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プロローグ
始まります。
これは、遠い遠い昔。
「おばあちゃん、ちょっと行って来るね」
不死鳥伝説に護られた、この村に。
「行ってらっしゃい、フレア。
……気をつけるんだよ」
まだ、名前も無かった時代に生きた。
「大丈夫だよ、そんなに心配しなくても。
私だってーーーー」
愛され過ぎた少女と
「ーー小さな子供じゃないんだから」
愛し過ぎた人間達、
「それに、エンは皆がいうような
悪い人じゃないんだよ?」
そして、嫌われ過ぎた少年の
少しだけ、悲しい物語。