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憑神探偵  作者: 104
『跳躍飛天』編
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『跳躍飛天』編

カンカンカンカン……


深夜。静まり返った町の静寂を切り裂くのは、最終電車が通過する警告音。

周りに外灯もなく、ただ赤いランプだけが交互に闇を照らしている。


カンカンカンカンカン……


微かだが地面に振動が生じる。あと数秒もすれば、この場所に本日最後の電車が通過する事だろう。


カンカンカンカンカンカンカン……


「――ッ――ッ――」


そんな時、警告音に混じり何か音がした。


「――て――けて――ッ!」


暗闇の中を目を凝らしてみると、そこには1人の女性の姿が。

彼女は幼さの残る顔をしていたが、今は蒼白となり、大きな瞳に涙を浮かべている。


「――や――いや――」


女性は何故か踏切のすぐ傍で、座りこんでいた。

時折、身をよじるように体を動かしてみせる。

ガリガリと地面を爪で引っ掻くが、体は1ミリとして今の場所から離れようとしない。


カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン……


少しずつ、しかし確実に電車は迫ってきている。女性もそれを察しているのか、大声でもう1度叫んだ。


「――助けてッッ!!! 助けてェエェエッッ!!!!」


しかし、その声に耳を傾ける人間は不幸にもこの場にいない。


ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン


「いやあぁあぁああああッッッッ!!!!」


電車は、通過する。

女性の、真正面を。


カンカン……カン……


残されたのは、痛みからなのか恐怖からなのか。目を剥いたまま失神している女性と周囲に広がる赤。そして――


両足を失った、無惨な体躯だけだった。

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