雑魚分からず屋爆発魔、完膚なきまでにボコっちゃって下さいよ!」

「え? いや、僕にそこまでの実力はないですよ」

 いきなり大声で呼ばれて驚く剣は、飽くまで謙虚な態度は崩さない。

「ただせっかくですので、お互い全力を出せればいいですね」

「いいねいいね。2人とも温まってきてるし、そろそろ始めようか?」

「お前が煽ってただけだと思うが」

「もう文句ばっか言ったら駄目だよ。姫だって忙しいのに見に来てくれてるんだから、あまり迷惑を掛けちゃいけないよ」

「なんで毎度俺が身勝手みたいな流れになんだよ」

「まあまあ。僕は別に構いませんよ。轟さんはまだ駄目ですか?」

「いや、俺も大丈夫だ」

「なんだよこのツンデレ野郎め。なら早速始めようか」

 夜夜に促され位置に着く雷太と剣。

 剣は木刀を構え雷太と向き合う。

「そんな武器で良いのか?」

「ご心配ありがとうございます。申し訳ないですが、正装備は持ち合わせがなくて。でも安心して下さい。ちゃんと全力で参りますので」

「それならいいんだ。よろしく頼む」

「よろしくお願いします」

 丁寧にお辞儀をする剣。

「よし、両者気合い十分だね。それじゃあ始めるよ」

 夜夜の合図の後で、模擬戦が開始される。

 雷太は剣の事を注視し、頭の中で動きをシミュレーションする。

「遠慮なさらずにどんどん魔法を使って頂いて大丈夫ですよ」

「心配無用だ。そんな野暮な事はしていない」

「そうですか。では、まず一刀行かせて頂きますね」

 そのままスッと剣の体から力が抜ける。

 何か来ると身構える雷太。

「ッ!?」

 剣の動きを見逃さないようにしていた雷太だったが、気がつくと肩に激痛が走っていた。

 数刻して木刀で肩を切られたのだと気付く。

 自分の足元を見ると目の前に踏み込まれたような跡がある。

 だが雷太は剣から目を離さなかったつもりだ。それなのに彼は雷太に一撃を加え何食わぬ顔で元いた場所に戻っている。

 もし実戦で、剣が木刀でなかったとしたら、雷太はこの時点で致命傷を受けていただろう。

 その事実に気付き戦慄する雷太。

「何が、起きたんだ?」

「ま、まさかあれは縮地。ツルギーは仙術の使い手なのか?」

 夜夜も驚愕の表情で実況している。

「解説して頂いている所申し訳ないですが、そんな仙術なんて使えませんよ」

 迫真の解説に、申し訳なさそうにしている剣。

「僕はただ速く動いただけですから」

 ただ速く動いただけ。剣はそう語っているが、明らかにそんな次元ではなかった。

 雷太からしたら、文字通り剣の姿が消えたと思ったら、攻撃され、さらに距離を取られていた。

 目にも止まらぬ速さで、接近、攻撃、離脱を行うのは、一般的に考えるとただ速く動くだけで出来る事ではない。

「ハハ。文字通り次元が違うってことか」

 正直、この少年を紹介された時は自分でも良い勝負が出来るのではと思った。

 龍殺しと呼ばれていたのを疑っていた訳ではない。ただ年下で体格だって雷太の方が優れている。

 謙虚な姿勢も相まって、頑張れば勝負出来る相手と勘違いしていた。

 だが実際は格が違った。この少年と良い勝負が出来ていると周りが感じる事があれば、それは手を抜いて雷太に合わせてくれているのだろう。

 ここからは気持ちを切り替えて、胸を借りる気持ちでいかなければ。

「うし」

 パンッという音がその場に響く。

 雷太が自分の頬を叩き気合いを入れたのだ。

 忌々しい事だが、雷太はとにかく速い相手と対峙した経験はある。あの時のように対処すれば一矢報いるくらいは出来るかもしれない。

 覚悟を決め、剣と対峙する雷太。

「気合い十分って感じですね。だったら僕も応えないといけませんね」

 また剣の姿が消える。

 しかし雷太も今度はただやられるだけでなく魔法で応戦する。

 まだ動きにはついて行けず、打ち込まれる攻撃に耐えながら、少しずつ魔法で足場を崩していく。

「これ司の時にやってたやり方」

 雷太の意図に気付き、ポツリと呟く月夜。

「へー。ライチもただの脳筋って訳ではないんだね」

「当たり前だよ。雷太君だって日々努力してるんだから」

 失礼な感想を発した夜夜を月夜が咎める。

 それを証明するように、雷太がついに剣の一撃を受け止め、はじき返す。

「!! 流石、対処が早いですね」

 周りを見て雷太の対応に驚く剣。

「幸か不幸か。お前みたいなタイプとやり合った事があるんでな」

 一瞬隙が生まれた剣を逃さず、たたみかけようと魔力を込める雷太。

「せめて一撃くらいは入れたいからな。いくぜ、大崩落」

 雷太の気合いと共に辺りに轟音が響き渡り、あっという間に瓦礫の山を築く。

 戦場は足の踏み場もない程に破壊され、目の前が見えないくらい砂塵が巻き起こる。

「一泡くらいは吹かせられたか」

 視界が開けてきた先を見つめ、剣の姿を確認しようとする雷太。

「これは派手にやられちゃいましたね。流石の魔力です」

 砂埃を払いながら困り顔を見せる剣。

「流石はこっちの台詞だがな。でも機動力は削いだぜ」

 大爆発後も難なく立っている剣に驚きつつ、次の一手を考える雷太。

「そのようですね。どうしましょうか」

「降参なんてしてくれるなよ」

 なんとなくデジャブを感じるやりとりに杞憂する雷太。

「そんな事しませんよ。それに」

 少し戦い方が分かってきて油断した雷太の視界から剣が消える。

 雷太が身の危険を感じた時には既に、鈍痛に襲われていた。

「な、に!?」

 困惑する雷太の前で、不服そうな顔をする剣。

「足の踏み場がないくらいでは、僕を止める事は出来ませんよ」

「なんだと」

 言葉通り剣の機動力は落ちず、むしろさっきよりも速くなっている気さえする。

 雷太は必死に思考を巡らせるが次の策は思いつかない。

 雷太の攻撃は当たらず、剣に一方的にやられている。

「分かった。・・・・・・降参だ」

 口を固く結び、白旗を揚げる雷太。

「ありがとうございます。勉強になりました」

 木刀を下げ、丁寧に一礼する剣。

「こちらこそ。世界は広いと思ったぜ」

「はい! お疲れっち。いやー、分かってたけどライチ、ボロクソに負けててウケル。ねえ今どんな気持ち? 少しはいけるかもと思ってて、全くいけなかったのどんな気持ち?」

 負けた雷太を煽る夜夜。

「ああ。最悪な気分だな」

「でも私は頑張ってたと思うな。格好良かったよ」

 つらそうな雷太を気遣う月夜。

「剣、お疲れ様です。流石の動きでしたよ」

「ありがとうございます。身に余るお言葉です」

 エトピリカの近くに戻り跪く剣。

「ハッハ。久々に顔を見てみれば、公的な場ではそういう態度なのか?」

 剣のエトピリカに向けて、頭上から声が降り注ぐ。

「司さん! お久しぶりです」

 声にいち早く反応して、嬉しそうな表情になる剣。

「ああ。懐かしい声がしたからな。こんな所に何の用だ」

「何って。近くに来たから司さんに会いに来たんです。でも連絡がつかないから、少し待たせて貰ってました」

「だから模擬戦なんてしてたのか。でもまだまだだな。そんなやつ相手に魔法を使わないと勝てないなんてな」

「たしかに僕は未熟でしたが、轟さんは結構お強いですよ」

「お前なら魔法なしでも勝てるレベルだ」

「いえ、剣は頑張ってくれました」

 司と剣の会話に割って入るエトピリカ。

「ルナも久しいな。だいぶ姫が板についてきたんじゃないか?」

「おかげさまで」

 急に現れた司と仲睦まじく会話する剣とエトピリカ。

 それを見て月夜と雷太は困惑している。

「え? え? 待って、司。この人達と知り合いなの?」

「はい。以前話した師匠とは司さんの事です。司さんには返しきれない恩がありますから」

「え!? 司が師匠? 聞き間違いかな?」

「残念だけど聞き間違いじゃないんだな。なんとこんなツッキーでも可愛い後輩の1人や2人居るってこと」

 何故か自信満々に胸を張って満足気に主張する夜夜。

「なんでお前が得意気なんだよ。というか月導の事知ってたのか?」

「サプライズ! びっくりしたっしょ。ドッキリ大成功! 的なテンションだったりする」

「流石司さん。良い友人がいますね」

「あ? 何処をどう見たらそんな感想が出るんだ? こいつらはただの他人だ」

「全く。そういう所も相変わらずですね」

 今までの騎士の顔ではなく、年相応な無邪気な笑みを浮かべる剣。

 そんな剣の様子を見て、何故か温かい気持ちになる月夜。

「良かったね、司」

「は? お前、何分かったような顔してんだ」

「あ、ごめん。なんかポカポカってしちゃった」

「なんだそれ」

「なんだろうね」

「はい、そこ! 勝手に良い雰囲気にならないで下さい。2人だけじゃなく、皆で仲良く話そうぜ。そうだね。まずは今日の天気について話そうか」

 わざとらしく月夜と司の間に割って入る夜夜。

「いや、天気って。それ話題ない時のやつだろ」

「イグザクトリ。という事で、さあツッキー丁度良いタイミングだし話そうぜ。ヘイ、トークカモン」

 心底面倒そうな目で夜夜を見つめ、黙りな司。

「そんなクールな目で見ても駄目だぜ。ほらツッキーも話たい事あるじゃん。それに月夜ちゃん達も聞きたい事ある。例えば、その魔法の事とかさ」

「それは気になる」

 夜夜の話に身を乗り出して同意する月夜。

「面倒だな。そんな事してなんの意味があるんだ」

「意味ならいっぱいあるじゃん。もっと仲良くなれるし、そうするとチームワークも深まる。ランキング戦も勝てるようになる。プラスしかないって事」

「チッ。あとでりんかにでも聞いてみろよ」

 司はいつも通り面倒で不機嫌そうに答える。

「まあ、たしかにもう遅いしね。今日は解散で、明日りんかっちの所に突撃しようか」

 やけにあっさりと引き下がる夜夜。

「雷太君もお疲れだし、その方がいいかな」

「いえ、俺は」

「そうか。俺は懐かしい顔も見られたしもうここに用はない」

「あ、では僕とル、エトピリカ様も一緒に行きます」

「剣。もうルナでいいですよ」

「そうですね。では、行こうか、ルナ」

 そのまま3人は話ながら演習場を後にする。

「司でもあんな顔で話す事あるんだ」

 司達の姿が消えるのも見ていた月夜がぽつりと呟く。

「なんて言ってもお弟子さんだからね。数年ぶりみたいだし積もる話もあるんだろうね」

 月夜達も司の後を追うように帰路につく。

「なんかびっくりしちゃった」

「ツッキーは皆が思ってるよりも優しいし、皆が思ってるよりも優しくないんだよ」

「なんだそれ、意味分からん」

 らしくない遠い目で意味深な事を言う夜夜を冷たくあしらう雷太。

「それに司が自分の話をしないんじゃなくて、りんかちゃんに聞けって言った事もびっくりだったな」

「懐かしい子達を見て、司も自分が思う以上にテンションが上がってたのかもね」

「テンション高い司って想像出来ないけどな」

「だからさ、ツッキーは皆が思うより優しくて、そして優しくないって事だよ」

 さっきと同じ事を呟いた夜夜の横顔は、丁度姿を見せた月明かりに照らされてとても綺麗だった。

 月夜はその綺麗な横顔を見て、何故か不安でいっぱいになった。

「まあ何はともあれ、ツッキーの言質は取ったし、明日が楽しみだね。楽しみ過ぎて夜寝れないとかは健康に悪いから駄目だよ」

「そうだね。じゃあ、また明日かな」

「そだね。あ、忘れてたけど、ライチも今日の負けをあんまり気にしないように。と、取り敢えず気遣った風な言葉だけを残す美少女なのだった」

「後半は心の中にしまってくれれば、たしかに美少女だったな」

「そんなに褒めても何も出ないぜ。じゃあな、マタアシ」

 そのまま急にいなくなる夜夜。

「全く、騒がしい奴ですね」

「本当にね。私達も帰ろっか」

「はい。また明日です」

「うん。マタアシ」

「それ取り入れるんですか」

 無邪気に微笑む月夜と別れる雷太と雪野。

 月夜も明日の事を楽しみに、1人月明かりの中を帰っていった。


☽☽☽


「師匠がお変わりなくて安心しました」

 月夜達と別れた後の司に、剣が楽しそうに話しかける。

「お前らも相変わらずだが、少しは立派になったな」

「そうでしょう。そうでしょう。なんと言っても剣は今や私の正式な騎士なのですから」

 言われた剣ではなく、何故か胸を張って自慢げにするエトピリカ。

「お前も少しは姫らしくなったと思ったが、勘違いだったな」

「おかげさまで」

「それよりも、司さん手合わせして下さいよ」

「面倒だ。やりたきゃ1人でやってろ」

「あはは。それはただの自主練ですよ」

「さっきも言ったが、あんなの相手に魔法を使うようではまだ俺の足元にも及ばない」

「たしかにそうですけど。僕がどれだけ頑張っても司さんの足跡すら見えませんよ。それくらい師匠は規格外ですから」

「でも剣だって頑張っているのですし、何かの拍子に1回攻撃を当てるくらいの実力はつけたのでは?」

「そうだと嬉しいけど、たぶん今は逆立ちで目を瞑ってる師匠相手でも勝てないと思うな」

「そこまで分かってるなら、手合わせなんて願うなよ」

「それはそれ。これはこれですね。男には勝てないと分かっていてもやらないといけない時があるんですよ。師匠の教えでしょう?」

「そんな事を教えたつもりはないがな」

「いえ、確かに教わりましたよ」

 懐かしむように遠い目をする剣。

「そうかよ。それでお前らいつまで着いてくるつもりだ?」

「手合わせ出来ないとなれば、うーん、ルナどうしよう」

「そうですね。少し喉が渇きました。剣何か買ってきて下さい」

「え。今? ルナの頼みならいいけど」

「はい、今です。あっちにコンビニがありましたから」

 コンビニの位置を示され、渋々という感じで買い出しに行く剣。

「護衛を行かせてもよかったのか」

「あなたが居れば大丈夫でしょう?」

 近くのベンチに座り、剣を待つ司とエトピリカ。

「それで、何が聞こえた?」

 暫く無言が続いた後に、司が面倒そうに切り出す。

「はい? 何がですか?」

「あんなにわざとらしく剣を追い出したんだ。俺に何か話があるんだろうが」

「何を言ってるんですか。私は喉が渇いただけです」

「お前、本当に変わらないな」

 エトピリカの本心を見透かしたように、少し哀れみの目を向ける司。

「言っておくが、俺はお前の味方ではないし、国とか世界とかどうでもいい。お前が助けを請うべき相手は他に居るだろ」

「それが出来ないから、こんな所まで来てるんですけどね」

「やっぱり、相変わらずだな。あのクソババアに頼っても無駄だぜ」

「私は神の声に従うだけですから」

「それもいいがな。お前は何も分かっていない。あの馬鹿弟子はどこまでも純真で真っ直ぐだ。お前が何を考えていようとも」

 司が視線を上げて、その先に買い出しを終えた剣の姿が映る。

「たまには神じゃなく、自分の声も聞くんだな」

 エトピリカは歯を食いしばり苦しそうな顔をしたが、剣が合流する頃にはすぐに笑顔に戻す。

 そのまま少し休憩した後は、何事もなく夜が明けていった。

こんな文章を読んで下さりありがとうございます。

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