白馬になった王子様
ランラン~ら・ら・ラン⚪~♪心の声が日に日に大きくなっていく。遡ることフタツキマエ……「ホームステイ?ウチに、えーやだよ異国の他人と共同生活なんて!」風呂上がりにアイスを食べながら膨れる私、話は最後まで聞くモノだよ「しょうがないでしょ。お父さん外交官でも珍しい窓際の万年平なんだから」と母「確かに押しつけられたんだけと、いい子なんだよ身分をひけらかさない素朴な方なんだ」?身分?「えーっとパピー父君、いや父上まさかな高貴な感じの方なんですかな?」そんな5歳以降見たことのないキラキラ星な娘に「ハミルナヤって小さな国の皇太子なんだよ」皇太子なんだよ皇太子なんだよ皇太子なんだよ……………ホンモノの王子様いやまてぽっちゃり不細工な王子様なんて王子様じゃねぇたたっ切って落ち着け「その写真なんかわ………!?!」そこにはいつものさえない父と(よくカメラ壊れなかったなという)美しく端麗な青年が笑顔で映っていた。ありがとう神様一般的な家に生まれたこと恨んで今度からお賽銭箱にはヒデヨを献上奉ります「名前は?もしかしたら未来の………になるカモメ」「アラブルク=ハミルナヤ様だったかな。アラでいいって肴のアラみたいだねって話で盛り上がったな。怒られるんで秘密でって男の子いないから息子みたいでさ」「でもどうしてもウチに大使館とかは?」と母「いやね、ハミルナヤがどうも王位継承で内戦が近いらしくってきな臭くなって、でも日本政府は他国への干渉になるって突っぱねて妥協案でウチにって事になったんだよ」そんなことより王子様「白馬の王子様だよねコレって」夢の世界へのご案内状態だ。そして王子様来日、白馬に股がり颯爽と登場する「初めましてアラブルク=ハミルナヤっていいます。気さくにアラって呼んで欲しいな」女の子かと思う華奢な体つきに笑顔でコレハナンテイウゲームデショウカという現実があったが顔を人舐め白馬に戻された「アラ・ブルクだめだよ。舐めちゃ」白馬と戯れる世界もソークールです「こっちは僕の大親友のアラ・ブルクなんだ。よろしくね」王子様には白馬は必須条件です問題ナッシング。父上が案内を私に促すヨロシクと笑顔で手を差し出すアラブルク王子様………逃げ出した無理無理無理手なんか握れないっての父上とママが王子様案内してる。アタシの馬鹿!その時ペロッと白馬がアタシを舐める首を捻る白馬を抱きしめる「あーあ、アンタには簡単にできるのにって?!」抱きしめるとわかった毛並みの間にある傷ついて塞がった瘢痕が沢山見ると其れは体中にあった「王子様じゃないよね……」白馬が首を横に振る。虐待されていた随分古い傷も多い小馬の頃からなのか、よしニンジン食べるかと冷蔵庫から拝借してくる翌朝「寝ている間に攫われたってこと?」王子様が寝ていた部屋が荒らされ連れ去られてしまう。残ったのは白馬くん連絡が耐えない父上家に居づらく白馬くんと散歩に出た「どう?匂いとかでわからない?ってわかんないか。はぁ~君は?!」加えられたかと思うと背中に乗せられ走り出す白馬くん…………「ホントに美形だな?コレが男かよ?ひんむいて」殴り飛ばされる男「大金が欲しいなら黙って見張ってろよ」「なんだと(銃口が額に)………」銃をしまった後「然し王子様だったかな、えっと」「ハミルナヤという国の王子様だ。依頼はあくまで生け捕り依頼主はおっかねーお嬢様だよ」王子様の顔色が変わる「傷でもあったら俺らが展示物だぜ」「展示物?」「あぁ今回の依頼を受けたのが風変わりな美術館の隠し展示室『殺し』がテーマの作品が腐るほどあったんだ。今でも思い出して吐き気がするぜ」天窓のガラスが割れる数人の男が拳銃を構える暗闇に白馬が浮かび上がる「なんだ?馬!?」男が一瞬で踏みつけられ銃が乱発する。王子様の後ろから「大丈夫ですか?すぐ解きます」「どうして?ここへ?王………アラ・ブルクが何で?」「白馬さんがびゅーって凄いんですよ。さすが王家のサラブレッドですね」油断だった。一瞬で撃たれた避けれない。白馬に当たる。すぐに駆け寄る王子様「王子様王子様王子様」すり寄り泣きじゃくる王子様?優しくすり寄る白馬くん「誰が傷つけていいっていったのかな!」残っていたメンバーは頭を打ち抜かれた王子様の髪が撃たれカツラが宙を舞う。次に脇を掠め晒しが緩む。長い髪、膨らむ胸、王子様が一瞬でお姫様に「噂ホントだったんだ。いつから男装が趣味になったの護衛のホルノスちゃん❤」現れたのはアタシよりも背が低いツインテールの女の子「ヒルン様?!」左足を撃たれる「喋っちゃダーメよホルノス初めまして日本のお嬢さん、私ヒルン・ナル=ハミルナヤっていいます。アラ・ブルク兄上様の妹です」銃弾が3発アタシを狙ったが3発とも白馬を貫く。残りの弾が3発続け様に自分を撃ち抜く「これでお兄ちゃんとお揃い~♪」血塗れの彼女のほほは赤みがかっている