挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
殴りマジ?いいえ、ゼロ距離魔法使いです。 作者:夢・風魔

バーション1.01【始まり】

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

61/103

61:マジ、俳優になる。

 後発組のほうが有利になるっていうゲームも珍しいな。
 だがやっぱり納得いかない。
 同じ時間を掛けてレベル上げしたのは変わらないのなら、やっぱり同じようにIMPポイントが欲しい。

『これまでの行動によるデータは全て保存されておりますので、遡って技能経験値を修正することはまぁ可能ではございますが……』
「え? マジ!? じゃあやってくれよ!!」
『いえ、それはワタクシの一存ではできません。その辺りは幹部クラスの社員様による会議で検討しませんと』
「ならやってくれ!」
『いえ、ですから社員の……つまり人間による会議ですので』

 シンフォニアは蚊帳の外だという。
 じゃあどうすればいいのか。

『要望をお出しになりますか? 実は既に同様の要望は多数送られておりますので、数が増えれば会議にかけられやすいかと』
「要望! 出すっ。で、公式サイトからメール出せばいいのか?」

 前にやってたVRMMOでも、要望は公式サイトのメールフォームからだった。
 が、『IFO』ではもっと簡単に出来るらしい。

『ワタクシ達サポートAIスタッフに直接言って頂ければ、それをフォーマットしてお送りします』
「おお! 楽でいいな。じゃあ、オープンベータテスト中の技能経験値の見直し……でいいか?」
『見直しし、現在の仕様に準じたレベル調整の要望。でしょうか』
「おお、それで頼む」
『畏まりました。それでは一つ、ワタクシからもお願いをしてよろしいでしょうか?』

 ん? こいつからお願い?

『実はですね……その、ある企画が持ち上がりまして』
「企画?」

 シンフォニアが頷くと、昨夜のロビーハウス劇的大改造の話しを他のロビースタッフと共用した説明する。
 そこから端を発し、話しは運営スタッフ――つまり人間の社員にまで届き、そこからわいわいと盛り上がって――

『ロビー劇的大改造コンテストを開こうという話しになりまして』
「……はい?」
『ですので、各プレイヤーとそのサポートAIスタッフとが協力し、ロビー内を改造しようと。もちろん応募形式ですので、希望される方のみの参加となります』

 で、応募された中から最優秀賞だのなんだのを選出するんだと。
 ロビー活性化にも一役買うだろうし、サービス開始直後なんであれこれイベントやって新規ユーザーの確保もしなきゃならないんだとか。
 一瞬、運営会社の舞台裏事情が見えた気がする。

 それで、その企画とお願いになんの関係が?

『はい! 実は劇的大改造の見本として、ここをプロモーションムービー風にご紹介させて頂きたいと、チーフが申されまして』
「こ、ここをか!?」
『はい! 改造中のもようもデータとして保存されております。それを使って動画の作成をしたいのですが、よろしいでしょうか?』
「え? じ、じゃあ、俺ってば全国デビューするのか?」
『お嫌でしたら、モザイクなり代役を立てますっ』

 モザイクって……犯罪者じゃないんだし。
 寧ろ俺的には……遂にデビュー! みたいでウェルカムなんだが。
 それを伝えるとシンフォニアも大喜び。

『で、では……動画の最後に「ようこそ、イマジネーションファンタジアオンラインへ」というようなセリフと、出迎える仕草を入れたいので、その撮影も』
「オッケーオッケ。出迎えるねぇ……こんな感じ?」

 両手を広げて見せるが、シンフォニアのイメージでは無いらしい。
 眉を潜め首を左右に振られてしまう。
 じゃあ――帽子を脱いで会釈するようなポー……鳥の巣があるから帽子は被れない――と。

 ようこそ、ようこそね〜。
 くっくくっく。

「あ、そうだ。『ようこそ』っていうぐらいだし、せっかくだからそこの扉の前で撮影しないか? で、扉を開いて、さぁどうぞ。みたいな」

 そう言って俺はゲーム内に行くための扉の前に立ち、右手でドアノブを掴む。
 客をエスコートするようなイメージで、シンフォニアを招くようなポーズで迎えた。

 ほぉっと溜息を吐くような感じでシンフォアニアが俺を見つめる。
 よしっ。これなかなかグゥだろ?

『それ、いいですね。じ、じゃあ、撮影本番、参ります』
「おう!」





『はい、お疲れ様でした』
「お……おう」

 何度だ?
 何度扉を開く動作を繰り返した?

 服が乱れている。
 羽根をもっとふさふさに。
 髪を整えろ。
 笑顔を絶やすな。

 何度も何度もダメ出しをされ、ようやく撮影が今終わった。
 僅か十五秒たらずだってのに、何十分撮影したんだよ!

『ご協力、ありがとうございます彗星マジック様。それではごゆるりとゲームをご堪能ください』
「あ……あぁ。昼の十二時にログアウトして飯食いたいんだけど、アラーム機能とかないか?」
『でしたらこちらでお知らせしますが、十二時丁度でよろしいですか?』
「出来れば三十分前になったら教えてくれ。そこからゲーム内一時間以内にログアウトするからさ」
『畏まりました』

 ゲームをする前から精神的に疲れたな。
 この疲れを遊んでリフレッシュするぜ!

 あ、今日の分の宿題……。
 ゆ、夕方だ。晩飯までの時間にちょこっとやればいいか。

「よし、じゃあ行って来る」
『はい。いってらっしゃいませ』
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ