地獄の日々3
…朝まで寝れなかった。
朝になり酒の匂いを漂わせながら病院に向かった。
病院は精神科、心療内科予約がないので凄く待つ事に…
…
…
やっと呼ばれて中に…
エーちゃんには外で待ってて貰った。
医者「今日はどうしました?」
『………入院させてもらえませんか…?』
医者「どうして?」
俺は今までの経緯を全て話した…
医者「なるほどね…残念だけどうちじゃ無理ね!ベット空いて無いし…」
『なら…他の病院紹介してもらえませんか?』
医者「しても入院させてくれる場所なんて無いよ!」
『何でですか……』
医者「君の場合…危険要素が大きいからね。君が入院したら会社の人は確認しに来るかもしてないんでしょ?」
『確認しに来る可能性はありますけど…』
医者「他の患者さんに迷惑が掛かっても困るから…」
『…分かりました…』
医者「薬は出しとくからね!」
…
…
駄目なのか…
もう…昼前だ…
仕事にいかないと…
『駄目だったよ……そろそろ仕事に行かないと…』
エーちゃん「ショウさんには電話しといたよ!」
『何が?』
エーちゃん「今日は休みますって!」
『…マジで?何て言ってた?』
エーちゃん「ふくを電話に出せって!だから今入院の手続きしてるって言っといたよ!」
…
もう…後戻り出来ないか…
どっちにしろ…
裏切ったのは向こうだ…
なら…今日は休んで色々な病院周ろう。
1度家に帰ってネットで病院を探した。
何処に電話しても…予約制だったが1件だけ今日予約が取れた!
直ぐに向かって診察をうけたが相手にしてもらえなかった…
素で…
絶望した…
俺には居場所がない
休める場所がない…
誰も信用出来ない…
家に戻りまた病院を探し出した。
エーちゃん「私が探しとくからふくちゃん寝たら?」
…
…
そうしようかな…
俺は…生まれて初めて安定剤と睡眠薬って言う物を飲んだ…
直ぐに…ガツンときた。
俺はそのまま倒れるように寝始めた。
…
…
エーちゃん「ふくちゃん起きて!朝だよ!病院いこ!」
朝?昨日は夕方には寝ていたけどもう朝なの?
『…頭がぼーっとする…』
エーちゃん「初めて飲んだんでしょ?そりゃ利くよ!」
『…で…病院って?』
エーちゃん「予約が取れたから行こう!」
…
そうだった…
俺は仕事休んじゃったんだ…
もう考えたくないな…
早く病院に入院して
全てを忘れたい…
エーちゃん「今日が駄目でも明日も病院予約してあるから!」
『……そう…』
…
…
結論から言うと2件周って2件共入院は無理だったが、入院させてくれそうな病院を教えてくれた…
早速行ってみる事に…
…
…
着いたらビックリ…
かなりボロボロ小学校みたいだった。
まあ入院させてくれるならいいや…
…
俺は紹介状があったのですんなり診察してもらえる事になった。
医者「…大体分かりました。良いですよ!入院して!」
!?
『本当ですか?』
医者「但し…部屋が1つしか空いて無いからその部屋でいいなら良いですよ!」
『何処でもいいですよ!』
医者「じゃーまずその部屋を見てきてください。それで決めましょう!」
看護士に連れていかれ…まず病院の施設を案内された。
やっぱり…汚い病院だ。
何処見てもボロボロだし…本当に平気なのか?
そして…俺は目を疑った…
看護士「ここが入院した時の部屋になります。」
『……この部屋にずっと居ないといけないんですか?』
看護士「そうですね。この部屋から出る事は出来ないですね…」
その部屋は他の病棟と違く、看護士や職員の廊下沿いにある。
何が嫌って…全面ガラス張り…
トイレも部屋に完備…敷居も無く、ただ床にポツンとあるだけ…
部屋の広さ5〜6畳ぐらい…
ほかは床に布団が敷いてあるだけの何にもない部屋だ…
『丸見えですけど…?』
看護士「そうですね…」
『………』
看護士「1度先生の所に戻りましょう。」
…
…
本当に…あの部屋で生きていけるのか?
正直…かなり悩んだ…
エーちゃん「あれは…凄いね…」
『ああ…』
エーちゃん「明日も違う病院あるから保留にすれば?」
『……そうするよ…』
…
…
医者「どーでした?」
『…凄い部屋ですね…何か持ち込んだり出来ませんか?例えば…本とか…』
医者「駄目ですね…」
『じゃー煙草は?』
医者「駄目です。」
…
『じゃー明日までに決めるので保留にして貰えませんか?』
医者「分かりました。」
…
…
…
明日の病院が駄目なら…
ここにしよう…
その日はまた帰って薬を飲んだが…今度は全然利かない!
俺は結局寝れなかった…
〜次の日〜
予約してある病院に行ったが駄目だった。
本当に悩んだ…
あの空間で俺は何をしていればいいのか?
見られ続けて頭はおかしくならないか?
とか…
でも…今の苦痛に比べたら案外…楽かもしれないな…
良し…
『昨日の病院に入院するよ…』
エーちゃん「あそこに?…分かった…行こう…」
病院についた。
これでやっとゆっくり出来る…
少しの間…何も考えないでゆっくりしよう…
…
…
俺の名前が呼び出され、医者の部屋へ通された。
『昨日の部屋で良いので入院させて貰えませんか?』
医者「昨日の部屋なら他の患者さんが入りましたよ!」
…
…
『そうですか…分かりました…』
医者「自宅療養しては如何ですか?」
『仕方ないですよね…分かりました。』
医者「じゃー強い薬を3日分出しときますので利かなかった直ぐに来てください。」
結局…自宅療養かよ…
最悪だ…
初日に入院しとけば良かったよ…
俺は携帯は持ち歩いて居なかった…
どーせ沢山電話が鳴るだろうし、オーさんやショウさんの名前自体も見たく無かったからだ。
家に着いて携帯を見ると…
やっぱり…ショウさんやオーさんの電話で埋まっていた…
中には…チューリップの女の子からも着信が入ってる…
まだ…電話に出る訳にはいかないな…入院してる事になってるし…
エーちゃん「このまま仕事辞めちゃえば?」
…その発想は考えて無かったな…
でも俺が今辞めたら…
デリヘルは誰がやるんだ?
澤には無理だし…
やっぱり…俺しか居ないか…
…
…
…
でも…やりたくない…
もう…考えたくもない…
薬でも飲んでゆっくりしよう…
別に眠く無かったが薬を飲んだ。
でもこれが…
俺を本当に救ってくれた…
薬が効いてくると酷い状態になる…
歩けなくなる
喋れなくなる
時間の感覚が麻痺する
そして…何も考えなくなる…
これは俺にとって1番の安らぎだった…
薬が効いている時は安らぎなのだが、かなり危険でもある。例えば…電話だ。
俺は一切電話には出なかった。友達の電話もだ…
友達からも裏切られたらどうしよう…
もしかしたらショウさんと一緒に居るんじゃないか?
電話に出たらショウさんにチクるんじゃないか?
誰も…友達さえも…
信用出来ない…
特にトツやリーの電話には絶対に出たく無かった…
勿論…トツやリーは家の電話も知っていたので電話は鳴ったが居留守していた。
…
…
だが…薬が効いている時は…違う…
何も考えて無いから出てしまう時がある。
それは3日目の薬がバリバリ効いていた時だった。
…
…
あれ?携帯が鳴ってる…
リーからだ…
リー「もしもし!ふくちゃん?」
『あ〜…久し振り…』
リー「お前仕事どーしたの?」
『…よくわかんね…ショウさんに…裏切られた…』
リー「何があったの?」
『あ〜よくわかんね…けど…裏切られた…』
リー「お前酔っ払ってんの?」
『飲んで無いよ…』
リー「何やってんの?薬か?」
『病院から貰った薬…』
リー「本当に何があったんだよ!」
『わり…上手く話せないから…エーちゃんに変わるから聞いて…』
…
…
あとはエーちゃんに説明して貰った。
…
エーちゃん「電話は私が持ってるよ!薬飲んでる時は危ないよ!」
確かに…危ないな…
〜次の日〜
リーがトツに説明したと連絡が入った。
リーの話によるとトツにはかなり迷惑が掛かっていたみたいだった!
ショウさんとオーさんから電話が入り…
「ふくと連絡とって」
と言われ、連絡をしたが俺は出ない…
意味が分からないトツ…
そしてチューリップに呼び出されて
また電話させられたが…
俺は出ない…
トツ「何があったんですか?」
ショウさん「バックレやがった!」
トツもこれにはかなりビックリしたらしい…
リーには
リー「お前トツの電話出ないで正解だったよ!」
トツは理由を知らなかったから俺を騙した訳ではない。
でもトツも理由を聞いたから協力してくれた…
それからトツはちょくちょく呼び出されて電話させられたが、リーを通じて俺の電話には出るなと教えてくれたので俺は助かった。
トツ本人には未だに聞いた事ないが、多分あの時、2人は俺の事をボロクソに言っていたと思う。
今この場を借りて言いますが、
2人共ありがとう
多分…リーとトツが居なければ今の俺はいなかったと思う。
…
…
これから説明していくが
あの頃の俺は本当にどーかしていたよ…
本当に病んでいた…




