表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

後編

「途中から怪しいとは思ったんだけど、その人と ずっと会えるならイイか思ったのよ」

昼下がりの喫茶店。

なんの話からか、昔の恋愛話になって和也の話をした。

ま、これを恋愛いうんか知らんけどな。

「会員価格で安くなる言われたけど実際は会費払ってるから安くないんだよね」

「へ〜。考えられてるね〜」

一番仲のいいママ友が感嘆の声をあげる。

「男が相手の時は、ちょっと可愛い女が来るらしいよ。紹介して会員になってもらうと指輪やネックレスが安く買える。買ってくれとは言わないから会員になってとか言うらしい」

「こ、巧妙だな〜」

「しかもカッコいいとか会えて嬉しいとか言ってくれるらしいで?」

「詳しいな!!」

ママ友が目を真ん丸にする。

ま、まあね……。

「この話には続きがあってね」

ちょっと言いにくいけど、まぁここまで話しちゃったしな〜(泣)

アタシは腹をくくって話し出した。

「実は内情を色々聞いたのよ……」

「誰に?」

彼に……。



数年後、また恋人商法の電話がかかってきてた。

「アタシね、昔騙されましたから」

そのまま受話器を置こうとしたら、

『話だけでいい!!とりあえずアポとらないとクビになる』

知らんがな!!

『お願いします!!あなたが来てくれたら今月のノルマ達成なんです!!』

会うだけでノルマ達成って

どんな会社だ!!

「絶対に契約しないからな!!」

根負けして会う約束をした。



「え?行ったの!?」

顔にアホだろ、お前!!って書かないでよ(泣)

「い、行くだけね。そしたらさ、そいつの上司ですってアタシを騙した男が居たのよ」

「え、ええ!?」



「あ、お前、このやろう!!」

胸ぐら掴みかかろうとしたら、

「わ、なつみ久しぶり〜」

「このクソやろ〜!!」

そいつはアタシをグイッと抱き寄せると財布から三千円だして、

「清算して先帰れ。俺が話するから」

と部下を帰した。

な、なんなんだ!!

離せ、このやろ〜!!

「場所変えよう。話がある」

「貴様に話すことなどないわ!!また騙すんてしょ?お金ないよ?あんたのせいで無駄な借金払ってるの知ってるよね?」

「減らしたる。減らし方教えてやるから俺が泊まってるホテル行こう」

アタシは思いっきりヤツの腕を払いのけると、

「嫌だ、帰る」

スタスタと歩き、店を後にした。

そして、路肩に停めてあった車に乗り込むと、ヤツは助手席に乗り込んできた。

「本当に減らす方法教える。書類見て説明するからホテル来い」

あんまり熱心に諭してくるし、もうこれ以上 借金が増えないなら まぁいっか思っちゃって、

「ホテルまで送るわ…」

言って車を発進させた。


ホテルの駐車場に着いて、降りてと言ったらギュッと手を握られた。

「なつみ、すげ〜可愛くなったな。何かあったんか?」

「お前に騙されてから必死に働いてんだよ」

色々 大変だったからな、あなたのせいで!!

ギロッと睨んでやろうと顔を上げたら、メッチャ見られてた。

やはりイケメンなのでドキッ!!としてしまって、手を握られてたから それもバレたのか、

「相変わらず俺はイイ男やろ?」

と茶化され、ふ〜と深呼吸?したかと思ったら、いきなりチュ〜された!!



「きゃ〜!!何それ、何それ〜!!」

ママ友が歓喜の声をあげる。

いやいや、ここ喜ぶとこちゃいますよ?

「ちょ、ちょっと、なに!?って、手で押してもギュ〜とされてて逃げれんから結局 部屋まで行ってヤリましたよ……」

「きゃ〜!!」

だから歓喜の声をあげるとこ違うっつうの!!

「で、借金減らす方法も聞いた。会員辞めたら月三千円減るから会員辞めろ。その会費が会社の儲けだって」

「へ〜。意外とイイ人だったんだね」

ん〜。そうなのか?

「で、最後にさ、なつみ結婚するなよ?俺がまた迎えに行くからって言われてさ」

「きゃ〜!!」

「さすがにそれは騙されんよ?ババアなるわって言う言ったらさ」

「わ、わわ。私、騙されたわ」

あんた素直すぎるわ……。

「さすが!!いうてチュウしてきて、じゃあ気をつけて帰れよ。俺はさっきの部下に上手く言い訳せなあかんわ〜。元気でな〜って昔、騙されたって話でした。おしまい」

「……な、なんか憎めない男だね!!ドラマみたいだわ〜」

「そうか?結局、言いくるめられてイケメンの欲求を満たすために使われただけじゃね〜?」

「でもイケメンならイイじゃん!!」

「ま、まあね。相手持ちで何回かデートもできたし悪いことばっかじゃなかったけどさ。高い買い物だったよ」

「むしろさ、買う買う詐欺みたいに買うふりしてイケメンとデートしてHできたら最高だよね〜」

「あははははは!!買う買う詐欺!?」

大爆笑だわ!!


胸に刺さった小さな棘みたいな人生の汚点だったけど、なんかフッと軽くなったわ(笑)


あんた最強だね!!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ