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獣神娘と山の民  作者: 蒼穹月
本編
37/372

空元気?

 「おはよう三巳」


 リリは和かに朝の挨拶をしました。


 (元気そうに見えるけど。

 やっぱりから元気だよなー)


 三巳は探る様に耳と尻尾をソヨソヨ動かします。


 「三巳?」

 「ああ、ゴメンなー。ちっと考え事してたー。

 おはようリリ」


 怪訝そうな声に我に返って、三巳は慌てて朝の挨拶を返しました。


 「考え事?」

 「おー、今日は勉強の日か?」


 首を捻って疑問に思うリリに、三巳は曖昧に返します。


 「うん。今日は山の薬草を教えてもらえる日なの」


 リリは嬉しそうに話します。

 ロキ医師に教わる事がとても楽しいのだとわかります。


 「そっかー、良かったなー」

 「うん」


 リリが嬉しそうだと三巳まで嬉しくなります。

 尻尾が左右にサワサワ揺れています。


 「おはようリリ。

 準備は出来て居るかのぅ」


 三巳とリリが揃ってヘニャリと笑んでいると、ロキ医師がやって来ました。


 「おはようございますロキ医師。

 準備は万端です!」


 元気良く答えるリリに、ロキ医師は「そうか、そうか」とニコニコしました。


 「おはよーロキ医師。

 今日は山に行くんだって?三巳は着いてかなくて平気か?」


 リリが心配な三巳は、耳と尻尾をソワソワさせて尋ねます。

 そんな三巳の頭を、ロキ医師はホケホケと笑いながら優しく優しく撫でました。


 「大丈夫じゃよ。ロイドとミレイとロダが一緒じゃからのう」


 三巳はホッとした様な残念な様な複雑な顔で「そっかー」と静かに笑いました。


 「それじゃあ行って来るね」

 「うん。危なくなったら直ぐ帰ってくんだぞー」


 リリは楽しそうに手を振って出て行きます。

 三巳はそれを尻尾をショーンと項垂らせて見送ります。


 (なんだか三巳の元気が無いわ。どうしたのかしら)


 三巳の耳と尻尾の様子からそう察したリリは心配になりました。


 (ロキ医師は普通にしてるし……。帰ったらお話ししよう)


 三巳の事で頭がいっぱいになりましたが、山は危険です。ほっぺたをペチペチ叩いて気合を入れ直します。


 「ほっほ。リリや、大丈夫じゃよ。

 三巳のはただの心配性じゃからのう。

 無事に帰れば安心するだろうて」


 リリの様子に気付いたロキ医師は、優しく頭を撫でてあげます。

 するとリリは安心した様に、「うん」と微笑みを返しました。


 元気を取り戻したリリは、ロキ医師に従って山に入って行くのでした。

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