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設定は忘れた頃に、やってくる。-アース-


 アン達一行は森の中を歩いていた。


 「ここからは気をつけた方がいいわ。悪魔の密度が濃くなっているわ。」


 マリアは立ち止まり、4人に対して言った。言い終えるとマリアが纏っている雰囲気が変わった。暗く、全ての命を刈り取ってしまうような、濃い殺気を身に纏っていた。


 「悪魔の密度?」


 ガンマは人の気配であれば、敏感に感じとる事が出来たが、今、何かの気配を感じるとる事は出来なかった。いや、悪魔の気配であってもガンマは敏感に感じ取っていたはずだ。


 「ええ、悪魔の密度よ。かなりの数が密集しているわ。」


 「何故、わかる?」

 ガンマはマリアに尋ねた。


 「ふふっ、私、とても敏感なの。」

 

 「答えになってないな。」


 「そうかしら?ふふっ。」


 マリアは笑みを浮かべて、ガンマを見た。そして、続けて言った。


 「貴方達、この後、どう戦うつもりなの?グリーデンとガンマはまだいいとして、アンとシャオは得物もなく、この先を戦い抜くことは到底、不可能よ?」


 「確かにな。」

 

 ガンマはマリアの言葉に深くうなずいた。人に対して有効的だった心理戦は悪魔達に一切通用しないことは昨晩、証明された。今後、悪魔と戦う事を考えたとき、得物もない状態では難しいとガンマは思った。


 「ええ、それは分かっていますが、武器を手に入れることも難しい状況です。それでもここで立ち止まるわけには…」


 シャオはマリア見て、言葉尻をにごした。


 「そうかしら?後から来る受験者を襲って、奪い取る事も出来ると思うわ。」

 


 「それは…」


 「それは駄目だよっ!取られた人、困る!」


 アンは言い終えると、鼻を膨らませて、口を横一文字にしていた。


 「ふふ、アンは優しいのね。でも、この先はどうするの?」


 「私が囮になって、皆んなが悪魔をやっつける!シャオの分も私が!」


 「囮…ねえ。私から提案があるわ。」


 「どんな?」


 「とても単純、迂回して、悪魔の密集地を避ける。そして、その間に武器見つける。そして、私から貴方達に質問。」

 

 「なに?」


 アンは首を傾げて聞いた。


 「貴方達、目的地の塔がどこにあるか知っているの?」


 「…知らない…」


 「やはりね。質問される前に言っておくわ。私も目的地の詳しい場所は知らない。」

 

 「詳しい場所って事は、大体の場所は知っているの?」


 「ええ、私の持っているプレートにはこの辺一帯の地図が載っているもの。」


 「————ッ!」


 「見せてッ!」


 マリアはアンにプレートを渡した。

 受け取ったアンはすぐにシャオにそのプレートを見せた。


 「…本当だ。でも、このプレートはガンマがもっているプレートと同じ物だ。」


 「あら、そう残念。」


 (確かにガンマが持っているプレートと同じであれば、この辺一帯の地図が載ってる。)


 「マリア…このプレートだけでは…」


 「ええ、でも貴方達、試験に潜り込んでいた試験官を見つけたのでしょう?」


 「————ッ!」


 一同は驚いた。


 (シャオが気付いたんだ。他の誰かが、気付いていても、おかしくないな。)


 グリーデンはシャオの観察眼にも驚いたが、マリアの感の鋭さにも驚いた。そして、一抹の不安を抱えていたが、それは確信へと変わった。


 「そうですね。マリアも気付いていましたか。と言うことは、試験官はこの森を進んで行ったと言うことですか?」


 「ええ、そうよ。」


 アンとグリーデンの表情は明るくなった。


 「やったー!」


 「やったな!」


 アンとグリーデンはお互いに顔を見合わせて言った。


 「…マリアの提案、受け入れます。迂回して、目的地の場所を目指す!」

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