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条件有りの優しい絶望

「陸、抱っこされてる!」


笑いながらそう言う菜々。


俺はその正体を確認しようと振り返ると、


目に映ったのはイエティの姿だった。


『逃げなきゃ!!』そう思ったが、


イエティは他の化け物たちと違って


特に何もしてこないようだった。


「こいつ何もしてこないな?」


「おらっ!!」


『何もしてこない』とは言っても、


大体はこちらが何もしないという条件がある。


しかし、海夏人はそれを破ってしまった。


海夏人の足がイエティに当たった瞬間、


イエティは咆哮を上げた。


不気味で酷く甲高い咆哮。


その拍子で俺は地面に落ちる。


「陸!大丈夫?」


そう言いながら菜々は俺に駆け寄ってくる。


一方で


「やーいこっち来てみろよ!!」


と馬鹿にしながら海夏人はイエティを


煽り散らかす。


するとイエティの、


フワフワだった毛皮が一気に氷のように


ツルツルになった。


「海夏人!!早く逃げろ!!」


そう俺が叫んだが海夏人は


「何言ってんだよ!!怖がってんのか?」


とまともに聞いてくれない。


その瞬間、俺の横に居たイエティは雪に潜り、


地面を泳ぐように移動する。


そして一瞬にして海夏人の目の前に現れた。


「え?」


そんな海夏人の声を聞いたとほぼ同時に、


海夏人はイエティの口の中にねじ込まれる。


辺りにはバキバキと骨が砕かれる音が響いていた。


さっきまでは優しそうだったイエティ。


今では口元に血がこびりついていて、


とても恐ろしい。


気づいた時には菜々が居なくなっていた。


探そうと思ったが以外にもすぐ見つかった。


イエティの足の下に。


ぐちゃぐちゃに潰れて内臓がいくつか飛び出ていた。


『逃げなきゃ』


そう思った時にはもう遅かった。


だってイエティと目が合ったから。








遥side




真っ暗だ。


もしかして私、食べられた?


あぁダメだ。


想像したらダメだったんだ。


みんな逃げきれたかな..


私が囮となって皆が逃げれたならいいな。

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