カノジョ(仮)22
人類が人型兵器で戦争をするようになって半世紀。
月面決戦で、複座式重人型兵器スコルピオンGXフル装備(通称・全部乗せ)のパイロットとして勝利に貢献したナナミ君とミナミちゃん。
戦後2年、ほとんど夫婦じゃん、という同棲生活が続いていた・・・
沿岸の都市が戦争で破壊されほとんど砂漠状態のオーストラリアで、かつての敵・月面軍のカンガルー型人型じゃないだろ兵器の目撃情報の真偽を確かめるため、まだ一度も宇宙に行ったことが無い宇宙用兼空母カーマストラーは季節が逆の南半球に向けて出港となった。
(都市伝説と思っていたカンガルー女隊長が生存しているのか?)
『未遂』に終わった年上の女性に会いたいような会いたくないような、ナナミ少尉であったが、
(ミナミちゃんいないから料理作らなくていいか)
パートナーで毎週のラジオのレギュラーを持つGカップアイドルもやってますミナミ少尉(戦後二人は同時に昇進)は、ラジオ番組のため録り10週分で帰りは明日になる。
(月面焼きカフェテリアでテイクアウトだな・・・あっ!なぜか男子ばっかならんでる)
「あ!ナナミー少尉‼」
「きみはブリッジ女子のキルパトちゃん。どうしてメイド服を?」
ナナミは店の前でチラシをくばっているFカップの管制官に聞くと。
「艦内カフェテリアが、メイド喫茶『ハニートラップ』としてリニューアルオープン!ナナミーさんだったらおさわりOKよ」
「ホント・・・あっ!さわっちゃった」
「もうーナナミーたら」
以前のミナミちゃんみたいな小悪魔系のアナベル・キルパトリックに、
「そういうの、オムライスにケチャップかけてもらうとか苦手だから」
ナナミは回れ右して艦内スーパーに行くことにしたので、
「キルパト、ゴメン!胸さわれてうれしかったけど」
後日。
「ガキ少尉!おまえまた用事無いのにブリッジに上がってきたのか」
事実上ブリッジを仕切る女性副長がナナミの前に立ちふさがった。
「副長質問!メイド喫茶、カフェテリアにもどってましたけど」
「あの店はボッタクリだったから。バイトしてた女子どもは当分謹慎だ!」
(おわり)