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殴りマジ?いいえ、ゼロ距離魔法使いです。 作者:夢・風魔

バーション1.01【始まり】

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43/103

43:マジ、おねだりされる。

 夕方まで用事しゅくだいをガッツリやって、五時になったら急いでパソコンを起動した。
 本当はウィキやらなんやら見ておきたかったが、用事も早めに終わらせておきたかったしな。終わってないけど。
 アップデート内容見たさに公式サイトを開こうとするが、微妙にページが重い気がする。
 オンラインゲームの公式サイトなんて、トップページにフラッシュ動画だなんだと載せてるもんだから重いのは仕方が無い。
 ようやく開いたトップページ。
 お知らせ欄には
【正式サービス開始のお知らせ】
【大型アップデート【始まり】バージョン0.01のお知らせ】
【ログインロビー解放のお知らせ】
 というのがあった。

 もちろんまっ先に開くのは【大型アップデート【始まり】バージョン0.01のお知らせ】でしょう!
 お知らせ項目をクリックして待つこと数十秒……

「おいっ。重過ぎだろ!!」

 やっと画面が切り替わって――

「おいっ! アクセス過多でページが表示されませんって、どんだけアクセス集中してんだよっ!」

 今時ページが表示されませんって、どんだけしょぼいサーバー使ってんだよっ。
 大丈夫か?
 正式サービスなんだぞ?
 いきなりサバ落ちとか、しないよな?

 再チャレンジとばかりに公式サイトから開きなおす。
 よ、よし。開いたぞ。
 アップデートのお知らせ欄をクリックしてっと――

【アクセス過多によりページが表示されません】

 おいぃーっ!

 も、もう一度だ――
 トップページを……【アクセス過多によりページが表示されません】

「うがあぁぁぁーっ!」

 ダメなのか! もう俺はダメなのか!?
 公式のトップページはなんとか六割の確率では開く事ができる。が、その先は無い。
 もうどうすりゃいいんだよ……アップデート見れないし、あと三時間何してりゃあいいんだよ。
 用事はもうお腹いっぱいです遠慮します。

 ウィキでも見るか。
 そう思った瞬間、俺はある項目に注目した。

【ログインロビー解放のお知らせ】

 もちろんクリックはしない。したらまたエラーになるに違いない。
 もし、今も既にログサバが解放されているのなら……。
 直接聞くという手もある。
 彼女に――シンフォニアに――。





『お帰りなさいませ、彗せ――』
「うおおぉぉぉ、開いてたあぁーっ!」

 神様仏様ありがとう!
 いやぁ、トップページまで落ちてたらログインも出来なかったんだが、開けてよかったぜ。

『……お帰りなさいませ、彗星マジック様。何をそんなに興奮なさっておいでなのですか?』
「しないでか! 公式サイトが全然開かないんだよっ。トップページまで行っても、アップデート情報見ようとクリックしたら、アクセス過多で表示しないつって」
『まぁ!? ……確かにアクセスが集中していらっしゃいますね。何故か無駄にF5アタックもされていますし。これは海外の――嫌がらせ――』

 何かブツブツ言ってるが、そんなのどうでもいい。

「シンフォニア! アップデート情報を教えてくれ。公式で公開されてる範囲でいいから。教えてくれっ。ページ内容読むだけでもいいからっ」

 椅子から立ち上がって俺を出迎えてくれていた彼女の肩を掴み、必死に懇願する。
 頼みの綱はこいつだけなんだ!
 なのにこいつときたら、俺の顔をじっと見たままキョトンとしてやがるし!

「シンフォニア!」

 もう一度名前を呼ぶ。
 キョトンとしたまま動かない。

「おい、シンフォニア!?」

 まさかアクセス過多による影響がこんなところにまで!?
 あぁぁ、もうダメだーっ。
 頭を抱えてうがうがしている俺に、ようやく彼女の声が聞こえた。

『彗星マジック様。もう一度――』
「も、もう一度?」

 もう一度アクセスしろってのか?
 もう嫌だっ。もしそこで公式トップすら開かなくなったらどうするんだっ。

『もう一度、お呼びください』
「および?」
『はい。もう一度、シンフォニア、とお呼びください』
「はい?」

 なにやだこいつこわい。
 なんか顔が緩んでるんですけど?

『お呼びしてくださるまで、一言も喋りませんよ?』

 なにこのひとやっぱりこわい。
 なんとなく人質を取られた気分だ。
 ここは背に腹は変えられない。

「シ、シンフォニア」
『はい』
「シンフォニア」
『はいっ』
「シンフォニア?」
『はぁいっ』
「いいからアップデート情報吐きやがれ!」
『っち』





『『Imagination Fantasia Online』運営チームです。本日二十時より、遂に正式サービスがスタートいたします。また、サービス開始と同時に、大型アップデートを――』

 ようやくアップデート情報にありつけた。
 シンフォニアならページにアクセスすることなく、公開されている内容を全て知ることが出来るらしい。
 ので、とりあえず彼女に内容を音読してもらうことにした。

 ゆっくり話しを聞くため、部屋の隅に置いてあるソファーに腰を下ろし、彼女が俺の前に新しいソファーを置いてそこに座った。

『ここで新規で追加されるフィールドのスクリーンショットやモンスターのスクリーンショットがうんぬんかんぬん』

 ページ内で公開されている画像の説明まで入るので、書かれている内容がいまいち流れとして把握しにくい。

『――以上でございます。何かご質問はございますか?』

 事細かく説明するシンフォニアのお陰で、三十分は掛かっただろうか。

「……実装内容の――あー……項目タイトルだけ教えてくれないか?」
『項目? レベルキャップの解放、新技能の解放……という具合にですか?』
「そうそう、それそれ。他には?」
『他には――』

 新エリアとダンジョンの解放。
 モンスターエッグ実装。
 アイテムモールの実装。
 自称システム実装。
 他調整。

 ――か。
 気になるのは、

「モンスターエッグって前にお前が言っていた――」
『そんな事を言った覚えは微塵もございません』
「いや前にほら」
『一言も言っておりません。これは確かでございます。揺ぎ無い事でございますっ』

 ……あぁ、そういやあの時もすっとぼけてたな。まぁいい、そういう事にしておいてやろう。
 とにかくモンスターエッグについては気になる。どういった内容なのか。

『モンスターエッグは、モンスターを封印するための卵でございます。その卵から再び生を受けて誕生するのが、ペットモンスターでございます。そちらに関しては特設サイトもございます。音読いたしましょうか?』
「あ、ああ。頼む」

 また事細かな内容を説明されるのか……。

「あああー。画像の説明無しで頼む」
『承知いたしました。では代わりに後ほどページをお見せしますね』
「おお、頼むよ――ん?」

 見せられるのか?
 既に音読を始めた彼女。画像説明が無い分、五分と経たずに終了。
 そして、俺の前に可視化されたモニターが現れ、まさに公式ページっぽい物が映し出された。

「あの……これって……」
『はい。ペットモンスターに関する特設ページでございます』
「ここでも見れる、のか?」
『はい。ここは元々ネットサーバーとダイレクトに繋がっておりますし、各ページデータは保存されておりますから』
「何故それを先に言わない」
『読んでくれとお頼みになったのは、彗星マジック様ですから』

 そ知らぬ顔でそう言われたが、嘘じゃないので何も言い返せない。
 こいつに勝てるのはいつになるのだろうか。

『ふふ。彗星マジック様、この後はどうなさいますか?』
「どうって?」
『はい、公式サイトに負荷があるという事は――』

 シンフォニアの話しでは、早いうちからログインサーバーで待機していた方がいいという。
 サービス開始と同時に接続者が一気に増えるから、当然ログインサーバーの負荷は高い。
 このゲームはまず公式サイトにログインして、その状態じゃないとサーバーへの接続も出来ないからな。

『大部分のプレイヤーは恐らく、事前にログインサーバーで待機されると思いますが、それでも負荷は免れないと思います。早めに夕食を済ませて、お手洗いも済ませて、こちらにお越しになっておく事をお勧めいたします』

 どうあってもトイレネタは欠かさないようだ。




 いつもは七時過ぎに食う夕飯も、今日は六時に済ませてログイン。もちろんトイレ済みだ。

『お帰りなさいませ、彗星マジック様。お手洗いは――』
「済んだ!」
『それはスッキリされていらっしゃるようで、ようございました』

 ……。

「け、けどよ。あと二時間待つわけじゃん。その間にトイレ行きたくなったら、ログアウトしなきゃならないわけで」
『十分間という時間制限はございますが、こちらに居る間ならばログイン状態を保ったままフルダイブのリンクを解除する事が出来ますよ』
「は? なにそれ」

 シンフォニアの話しだと、これまでこの会社が運営してきたVRMMOの要望に「気軽にトイレに行ける環境が欲しい」というのが結構あったらしい。
 実はVR業界でもいろいろ試行錯誤されている項目なんだとか。
 で、ログインサーバーに限りフルダイブ用のリンクを解除しても、ログインしたままの状態を保てるシステムにしたんだとか。
 その為にかなりの高予算を費やしたと、自慢たっぷりにシンフォニアが話す。
 凄くどうでもいい話だ。

『ですので、お手洗いに行きたいと思ったときには仰ってください。すぐにリンクを解除いたしますので』
「あ、ああ。解った」

 行きたくなったらやっぱこいつに申告しなきゃならないのかよ……。
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