瞑想のやり方とその効能
今、アメリカン・イディオットをどう続けるかで悩んでいる。それは結局、もっと書きたいものを思いついた事、また、VRMMO・ウルスラオンラインでの記録を綴る事が、思いの外面白いから。更に、ここからどうやって、魔王を倒させるか? を悩んでいる。魔王の正体は、まぁ、皆大体わかるだろう。そこに行って、どうするかもまぁ、ガキ向けのお話として、相当の事をやる、事で納得している。
  
しかし、そこまでの道のりが思いつかない。たわごとも、ネタがない。(一つある、僕が日本が少年兵、少女兵を利用していると思うわけ……俺は、アジテーターなんだ。)しかし、具体的に書くまでの道のりが、ない。
  
こういう時は、ハウツーを書くに限る。バッティングセンターでの打ち方、で学んだ。
  
では、本題に入ろう。瞑想である。
  
よく、漫画の主人公なんかがやって、強くなるアレである。ああいう描写のせいで誤解されがちだが、何も集中力を高める事だけが、瞑想の能ではない。
  
では、何が効能なのか?
  
もちろん、精神統一の意味もある。そもそも瞑想がどういう状態なのかを書くと、脳が半分眠り、半分起きている状態を、人為的に作りだした状態である。
  
何が起こるか?
  
精神が落ち着く。これが、第一。では、第二は? LSDだ。
  
ふざけて書いているわけではない、本当の事だ。
  
うまく瞑想状態に入ると、サイケ系のドラッグを使っている状態と同じような状態になる。
  
もちろん、脳から自然に出る程度の脳内物質が分泌されるだけなので、幻覚まで起きる事は、中々ない。半分夢を見て、半分起きているような状態なので、夢だとわかるような、レベルの低いものはある。幻聴は起こる。俺の場合は、さざ波のようなノイズが、聞いた事もないギターのリフを奏でる。(それをパクってやろうと何度も思うのだが、その前に寝てしまい、起きると忘れている。)
  
人によっては、笑い声や悲鳴が聞こえる人も居る。
  
更に睡眠が覚醒の比重よりも大きくなると、世間で言われている、明晰夢へとなる。みんなは、明晰夢を見たらどうする? 俺は、女を探し、犯しつくそうとする。しかし、そういう時に限って、女は出ないか、どうしようもないブスしか居ない。
  
詩的に言うならば、自分の頭の中に、自分の箱庭を作ってやること。それが、瞑想なのだ。
  
精神病の治療にも良い。精神病は脳の分泌成分によって起こる事がほとんどなので、ある程度それを正常化する事が出来る。
  
何より、金がかからないのが良い。
  
では、具体的なやり方を書こう。
  
まず用意するものは、時間。慣れない内はよく、そのまま寝てしまう事がある。大事な約束の前には、しない事をおすすめする。
  
また、眠気がありすぎるのもよくない。そのまま眠ってしまうからだ。瞑想を入り口とした睡眠は、大変質の高い睡眠となるので、それを目的にする場合は、いいかもしれない。
  
それでは、休日の昼間、お前はベッドで、一人で居るとする。
  
枕はない方がいい。なぜだかわからないが、瞑想状態に入りにくい。気道が圧迫されるからだろうか? また、ネットでバラまかれている、瞑想用mp3を聞きながらやるのも良い。大体、重低音の呼吸をするような音が、音程を上げ下げしながら、ずっと流れている。(胎内に居る時の音をイメージしたものが多いらしい。本当だろうか? )
  
さて、姿勢だ。座禅を組むのが一般的なイメージだろう。寝ても構わないなら、仰向けになるのもいい。仰向けになる場合は、入りやすい姿勢は、手を上にあげ、バンザイをする姿勢。ただ、これはお勧めできない。血液が手の先まで行かず、麻痺してしまうのだ。なんと最悪、壊死に至るらしい。なので、次点として、手を楽にぶらさげたような姿勢をお勧めする。手の平は、天井を向ける事。
  
それでは、目を瞑る。半開き、でもいい。とにかく力が入らないものであればなんでもいい。そして、呼吸をする。十秒以上かけ、鼻から息を吸う。そして、その倍の時間をかけ、口から息を吐く。決して、わざとらしくならない事。自然にやるのが一番なのだ。
  
その内、それを意識的にやらずとも、勝手に体が呼吸をしている事に気づく。そこまで来れば、後少し。もう少しだけ、睡眠に比重が行けば、瞑想状態となる。
  
出来た奴は、おめでとう。出来なかった奴は、また試してくれ。
  
俺は何度も、自分がどう思うか? が大事だと、訴えている。キェルケゴールの自分本位哲学と同じで、世間がいくらカラスが黒いと言っても、自分が白いといえば、白なのだ。
  
その、白に現実を近づけるために、瞑想は大変役にたつ。普通に生きていれば、ひょっとして、人があそこまで言うのなら、黒じゃないの? と、人は変化する。
  
瞑想により、自分の中に箱庭を作る事により、白である。という意識を、明確にする事ができる。
  
ここから更に、睡眠へと歩を進め、明晰夢の手前で止まれば、体外離脱の状態になる。
  
明晰夢よりはっきり現実感があり、ある程度自分の思い通りになる、夢を見ている状態である。
  
この事について、一つ思い出がある。
  
中学生の時、俺は世間から隔絶され、はっきりと自分が人間ではないと思い、自分を痛みも何も感じない、サイボーグにまで進めようと思った。
  
試した事は、この体外離脱。自分の深層意識に語りかけ、自分を思い通りに作り変えようとした。
  
体外離脱状態に入る前は、なぜだか知らないが、全員体が激しく揺れる錯覚を起こす。これは、並大抵の揺れではない。
  
俺はその状態に入った時、まるで自分が、ロマン派の絵画でよくある、難破船。その上で死んでいる、老人になったように思えた。それぐらい揺れた。その状態で体をひねると、体外離脱は完成する。
  
体外離脱に成功した時、俺は自分の部屋に居た。窓からさしこむ陽の光はは恐ろしいほど真っ赤な夕焼けだった。
  
体を起こすと、まるで幽霊のように体が浮いた。自分の体から質感が奪われ、ビニール袋になったようだった。窓を開けようとすると、体がすりぬけた。そのまま外にでると、空中にふわふわ浮かぶ事が出来たので、いい気分だった。誰も、人は居なかった。これも、いい気分だった。
  
電話がどこかで鳴っていた。音のなる方へ行くと、自宅の隣の喫茶店の二階から鳴っている事に気づいた。宙を浮いたまま近づき、壁をすり抜け入ると、廃倉庫のような内装だった。
  
そこに、西部劇の時代にあるような、古い、古い電話機があり、鳴っていた。俺は受話器を取り、もしもし、と通話口へ言った。そうすると、俺より一オクターブか二オクターブ低く感じるほど低い声の、もしもし、が聞こえた。
  
俺はそいつに言った。俺はもう限界だから、痛みを感じなくなりたいんだ。そいつは何も言わなかった。おい、聞いてるのか? 何も感じなくなりたいんだよ。そいつは、肯定とも否定とも取れない、ああ、という返事だけよこした。恐ろしく低い声なので、俺は怖くなってきた。
  
しかし、何度もやってやっと成功した時だったし、自分の夢なのに思い通りにならない事に腹をたてた俺は、わかった、もういい、俺を完全に、狂人にしてくれ。気が狂って、何もかもわからなくなりたいんだ。と言った。そいつは、わかった、と言った。
  
その時、ふと、そろそろ目が覚める事に気づいた。何故かはわからなかった。そういう予感がしたのだ。夢から醒める前、ああ、夢なのだ、と自覚する、あの瞬間が来た。俺は最後に聞いた。お前、俺なのか? 電話の向こうからは、ああ、そうだ。と聞こえ、目が覚めた。
  
それから、一度として、体外離脱には成功していない。
  
そうだ、俺はこの時から、完全に気が狂ってしまったのかもしれない。
  
俺は、血圧が、高い時で上が150近く、低い時で、上は100にも届かない。そのせいか、気性の躁鬱が、恐ろしく激しい。
  
書き終わって気づいたが、この体質になったのは、この体験の後だった。余計な事を願ってしまったのかもしれない。
  
瞑想のご利用は、計画的に……。
 




