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殴りマジ?いいえ、ゼロ距離魔法使いです。 作者:夢・風魔

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37/103

37:マジ、ネーミングセンスを問われる。

「マジック、本当に開拓民の護衛クエストじゃないのか?」
「あ、ああ。本当、違うって」
「じゃあ何で視線を逸らすんだよ」
「怪しいよね。嘘付いてる証拠だよね」
「はっはっは。何を仰る兎さん」

 くっ、なんて鋭い連中なんだ。
 えぇ、そうですよ。嘘ですよ。

「マジック、頼むよ。開拓民の護衛クエだったらさ、俺たちも混ぜてくれないか? ほ、ほら、一緒にパーティー組んだ仲じゃん」
「そうだよマジック。ボクたち、あの乗客クエで力を合わせたじゃないか」
「マジックさん、イケメン度アップしてて、アコ痺れちゃうぅ。鳥の巣も可愛い♪」

 鳥の巣が可愛いというアコさんの美的センスは、相変らず理解に苦しむ。
 しかし、パーティーを組んだ仲とは言え、その後俺以外でパーティー組んでた事実があるのによく言えるよなぁ。
 まぁ俺が火マジじゃなかったから、仕方なかったのかもしれないが。

 ただ、どう頼まれようが彼らをパーティーに招き入れることは出来ない。
 パーティーの最大人数は六人。こっちは既に四人決まってるし、向こうは最大の六人揃ってる。
 出来ないというよりは、システム的にも無理なんだよ。

「悪い。本当はケンの言う通り、開拓民クエなんだ。けど、パーティーに入れる人数に限りがあるだろ? もし俺一人だったとしても、そっちは六人いるんだ、一人は参加できないんだぜ。それと、パーティーはもう四人揃ってるから、どっちにしてもお前らを誘うことは出来ない。悪いな」

 これで諦めてくれるだろう。

「じゃあ皆、飯食ってから待ち合わせな」

 そう言って自分のパーティーメンバーに声を掛ける。
 ログアウトしようと路地の隅に行こうとしたら、俺の手をケンが掴んだ。

「パーティー枠、まだ二つ余ってるんだろ? じゃあ、俺を入れてくれよっ」

 え? 何言ってるんだこいつ。
 ずっとつるんでたんだろ、昨日から。なのにアッサリ見捨てるのかよ。

「お前ら、ケンがこんな事――」
「俺も!」
「待ってよ、弓使いのボクのほうが何かと役に立つってば」
「タンク、いるだろ?」
「アコのヒールだって必要よね? ね、マジックさん」
「あのぉ、遠距離大火力なら私が一番だと思うんだけど、どう?」
「俺が先に声掛けたんだぞ。な、マジック。こういうのは早い者勝ちだって」
「じゃあ二番目は俺だったんだから、オーケーだよな」


 誰もそんな事言ってないし。

 俺、セシリア、夢乃さん、ドドンの四人が見守る中、向こうのパーティーは勝手に仲間割れを始めやがった。
 自分が一番役に立つんだと言ってたかと思うと、誰が何処でヘマしたから全滅したんだとか、美味いドロップだけこっそり抜き取っただろとか、女の子に必死アピールうざいとか、ぶりっ子うざいとかetc……
 しまいには男四人で殴りあいまで始める始末。
 まぁ殴ってもHPには影響ないみたいだから、別に止めなくていいか。

「あぁもう! こんなパーティー、抜けてやる!」
「俺だって抜けるさっ」
「ボクもだね。君たちみたいな地雷と、今まで我慢して組んであげてたけど、もう限界だ!」
「それはこっちのセリフだ! ヘイト取る前から矢を撃つ奴となんて、こっちから願い下げさ」
「アコももう少し上手な人と組んで楽したいから、バイバイするね」
「自分の事を名前で呼ぶような子、嫌いなのよね。媚売っててきもぃ」
「ひ、ひっどーい! 私だってあんたなんか大嫌いなんだよ!!」
「は〜ん、ぶりっ子はどうしたの? 素が出てまちゅよぉ〜」
「うっせー、ばーかばーか」

 女の子って……怖い。
 この場に居るのもなんだし、とりあえず――

「テレポするわ。皆ついて来てな」
「「「解った」」」
「『テレポート』」

 移動先はピリカ宅の前。
 これで静かにログアウト出来る。





『お帰りなさいませ、彗星マジック様』
「あぁ、ただいま。はぁ……」
『どうかなさいましたか?』

 扉を潜って丸太小屋へと戻ってきた。
 机の前の椅子に座った女NPCが立ち上がり、俺の傍へとやってくる。

「あぁ、なんていうかな。パーティーの絆って、簡単に崩れるものなんだなと思ってさ」
『パーティーから追い出されたのですか?』
「うーん……ある意味『はい』。ある意味では『いいえ』だな」

 首を傾げる彼女。
 まぁケン達のパーティーから誘われなかった点では『はい』だし、セシリア達とのパーティーでは追い出されてはいないから『いいえ』。
 レアクエストの為にパーティー解散するとか、人間の欲って醜いものだな。

『よく解りませんが、心中お察しします』
「解らないと言っておきながらお察しって、どういう事なんだよ、ったく」
『それはそうと彗星マジック様、何かお忘れではございませんか?』
「あ? 忘れ物?」

 忘れ物って、ゲーム内から何か持ち帰れる訳でもないだろうに。何を言っているんだ?
 両手を下のほうでもじもじさせながら、女NPCがこちらをじっと見つめてくる。
 な、何を忘れたっていうんだ俺は。そんな恥ずかしい忘れ物なのか!?

 はっとなって下を見る。
 うん。別にズボンを履き忘れているとかは無いな。

『すっかり忘れておいでですね』

 もじもじを止め、真顔の彼女が言う。
 そもそも何の事を言っているのかすら解らないんだから、思い出しようもない。

『彗星マジック様っ。ワタクシの名前を考えてくださるのではなかったのですか?』
「あ……あぁ、それね。あぁ、うん」

 それか!
 いやぁ、すっかり忘れてた。まったく全然考えてないよ。
 なんていえない雰囲気だ。
 真顔なぶん、じっと見つめられるとなんとなく、怖い。怒ってるように見えないこともないな。

 名前、名前……自慢じゃないが、今までペットすら飼ったことが無く、何かに名前を付けたりってのもした事が無い。
 あ、自キャラは除外して。
 前にやってたVRMMO物のキャラ名だって『水村 彰人』って本名をもじって『ミズアキ』だし。
 考えるのって苦手なんだよ。

『彗星マジック様っ』
「う……うぅ……あ、頭が……」
『仮病でございますね』
「ぐっ……」

 ある意味本当に頭が痛くなりそうだ。
 頭が……頭……こいつの頭、っていうか髪の毛、綺麗な青だよな。水色っぽくも見えるが、青だよな。
 青か、青ね。

「よし、コバルトだ!」
『コバルト?』

 ただの思いつきだけど、カラーリングを参考に名前を考えるのも悪くないよな。
 ブルーって名前だと男っぽいし、他に思いつく青系だとスカイブルー、マリンブルー、そしてコバルトブルーだ。

「お前のイメージカラー、コバルトブルーから取った名前だ。どうだ?」

 コバルト、良くね?
 なんとなくエキゾチックな響きもあるが、悪くないと思う。
 首を傾げて考え込む彼女。やがて出した答えは――

『もしワタクシのヘアカラーや目の色の事をおっしゃっているのでしたら、これはコバルトブルーではなくシンフォニーブルーでございます。カラーコードは#0085deでございますよ』
「シンフォニーブルー?」

 まったく聞かない名前だな。でも、シンフォニーってなんかよくね?

「あー、シンフォニーって、交響曲だっけ?」
『はい。左様でございます。管弦楽によって演奏される、多楽章で構成された楽曲の事をシンフォニー、またはシンフォニアと呼びます』

 音楽の事は解らない。でも、交響曲って漢字が惹かれる。
 MMOなんてのはプレイヤー同士が関わりあってなんぼのゲームだ。そんなゲームにあって、交わるという漢字が含まれた交響曲は、まさにMMOにピッタリだ。
 ゲームのロビーを管理するNPC。俺にとって、ゲームの入り口にあたるここの住人。

「よし、じゃあシンフォニアだ」
『ヘアカラーですか? 安直な……』
「い、いや、そうだけど、そうじゃないって。人との繋がり、交わりによってより面白さがアップするのがMMOだろ。交響曲ってのがさ、まさにピッタリなんだよ」
『ピッタリ……人との繋がり、そして交わり――シンフォニア……』

 考え込むような仕草で固まる彼女に、ダメ押しの一言を浴びせる。

「ほら、お前言ってたじゃないか。響きの良い、綺麗な名前をって」
『響きのよい清涼感のある、且つ知的で美しい印象を与える名前でございます』
「そうそれよ、それ。シンフォニアって響きは良いだろ? 清涼感だってある。知的にも聞こえるし、この名前でブスは有り得ないと思うだろ?」
『そう、言われてみると、そんな気もします』
「だろ? いいじゃないか。シンフォニアで決定な!」

 何度か小声で『シンフォニア』と、言葉の響きを確認するように彼女が呟く。
 何度目かのあと、彼女――シンフォニアの口元が僅かにほころんだ――ように見えた。





◆◇◆◇

名前:彗星マジック / 種族:ダークエルフ
レベル:11 / 
Ht:177 / Wt:66

HP:1150(1150) / MP:2425(2425)
STR:1
VIT:1+2
DEX:1
AGI:1+3
INT:81+8
LUK:1

SP:0

【セット技能】
『雷属性魔法:LV6』 / 『神聖魔法:LV5』|(
『格闘術:LV4』 / 『敏捷向上:LV3』
『魔力向上:LV6』| / 『鷲掴み:LV6』|
『採取技能:LV1』| / 『乗牛技能:LV1』
『怪力:LV1』|(new) / 『木工技能:LV』|(new)
『空間移動魔法:LV1』|(new) / 『炎雷属性魔法:LV1』|(new)


【獲得スキル】
『サンダー:LV4』|(1up) / 『ヒール:LV2』| / 『ライト:LV2』
『テレポート』|(new) / 『サンダーフレア:LV1』|(new)

『加工:LV1』|(new) / 『作成:LV1』|(new)
『修繕:LV1』|(new) / 『手入れ:LV1』|(new)

IMP:38

【称号】
『少女の勇者』 / 『綺麗好き』 / 『ピチョンとの約束』
『ヒヨっこ大工』|(new)

【装備】
『黒楼羽根のロングコート(レア)』|(HP+300) / 『黒楼のズボン』|(HP+150)
『海獣のブーツ(レア)』|(HP+150) / 『黒楼羽根の手袋(レア)』|(HP+100)
『海獣の杖(レア)』|(MP+100)
『ピチョンの飾り羽根付きピチョンの巣|(卵IN)(レア)』

◆◇◆◇
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