第2話:能力開放
ちょくちょくバトル(?)を入れていきたいと思います。
自分すら思う一言……
【これって、バトルに分類するのか?】
ここでの生活が始まって一週間が立った。
私は朝の日と共に目が覚めてしまった。
この世界は時間と言う感覚が無い為に日の光で行動を取るしかないのだ。
江戸とかそんな感覚になりそうだけど。
顔を洗った後、台所に立った。
「いつもはクリスが作ってくれてるから今日は恩返しをしないね」
そして、調理を開始した。
「ヤッパリ見たことない食材なんだけど……どんな料理が一番良いのかって言うのが分かるのは何でなんだろう?」
家でもそれなりには晩御飯とかは作っていたから……けど、食材だけ見るだけで何となく解るんだけど。
カインさん曰く、
「料理の天才なんではないのか?」
この前作った晩御飯は二人は美味しそうに食べていたから別に良いとは思うんだけど。
そう言いつつも和風の朝ご飯は完成した。
「うにゅ〜……いい匂い〜」
匂いに誘われてクリスが目を擦りながら起きてきた。
「おはよう、クリス。もう少しで朝ご飯だから顔洗ってきなさい」
「ふぁ〜い」
そういって、外の方に歩いて言った。
そして、私は思いだしていた。
昨日教えてもらったこと……この世界の情勢について。
「この世界は3つの国で構成されてる」
そう言って世界地図を開いた。
そこには三つの国が色分けで書かれていた。
「……ティスティア王国…フェルビア王国…ガルバード王国………」
その言葉に二人は驚いていた。
「ヒカル……字が読めるのか!?」
「う…うん、何となくなんだけど……なんて書いてあるのだけは理解は出来た」
私が見てる文字は紛れもなく日本語で書かれているのだ。
「ミティアの民の字だから読めるのは当たり前だけとな」
やはり、日本語で間違いなかったか。
「ねぇ、この中央の黒く覆われた場所は何なの?」
何も書かれてなく、この三つの国の中心点の場所は黒く覆われていた。
「ここが、ミティアとフェリスなどを繋ぐ場所……【ヴァージニア】だ」
「【など】って言うことは外の世界とかにも繋がっているんですか?」
その言葉にカインは肯いてみせた。
「ならここに行けば私は帰れるんですね!?」
だがその一言でカインは暗くなった。
「いや、それは出来ない…この戦争の発端はこの部分の領地争いになるんだ」
その言葉で私は呆れそうになった。
「まぁ〜呆れてしまうのは無理はないが……その部分を保有すれば莫大な資金が入るというのもあるがな」
多世界に移動が出来る場所の私的保有を行えば他国から資金を巻き上げることは可能ではある。
「まぁ…いったいいつまで抱え込むことが可能かって言う事を付け加えてあげたいかな?」
私は溜め息混じりでそう答えた。
カインもその事は解っていたらしく同じ様に首を上下に振っていた。
「話は戻して……三国はそれぞれの特徴がある……ティスティアは魔法騎士、フェルビア王国は肉体強化などを得意とする魔法を使う魔法拳士……最後は、ガルバード王国は科学の力を使って魔法と融合した力を使う魔導士と分かれている」
「魔法と科学はあるんですね……やっぱり」
「バランスよく組み込んでいるからな……」
そう答えた。
私は、その後の話を聞いた。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
急に現実に戻されドアップでクリスの顔があった。
「あはは…ごめんごめん、考え事をしながら朝御飯を食べちゃってたね」
そして、朝食を食べ始めた。
「そう言えばこの後どうするの?」
「この後?……少し、カインさんに呼ばれているからそっちに行かないといけないかな」
そういうと、小さく残念そうな表情を見せた。
「話は午前中みたいだし……その後だったら一緒に居られるから」
「やったーーーー!!」
本当に嬉しそうな顔をしている。
「なら、お昼は僕のとっておきの場所に連れて行ってあげるね」
朝食が終わった後、私は中央テントに足を運んでいた。
「……来たな」
私が来た事にカインは気がついた。
「すいません、お待たせしました…用件と言うのは?」
「……明日、ここから離れる事になった」
その言葉に少し驚いていた。
「……急な話ですね?」
「緊急召集が掛かったんだ……今までは、何とか均等が保ってきたんだが…そろそろ帰って来いとな」
この世界は戦争のど真中にあるって言うことだ。
「その前に、ここの長に話をしないといけない事になっているから…ついでにヒカルの事も話さないといけないからな」
その言葉に納得して私は一緒に天幕の中に入った。
「良くぞいらしました」
そこには一人の女性が立って居た。
「あなたは?」
「この集落の長の【フェレム・パライエム】と申します」
その姿は、気品があった。
「体調の方はどうですか?」
「今はちょうど安定期に入ってます」
長のお腹を見ると大きかった。
見る限り8ヶ月と思う。
「今は一番危険な時期ですので気をつけて下さいね」
「心遣いありがとう御座います」
「黒崎光です……あの失礼ですが、お腹…触っても良いですか?」
好奇心という言葉もあったがヤッパリ触ってみいたいという言葉の方が強かった。
「構いませんよ」
「…では、失礼します」
私はゆっくりと壊れる物を触るような感じで触った。
触れてみると、母親と違う心臓の音がトクン、トクンと手の鼓動を伝ってきた。
【おかあ……さんを……ま………もって】
小さな言葉が掌を伝って言葉が聞こえてきた。
私は手を離すことが出来なかった。
【おかあさんをまもって】
次ははっきりとした声で聞こえてきた。
その声に答えるように瞳を閉じた。
【お母さんを助けてってどういう事?】
【ぼくのこえ……きこえるの?】
【うん、きこえるよ…どういう事なのか教えて】
そして、私はゆっくりと瞳を開いた。
「……ヒカルさん?」
「…………お腹の子が訴えてきたの『お母さんを守って』て」
その事に言い返そうとした瞬間
「あっ…お腹の子が蹴った」
光の言葉に頷くように反応を返したのだ。
「……俺はまだ半信半疑なんだが、今の行動は何かあるということか……ヒカル、出来るだけの事教えてくれ」
その言葉に、私は頷いて説明を開始した。
その日の夜は静かだった。
クリスの約束も出来なかったが説明をしたら仕方ないって苦笑いされちゃった。
私達は、近くの洞窟に避難していた。
お腹の子から聞いた言葉は
【夜、集落に赤き炎が降り注いで皆を焼き殺す】
カインさんにそんな魔法があるかと来てみたところ『ある』と答えが帰ってきた。
『フレイム・レイン』
聞いたとおり『焔の雨』を降り注ぎすべてを焼き切ると言う事だ。
ただしこの魔法は、複数の魔法使いが居ないと発動は不可能と言う事だ。
土の魔法と火の魔法を使うものがいないといけないらしい。
「カインさん……大丈夫かな?」
確かにエレメントの相殺で行けば可能な事なんだけど。
「火と水は相殺なんだけど……水と土は相互なんだけど……大丈夫かな?」
その時、いきなり空が赤く燃え上がった。
複数の赤い光が数十個ここからでも確認で来た。
「……あれが赤き魔法」
なんかどす黒く、気持ちが悪いものだった。
そう言えば、カインさんが言っていたっけ?
−魔法は使う人によって色が違うって−
次の瞬間、地上から水柱が立ち始めた。
それが徐々に龍の形を形成していった。
「あれが…カインさんの魔法」
その光は、力強くて優しい感じが伝わってきた。
そして、次々と敵の魔法を飲み込み空中で爆発させて無に返していく。
「す、すごい……」
私から見ても凄いと思う。
たった一人であの魔法に立ち向かってるっているのだ。
しかしその均等は直ぐに終わってしまった。
一瞬、遠くから赤い光が瞬いた。
そして、次の瞬間に集落が飲み込まれた。
空から、巨大な龍が集落が丸呑みをしたのだ。
その表現が一番あってると思った。
集落は赤き炎に覆われた。
「カインさん!!」
私は、走り出しそうになった瞬間、右手を掴まれていた。
「行ったらだめ!!」
クリスが泣きそうな目で右手を掴んでいた。
「お姉ちゃん、魔法が使えないんだよ!!どうするの!!」
その言葉は、悲痛の叫びに聞こえた。
「……そうだね、魔法は使えないけど……私は、死にに行くわけはないんだよ」
「けど……」
「私は、もう知人を失いそうになったのはしたくないの…だから、出来る事は全てやるって決めたんだ」
無鉄砲とか色々言われたけど。
「…約束するから……カインさんと一緒に戻ってくるって」
小さく笑い、クリスを抱きしめた。
「お姉ちゃん……」
「だから、私も諦めないで戻ってくるから…信じて」
クリスが握っていた手が解かれた。
「私が出来る最大の事をする」
次の瞬間、大地を思いっきり蹴った。
本当は一つだけミティアで教えてもらった魔法がある。
「まだ、この世界で使えるわけとは決まったわけではないけど……」
次の瞬間、斜面を思いっきり蹴った。
「瞬間跳躍!!(テレポート)」
次の瞬間、浮遊感に包まれそれが直ぐに消えた。
着いた場所は集落の中心のテントだった。
目の前に一人の男の人が倒れているのを発見した。
「カインさん!!」
急いで駆け寄った。
「…大丈夫、掠り傷が多いけど、深い傷はない見たい」
「くっ……俺は」
「カインさん」
その声に気がついたのかゆっくりと目を開けた。
「……なんでヒカルがここに」
「そんな事はいいです……洞窟まで戻ります」
私はカインさんを担いだ。
「無理だ!!俺を置いていけ!!」
「そんな事出来ません!!」
私は叫んだ。
「そんな簡単に命を投げ出さないでください!!……絶対に助けます」
「ヒカル、上!!」
カインの言葉で上を見ると、火の玉が降り注ごうとしていた。
駄目、テレポートでも間に合わない。
「くっ……」
誰か助けて!!
私は一瞬目をと閉じた。
10秒…15秒…
しかし、一向に衝撃や熱さが来なかった。
ゆっくり目を開けると、私は目を疑った。
集落全体を何かで包んでいるのだ。
【…我が声が聞こえし子よ】
頭の中に声が聞こえ、振り返って見ると光があった。
光といっても、普通の光ではなかった。
【ミティアより選ばれしき子よ……汝の思いは強いか】
【守るものの、助けたい気持ちは強いか?】頭に響いた声に連動するように首を上下に動かした。
その言葉に4つの光は人型を形成していった。
その光が形成する形が連想するもの…炎・水・地・風の印象が強かった。
「四聖霊……」
【我が力を善き事に使うことを思っておる】
四体が手を翳した瞬間、光が私の中に入った。
【我が名はイフリート】
【我が名はジン】
【我が名はウンディーネ】
【我が名はシルフ】
そして、声がゆっくりと消えていった。
【我が六つの力がお主を守ってくれるだろう】
「私は魔法なんて使ったのあんまりないのに!!」
【大丈夫ですよ…魔法とは想いが具現化した力…貴女なら絶対使いこなすことは出来ます】
そして、完全に声と姿が消え去った。
「……想いが具現化した力……なら!!」
次の瞬間、光の足元から魔法陣が形成された。
「水は火を消し、風は岩を砕き無害の物へ変換しなさい!!」
光の両脇から龍が二体出現した。
そして、水の龍が岩を覆っていた火を消し、次に風の龍が岩を粉々にして砂にかえした。
「……ゴブリンがこの事をしたって言うことね」
光は、手を上に翳した。
すると四つの光が光の上で交じわり一つの大きな光となった。
「撃ち上がれ……」
その光は雲高く撃ち上がった。
その行動に遥か彼方にいるコブリンは笑っていた。
「残念だけど…まだ攻撃は終わってない【分離】」
そして、コブリンに対してにらんだ。
「終わりです【スターダスト・レイン】」
次の瞬間、空高くで分離した光がコブリンがいる場所に落下。
そして、爆風が光達のところまで吹き荒れた。
「な、何ていう破壊力……そして、今の魔法は間違いなく【グリフィス・グレイラ】が使っていた魔法」
そして、物語はこれを期に大きく動いていくのだった。