表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/49

オープン…そして…2


この業界(水商売の男)は最低な奴等が集まる場所…動機は何であれ…


借金まみれ


夜行性


女にモテたい


楽して稼ぎたい


普通の昼間の仕事が出来ない奴等が集まる場所なのだ…

そんな奴等が金を落としたから売上がありません。っと言った所で通用する訳がない。

もしそんな事があったら一生下っ端だ…


信用出来ない奴等が集まる場所で信頼出来るようになるまで…どのくらい時間が必要か…

信頼した人だって売上を盗んで逃げる奴がいるぐらいだ。


風俗業界で1番大事な物は、「信頼」なのだ。

ショウさんは経営者だからこそ、その事を充分…分かっているだろう。




頭の中…真っ白だ…



何も浮かばない。


どうしようも無い。



選択肢はひとつ…



正直に話す。

それしか無かった…


その日は寝る事も出来ず…


ただ…


オープンを待つだけだった…


時間が経つにつれて…

憂鬱になり…

嫌な汗もかき…

脇も臭かった……


夕方になった時…

いきなりチューリップのドアが開いた!


オープンまでだいぶ先だし、誰もくるはずがない。まだ掃除の時間帯だ…






「ふくちゃん!」





そこにはナース姿のエーちゃんがいた…


正直ビックリした…


『仕事はどうしたの?』


エーちゃん「電話しても出ないから不安になって途中で上がった!」


確かに電話は出なかった。誰とも話をしたく無かったからだ…


エー「給料入ったばかりだから…30万使って!」


!?


『マジで!』


『本当にいいの?』


エーちゃん「いいよ!ふくちゃんのあんな声聞いた事無かったから心配したよ!」

(朝方の無くした事に気が付いた時の声)


涙もろいとはいえ…

泣いた…


『ありがとうエーちゃん。』


エーちゃんにはマジで感謝しまくった!

もうその後は一気に不安も無くなり気も落ち着いた…

財布についてはショウさんから渡された物だ… それについては謝ろう。


しかし…この結果が俺の今後を左右するのだった。


オープン前オーさんがやってきた…

※ 言い忘れていたが店舗が同じビルなのだ。


オーさん「お疲れー!昨日はどーよ?」


俺は経緯を説明して正直に話をした。


『財布は落としましたけど売上分は用意しました。財布はショウさんの物なので正直に話そうと思うのですが…』


オーさん「言わない方が良いよ。逆に信用出来ない奴に思われたらどーすんの?金を用意出来たなら余計な事は言わない。それがこの業界だよ。」


何となく分かる気がした…

金も用意したし余計な事は言わない方がいいのかもしれない。


そして…



ショウさんが来た…


『おはようございます!』


ショウさん「オハヨ!昨日の売上は?」


『はい!どうぞ!』



『実は昨日の売上落としてしまってショウさんの財布ごと無くしてしまいました。すいません!』


ショウさん「売上あるじゃねーか…」


『用意しました。』


ショウさん「ふ〜ん。落としたのはお前の責任だから金は渡さないよ。」


『それは分かっています。でも財布はすいませんでした!』


ショウさん「おう!いいよ!あの財布は金が貯まる財布だったけどな!」


『すいません!』


ショウさん「おう!これで明日金が貯まりそうな財布買ってこい!」


そう言って5万渡された…


『良いんですか?』


ショウさん「おう!いいよ!変な財布は辞めろよ!金が10万しか入らない財布はそれ以上入らないけど、明日は100万以上入れられる財布を探して来い!」


確かにその通りだ…

折り畳みの財布に札束は入らない。だからそれ以上金も寄って来ない。


勉強になった…


その日のショウさんはかなり機嫌が良かった…


そして飲みに誘われた…





仕事も終わり…待ち合わせの場所に行った…

俺は他の従業員も来ると思っていたが…居たのはショウさん1人だった…


向かったのは…寿司屋!

内心…来た!でもカキだけは食べねぇー!

※理由は番外編3に書きます。



『とりあえず生2つで!』


『いや〜とりあえず1週間はなんとかなりましたね!』


ショウさん「だな!このままのペースで行けばいいな!」


『はい!ですね!』


ショウさん「な〜ふく…お前はこれから先もずっと水商売するのか…?」


う〜ん…考えた事無かったな…

そう言われると…悩むな…

でも…将来自分で水商売関係の店出したいな…


『そうですね…将来自分で店持ちたいですね…』


ショウさん「そっか…骨沈める気はあるのか…」


『ま〜そう言う事になりますね!』


ショウさん「そうか…」


『はい!』



ショウさん「俺と一緒にやらねーか?」


『何をですか?』


ショウさん「将来…いや近いうちに自分の店だしたらさ…一緒にやろーぜ!」


『良いですよ!このグループでですか?』


ショウさん「皆に内緒でだよ!」


『俺で良いんですか?』


ショウさん「おう!利益は折半な!」


『えっ!?悪いですよ!幹部として雇ってくださいよ!』


ショウさん「いいんだよ!ま〜誰にも言うなよ…」


『分かりました!』



何か良い方向に向かってしまった…

ただ正直に言っただけなのに…


その後俺達は、すげーいっぱい将来について語った。

※ ちなみにショウさんはこの時37歳 俺22歳




1週間が過ぎて女の子が3人増えた!

1週間女の子が5人だったからすぐ客離れするかと思ったが、

逆に言えばまだオープンして1週間だから客は来る!


でも相変わらず本指名はみーちゃんだけしか来ない…


エーちゃんに関しては妊娠してる為、すぐに辞めてしまう。人数合わせのヘルプで入るようなものだから、指名が取れる訳がない。(ヘルプとは指名同士が重なって女の子が移動した後に話相手に入ったり、盛り上がってる席で客のドリンクとか作る人。その為客とあまり会話しない。)


ショウさん「おかしいだろ!別にアッコ以外は問題ないぞ!ちゃんと連絡先とか教えてるのか?指名が無いって…逆に言えば魅力が無いって事だろ!」



その通りだ…

あいつら…1度来た奴と外で遊んでんじゃないのか?




しかし次に指名を取ったのは…




エーちゃんだった…

これにはショウさんがかなりキレた…


ショウさん「何でヘルプしか入って無いエーちゃんが指名取るんだよ!あいつら何やってんだ?」


『いや…確かに納得行かないですね…』


ショウさん「おし!ふく!説教しろ!」



『俺がですか!?』


ショウさん「俺が言っても意味が無いんだよ!店長はお前だろーが!」


そ…その通りだ…

でも俺は皆も分かると思うが…女の子には優しい…

こんな俺が…言えるのか?




店が終わった後ミーティングになった…

ショウさんは裏で聞いている…

とりあえず…ビシッと言わないと…


緊張する…


『今日…ヘルプのエーちゃんが指名取りました…ヘルプが指名取るって…おかしいよね?』



な…なんて言おう…


『皆…指名取るように頑張ってください!以上!』




勿論…



ショウさんに俺が怒られました…


ショウさん「あれの何処がビシッとだ…」


と…少し笑いながら…

次からは…ビシッと言わないと…

勉強になりました…




仕事も何となく流れが分かって来た…

オープンして半月ぐらい過ぎて居た頃だ…



お盆の8月13日…


俺はエーちゃんと入籍した…



俺は日にちとかあまり気にしないが、地元の皆からは…

「流石にお盆は無いだろ!」と言われた…


今でも思うが…お盆はありだろ…皆覚えてくれてるし…

お盆と言えばふくちゃんみたいな感じで…

皆も真似していいよ!


そして2人で婚姻届を出した後…そのまま借金しに行った…


俺にお金を貸してくれて2人共…金がない。

もう俺は何処も貸してくれないので、エーちゃんが借金する事になった…

が…勢い余って…とんでもない行動をしていまった…


『借りれるだけ借りてみない?とりあえずカード作るだけでさ…』


エーちゃん「看護士だとどのくらい逝くんだろうね?カード作ってみよっか!」



馬鹿な夫婦だ…

入籍した日に借金する夫婦なんて中々いないだろう…

まずは審査が楽な場所から攻めた…


1件目…


2件目…


3件目…





すげー…

看護士ってすげー…

最初から限度額が違う…


借りはしなかったがカードだけ作った…合計150万…

1件の限度額が50万て…審査が甘いとは言え…すげー!


その日は10万だけ借りて昼飯を豪華に食べた…

でもこれが…その内…最悪の状況を招くのだった…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ