笑顔の少女と終わりのむら(4)
前投稿するって言った日から一日経っての投稿でなおかつ2000いかないととんでもない作者です。
ちょっともう目がしパしパしているので前書きも後書きも本文並みに手抜きします。
来てくれてありがと。
三人でヒメ様の村に向かうことが決まって歩き始めてまもなく、ヒメ様は不思議そうに問うてきた。
「ところでアルさんとノールさんは学園の方に届け出はだしたのですか?」
「届け出?」
「えっ!?まさかなにも言わず出さずでこんなところまできちゃったんですか?」
「いんや、俺はそもそも学園途中から行ってねぇからな~。あのジジイ達の顔見ててイラつくからもう二年前から無視してるわ」
「私はそもそも学園から来るなって言われたな」
「「…………」」
ノールに関してはヒメ様は特に反応しなかったのにこっちには反応したのだがなぜかノールまでこっちをまじかとでも口に出しているかのようにパクパクと動かしている。
「あのアルさん。本当ならいけないことですけど称号聞かせていただけませんか?」
「いいよ?ノールもさっきしれっと言ってたしな。私の称号は一般市民。全ステータスがLvが上がっても+1しかされない。私はLvが1で何も上がってないから覚える<スキル>が何かも分からない世界で私だけしか与えられていない称号だ」
精一杯胸を張って答えた。唯一覚えているスキルに関しては最初から使えたものだったがこれについては話さなかった。
ステータスに関して言ってしまえば最弱。スキルも何を覚えるのか分からない。
聞いた人達からしたら申し訳ない気持ちで満たされるかもしれないと思い笑い飛ばすように喋ったのだがノールは「まじかよ、カッカッカ」とか洩らしながら、腹を抱えて笑っていた。
ヒメ様は何か考え込むように口元も手で覆い悩みこんでいたが、ふと
「アルさん。アルさんって本来であれば今年卒業するはずではありませんでしたか?」
「?まぁそうだな」
「本当か~?おいアルお前今年いくつだ?」
「あと五日で15だ!」
「くっそ」
特に意味のない会話。ノールはおそらく同い年だがどちらが年上かと子供のようなことを考えていたのだろう。気にすることでもないがノールにしては重要なことだったのか悔しがっているので何も言わずにニヤッとしてやった。
ヒメ様はまだ考え事をしていたが王都からそもそもどのくらいの距離離れているか分からないので少しでも急いだほうが良いと思い、
「それよりヒメ様。あとどのくらいで着くんだ?」
「もう随分歩いているのであと数時間も歩けば着くと思いますよ?」
「「え~~~~~~~」」
「付いてきてくれるって言ったのはお二人じゃないですか!」
不満を表したら私とノールにヒメ様は人差し指でおでこをプスッやってきた。
ヒメ様は既に王都から離れてしばらく歩いているはずなのにお強いことだ。
それからずっと歩き続けた。
時に大きな魔物だけ出てくるがノールが<スキル>を使わずにその拳だけで魔物を倒していく。獣の魔物しか近づいてくることはないため、ノール様様だった。
ヒメ様が持っているコンパスは確かに魔物除けの効果はあるが大きい魔物に対しては効き目が薄いのかもしれない。
でもここまでは特に妨害なくヒメ様はこれているのはどういうことなのだろうか?
魔物に関しては大きい魔物だけでノールが倒してくれて、それ以外はなんでもない森の冒険だったのでヒメ様に村のことを色々聞いてみた。
「私の村は王都からも他の村や町も近くにはなくて村の皆で農作物をつくって分け合ったり大人が狩ってきた魔物や獣の肉を食べて生活をしています。
たまに商人の方の馬車がくるので服や靴をもらう代わりに村で作った食べ物をあげていました。
村長さんももう既にお年だったので亡くなってしまったのかもしれません。
村民に寄り添い常に自分より周りを優先するいい人でした。
このコンパスさっき村長さんからもらったと言いましたが、メールをよく送ってくれた妹の手紙の中にあるとき入っていたんです。もう二年程経っていますが、まだ甘えん坊なところは変わっていないので妹が村長さんに甘えたのかもしれません。まだ一年学園には通わないといけないので今回思いっ切って帰省を考えたんです」
周囲との関わりがなければ裕福な人がいたりすることもなく貧富の格差が生まれなかったんだろう。
ヒメ様は終始楽しそうに喋っていた。
「ちなみに妹はどんな子なんだい?」
「ん~?なんだアル、幼女が好きなのか?」
「なんでそうなるの!?」
ふふっとヒメ様は可笑しそうに笑ったが妹のことについて話してくれた。
次はヒメ様の妹の回想話になります。
またね。