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カプチーノ  作者: suono
2/2

新世界


8年前...




竹本このみ。小学4年生。


パパの転勤でアメリカに移住。

場所はコロラド州のデンバー。


右も左も、挨拶すら分からないけど、

きっと大丈夫。

とりあえずパパの言うままにしたがってみる。


到着して次の日には新しいお家に着いた。


芝が刈られたばかりのいい香り。

オーナーのミッキー夫妻が笑顔で出迎えた。


「このみ、今日からこの家でお世話になるからちゃんと挨拶して。」


...竹本ゆき。

私のママ。正直、自分の親なのにどこか他人のような、好きになれない人。


とりあえず日本語で挨拶をする。

全く想像したことがないような場所で、私は生活していくことになる。


「あんた、いつまで寝てんのよ。早くご飯食べてくれない?」


私は寝起きが悪い。

なかなか自分の夢から現実に戻る切り替えが上手くいかない。そして、寝癖は鳥栖のように立派。


...もうちょっと母親らしく優しく起こしてくれたらいいのに。




今日は学校に行くみたい。

近くのelementary school。


着いて、まずは校長室に行った。

校長先生は何を言っているか分からないけど、とりあえず怖いくらいに笑顔。


「Hello!」


竹本りく。私の2つ年上の兄。

もう英語で挨拶出来るんだと感心した。


そして、兄と一緒にたくさんの教材と見たこともない派手な色のファイルを10冊ほど受け取り帰宅。


なれない部屋で、なれないベットとお布団で、私は私は目を閉じた。どうか、目を開けたら日本に戻っていてくれたらな...。



次の日、目を開けると窓にはオレンジ色の蛇がこっちを見ていた。ガーデンスネイクというよくいる蛇みたいだが、そもそも日本に蛇は身近にはいない。もううんざり。滞在2日目にして、私は嫌気が指していた。


キッチンにいくと、朝食が変わっていた。

机の上にあるのはカラフルなシリアルとペットボトルみたいなのにはいったミルク。

今までのような、納豆ご飯にお味噌汁はもう出ないんだと寂しい気もする。

どうやらママはここの生活が楽しみみたいだ。


朝食を済ませてから、パパの車で学校に連れて行かれた。行きたくなかったんだもん。

絶対、わかんない言葉でいろいろ聞かれるし、私自身だってどうやってお友だちを作ればいいの?


教室に入ると、そこには興味津々でこっちを見てくる同い年の子たち。肌の色は様々。見た感じ、国籍もみんなバラバラ。私は少し安心した。


先生がどうやら私の紹介をしてくれて、アネッサという背の高い、茶色のふわふわのショートヘアの子が私のお世話係となった。




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