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心の病




人間努力すればするほど挫折した時の心のダメージは大きいものだ。


俺は1年4ヶ月しか働いてないが(スカウト期間を入れたらもっと)休んだ日数は7日間。


ぐっすり寝れる時なんてほぼ無い。


1日の労働時間は13〜20時間ぐらい。勿論もっと短い時もあるが本当に稀。逆に寝ないで仕事のほうがかなり多かった。


しかも給料は安い。


ここまで読めば分かると思うがこの他にもかなり尽くしてきた。


名義貸し多数(話には出てないがショウさんの知り合いの会社に名義を貸して働いている事になってたりとか…この話は後のストーリーで出てきます。)


ショウさんに頼まれた事はほとんどこなしてきた…


小説に書けないような事まで…色々…


俺の事知ってる人には

「何でそこまで頑張れるの?」

とか良く言われた。


今の自分でも思う。過去の自分に会えたら『何でそんなに頑張れるの?』って聞きたいぐらい尽くしてきた。


裏切られた時の俺の心境 + エーちゃんの事件


この時の俺の心は半端じゃないダメージを受けていた。


毎日家に居た。外には一歩も出ない。

勿論夜行性なので寝るのは朝方で起きるのは昼頃…

なるべく家族にも会わないように部屋からも出なかった。


そんな生活が10日ほど過ぎた時エーちゃんの携帯にショウさんから電話が入った。


ショウさん「もう辞めても良いから鍵だけ持って来て!」


と言ったのだ…


これには俺もビックリした。


辞めても良いって言われて俺の心もやっと開放された…


これで自由になれる…


もう考えなくて済む…


でも…


1度チューリップに行かないといけない…


俺は行きたくない。

2度と顔を見たくもない。


郵便で送るか?

どーする?


するとエーちゃんが


エーちゃん「私が持って行くよ!約束しちゃったから!」


『………』


それは危な過ぎるでしょ?


『危ないんじゃない?』


エーちゃん「平気だよ!鍵返すだけだしね!それに荷物もあるでしょ?持って帰ってくるよ!」


『ショウさんは信用出来ないよ!』


エーちゃん「大丈夫だから!さっさと終わらせちゃおう!じゃー今から行ってくるね!」




本当に平気なのか?


エーちゃんから今から入ると電話が入った。


それから…約1時間…


遅い…



そんな時やっと電話が入った。


エーちゃん「荷物とってきたよ!」


『遅かったじゃん。平気だった?』


エーちゃん「平気だったよ!ちょっと説教されたけどね。ちゃんと辞めれたよ!良かったね!」



これで肩の荷が降りて俺の体調も良くなると思ったが…


悪化する一方だった…


寝れない…

人と会話出来ない…

薬も効かなくなってきて…


ますます人間不審になってきた。


親さえも信用出来ない。


誰も俺の事を分かってくれない…


こんな気持ちになると薬に頼るのだが効かなくなってきたので病院に行って薬を変えて貰った。


どんどん薬が強くなる。


薬が強くなればなるほど副作用も強くなる。


薬を飲んでない時は動くのがだるい。だるい割りには空を飛んでるようにフラフラする…


でも飲まないと不安になるので飲んでしまう。


唯一信用出来るのは薬だけだった。


そんな状況の時…


親父の一言で…


事件が起きた…


俺はその日珍しく家族で夕飯を食った。


いつもは1人で食っているのだがその日はたまたま気分が乗っていたのだ…


楽しく食事をしていたが、何故か俺の仕事の話になっていった…


残念だがこういう時は仕事の話などしてほしくない。


また思い出してしまうからだ。


『…その話は…辞めてくれない?気分が悪い…』


親父「そろそろ仕事探したらどーだ?」


『………』


親父「明日あたり職安いったら?」


『………』


親父「ふく……お前考えが甘え過ぎなんじゃないか?」


この一言で…


俺は食うのを止めた。


結局…誰も…分かってくれない…


病んでる人間にとって1番辛い言葉だった。


こういう状況になった事が無い人には分からないと思う。


経験者が言うから間違いないが、俺の場合は…


誰かに分かってもらいたい…


俺がどんなに頑張ってきたか…


どんなに自分を犠牲にしてきたか…


人を信用出来ない世界で生きてきた俺にとって、唯一信用出来る人達に裏切られた気持ちを…


分かってもらいたいだけ…


正直…血縁でも他人にも分からないよね…


そんな気持ち…


俺の立場になって初めて分かるような事だもんね。


でも当時の俺にとってこの一言は重くのし掛かった。




分かってくれない奴は…


皆…敵だ…


俺は何も言わずに自分の部屋に戻った。


親にまで分かってもらえない…


この心境を分かってくれる人は居ない…


俺は1人ぼっちだ…


涙が止まらない。


もう…


生きるのに疲れた…


楽になりたい…




俺は出されていた薬を全て飲んだ。


1ヶ月分出されていた2種類と残っていた薬全部で80〜90錠。


飲み終わったあと腹がパンパンだったよ。




俺…このまま死んじゃうのかな?


世話になった人に手紙でも書こう…か…


まず…息子に書いた。


友達を大事にしろ

借金はするな

女を大事にしろ

俺みたいになるな

もし…挫折する事があったら俺に話掛けろ。俺だけはお前を分かってやれる…とか


次はエーちゃん


ありがとう。

でも憎んでいます。

息子を宜しく。


本当はもっと長いけど…


次は…


ショウさんに書いた。


すいませんでした。

バックレた事は凄い後悔してます。


でも…何で…裏切ったんですか?


ただ…利用していただけなんですか?


俺はショウさんと一緒に店を出したかったです…


それが出来なくなったのはバックレた俺のせいですよね?


今まで本当にお世話になりました。有難う御座いました。




ここらへんから薬が効き出してきた。


最後に友達に手紙を書こうとした所で電話がなった…


友達2号からだ…


いつもなら出ないが、この時に限っては無性に話がしたくて電話に出た…


友達2号「おう!久し振り!リーから聞いたけど大丈夫か?」


『大丈夫じゃないよ。もう疲れた。楽になりたい。』


友達2号「何言ってんだよ!変な事すんなよ?」


『もう…遅ぇな…』


友達2号「何した?」


『持ってた薬全部飲んだ…』


友達2「お前…今から行くから待ってろ!」




良い奴だな…


多分友達2号が家に電話したんだろう…エーちゃんが部屋にやってきた…


エーちゃん「ふくちゃん何したの?」


『………薬全部飲んだだけ…今お前とは話したく無いから出ていけよ…』



この会話を最後に残念ながらあまり覚えてない。


所々は覚えているのだが時間の感覚がない為誰が何時来たとかよく分からない。


でも気が付いたら友達2号が来てくれていた…


この頃には友達の手紙は書き終わっていた。


友達2号「全部話してみろよ。話してスッキリしちゃえよ。」


多分俺は友達と久し振りに会えた事が嬉しかったんだろう…


『酒でも飲もうよ!』


全然話が噛合わない。。。


変な風にテンションが高かった。



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