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届けられた手紙

プロローグから今回のお話まで御覧いただきありがとうございます。(今回と言ってもまだプロローグ入れてもまだ二話)

読んでもらえてるならとてもはっちゃけていると思ってください。

前書きで止まらずに最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

「お疲れさんよ」「今日はありがとよ」「ありがとうねロード」


従業員が行きかい今日も一日働き続けた男性女性両方が酒を片手に言葉を紡ぐ酒場。

三人からお礼を言われ、一人の女性から名前を呼ばれた俺、アリタルロードは周りが酒を飲み騒ぐ中一人だけオレンジジュースを片手に答えた。


「こちらこそありがとうございます。分け前こんなにもらっていいんですか?」


分け前とはさっき受けた仕事の話だ。

ここの酒場は冒険者と呼ばれ、時には恩恵、時には害をもたらす魔物と呼ばれる存在を狩る者達を管理またはクエストをだすギルドと呼ばれる建物の中の一部に設置されている。

クエストには魔物を狩る討伐クエスト。薬などを作るための採取クエスト。町から町など魔物が住んでいる場所を通る人間を魔物から守る護衛。他にも町の水路の掃除や飼っている犬の散歩などの雑用クエストなど多岐にわたるが、冒険者は複数人でパーティーを組みクエストに当たっている。

ただアリタル・ロードはどこのパーティーにも所属せずいわゆるソロなのだがよく他のパーティーにお呼ばれしてクエストを受け分け前をもらって生活している。

今日は父母息子という組み合わせのパーティーに同席してフォレストウルフと呼ばれる魔物の巣の破壊というクエストを受けていた。

ちなみに名前は覚えていない。覚えていないというか覚えられないだけだ。昔から人の名前を覚えるのが苦手だった。顔を覚えるのは早いんだけどね。


「こっちからお願いしてんだからいいんだよ!」

「いつも引っ張りだこだしな」

「そうよステータスがいくら低くてもそれを補って突発的な判断ができるんだから。今日もそれにすくわれたしね。受け取って頂戴」


今回のクエストはフォレストウルフの巣の破壊とあって群れを奇襲しなければいけない。フォレストウルフは一匹一匹の強さはそれほど強くはないが群れとなると連携をとってくることもあり強敵となる。


「じゃあありがたく受け取りますね」


そういって銀貨3枚と銅貨が4枚小銅貨が5枚入った袋を受け取った。

ちなみに銅貨4枚あれば安い宿くらいなら一泊することができる。小銅貨5枚はリンゴを買うとしたら五個買えるので、銀貨も3枚もらえたとなると大きな仕事だったとも言えるだろう。


ちょうど袋を常時しているバッグの中に入れるとドン!と肩に手を置かれた。


「ようロード。明日はこっちにきてくれるかい?」


いきなり呼びかけてきたのはまた別の日に組んだことのあるパーティーのリーダー格の人だった。


「機転が利くと言えば聞こえは良いですけどなんでこんな弱いやつを揃って連れていきたがるんですか。まぁ言ってしまえば答えはNOです!」


「えっ?それまたどうして!?」


「もうすぐ俺の誕生日が近づいてるんですよ」


「まじか?てかなんでそれが理由になるんだ?」


今度はまた別の人が割り込んできた。


「もうここのところ三年くらい村に帰っていなかったからそろそろ一回帰ろうと思うんですよ。だいたい俺くらいの年齢だったら学校に行ってるのが普通ですよ?もう違和感なくなってる思いますが、ここでジュース飲んでるやつ俺だけですから」


「そうじゃないでしょ」


トスッと頭に加減されている手刀が入る。振り向くとここのギルドの受付をしているリナさんがいた。いや名前はね。流石にいっつも注意されてたから覚えたよ?何を注意されてかとかは言わないけど。


「いっつも誕生日に帰ったら帰ったらッて言っても聞かないから私が帰るように言っただけですよ」


「あらやっぱりリナさんお母さん気質ね」


「お母さんってやめてくださいよレシータさん。まだ私22ですよ?」


レシータさんはどうも今日組んだパーティーの母親の名前みたいだ。


「22って結婚は男の子は15、女の子は13でできるからもう遅すぎるくらいよ。早く結婚しないと。うちの息子なんてどう?」


「ちょ、母さん!」


「すいません……タイプじゃなくて」


告白していないのに振られている。しかも本人は下向いて超落ち込んでいた。好きだったんですね。


「とにかくロードさんは今すぐ出発してください。ギルドの前に馬車をもう用意してありますから」


「早いですね」


「ロード君は言ってもいつも聞いてくれませんからね。早く行ってくださいね」


「はーい」


「なんだ話聞いてればほんとにロードかえっちまうんか」


リナさんに従い立ち上がり外に向かおうとするとこれまた以前パーティーを組んだことのある別の人が話しかけてきた。


「おい、皆ロードが家に帰るってよ!」


「ちょっ!?」


男の声を聞くと今まで話に加わっていない酒場にいた人達がどんどん集まってきて、「またこいよ」「いつまでも待ってるからな」と一部今生の別れとでもいうかのような人もいたが沢山の人が別れを惜しみ声をかけてくれた。

まもなくして馬車は大きな村


「はい、はい。皆さん離れてください。ロード君行きますよ」


このままだと一行に判断したのかリナさんは手をパンパンと叩くと他の冒険者に道を開けさせ俺の手を引っ張り外に連れ出した。ギルドを出るまでは皆じゃあなと声を上げてくれていたが出ると酒の席に戻ったのか声はピタリとやんだ。

正面にはリナさんが頼んでくれていた馬車が既に待機しており、御者はもう出れるよと手綱を握って待っていた。


「それじゃリナさん今までありがとうございました」


馬車の席に乗り込みながらギルドで今まで世話をしてくれたリナさんにお礼を言った。


「また来てくださいね」


「また、気が向いたらね」


曖昧な言葉を言い御者に出してと頼むと手綱を張り馬が前に進み始めた。

まもなくすると馬車は町を出て俺の故郷の町へと車輪の跡を草の生えていない道を進んでいく。

夜道で馬車を走らせるものなら盗賊などに襲われそうなものだが流石受付嬢が準備してくれた馬車。御者はもと冒険者でそこそこの強さを持っており特に警戒をせずに夜の心地よい風を受けながら休眠をとることができた。


眠りについて一刻かそれ以上たっただろうか。

揺れていた馬車が止まり体を起こすと御車が「着いたよ」と声をかけてくれお金を銅貨を渡そうとするともう貰っているからいいよと言って颯爽と去っていった。色々と最後まで世話をしてくれるリナさんに感謝だ。


約三年越しの見る村。

全ての都市、町や村にある教会の前を通り魔力がこめられたランプで照らされた道を歩く。

まだギルドを出る前なら起きている家もあったであろうが既に時間がたっており横にみえる家々の明かりは消えていた。

歩いていると先に一軒だけもう遅いのに明かりのついている家があり前に辿り着くと自分の家であることが分かった。

チャイムといったものがないので扉を数回叩いた。


「はーい。どなた?」


叩いて少しするとタタタと駆けてくる音と問いかけてくる声が聞こえたのでただ一言だけ言った。


「ただいま」


声に反応したのかガチャっと扉があき、中から女性が出てくる。

あ、変わってないな。最初にそう思った。16の時に俺を産み約三年前に別れた俺の母さんディセル・ロード。ロードは苗字みたいなものなので共通だ。

離れてから三年も経っているというのにも関わらず母さんの見た目はとても若かった。とても31歳とは思えない。見た目詐欺だね。しかも若いというのは可愛らしいとかではなく綺麗という意味でだ。独身でいたら年関係なく求婚されそうだな。


「おかえり」


母さんはじっと見てから包み込むように腕を俺の背中に回した。後ろのは遅れて父さんガリア・ロードがきて母さんの後ろから俺ごとその大きな腕で抱きしめてくれた。


もう夜遅くでもあるが久々に会えたことが嬉しいのか別れてから今まで何をやってきたのかを聞かれ、一つ一つを答えた。

母さんは褒めてくれて父さんはお前ならもっとできるとなぜか鼓舞された。


話すうちに馬車で寝たのにもかかわらず眠気が襲ってきて欠伸をすると二人ともふふっと笑ってから「寝るか」と言った。

二人は仲良さそうに二人で寝室に行き、俺は自分の寝室に行く。

中は掃除を今までしてくれていたの小さなほこりがある程度で大して汚れていなく二人に心の中で感謝した。

さて寝ようと思いベッドに飛び込もうとしたところ机の上に一通の封筒が置かれていることに気づき開封して中身を取り出した。中身は手紙だった。

綺麗に折られており中の字はとても綺麗で一つの芸術品のような字だったが読んでいるうちに一つの感情が心を焼いているかのように心臓が熱くなった。同時に帰ってくるんじゃなかったとも思った。

激しい嫉妬のような思いが流れ出るかのように手紙の上に翳された手から特別な力が放たれた。







後書きまで辿り着いてくれるなんて素晴らしいです!

これからも頑張って投稿していくのでよろしくお願いします。

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