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265/268

265:マジ、PV大会に出場する。

*最後の〆部分を書き換えました。


 夜の部開始。

 再びゴーストシップ集会をするべく、まずは生贄召喚っと……。


【彗星マジック:おっす。幽霊船いかね?】


 ログインしていたメンツの一番上に居た生贄、シースターに声をかけてみた。


【シースター:ごめん。今日はイベントを開催するんだ】


 あ、なんかそんな事言ってたな。

 そうか。イベントか……何するんだろう? ちょっと行ってみるか。

 シースターにイベント会場を聞き、コールの町へと向かった。

 始まりの町でもあるクロイスは、今でも新規ユーザーが訪れるのでそこそこ賑やかだが、ここコールは違う。

 たんなる中間地点的な位置づけもあって、ユーザーの姿は比較的少ない。だからここでイベントを開くのだと言う。


「よ、シースター」

「いらっしゃいマジック。本当に来たんだね」

「来ちゃダメだったのか?」

「いや。大歓迎だよ。参加するの? それとも見学?」

「あー、PVPだっけ? 勝てる訳ないし、見学にするよ」

「え!? な、なんで? 寧ろマジックが参加したら、優勝するんじゃないかって思ってるんだけど」


 いやいやいや。何を言ってますかねシースターくん。

 俺はか弱い魔法使いだぞ? 詠唱だってある。一気に詰め寄られたら勝てる訳ないじゃん。それにだ。魔法使い相手と分かれば、普通は魔法防御の高い装備とかで来るだろ。そうなったらお手上げだ。

 魔法使いはタイマンには向かないんだよ。


「まぁ人数の都合で足りないとかだったら、イベントを盛り上げるために手伝うぜ」

「うん。その時はお願いするよ」


 イベント開始までまだ時間があるからと、能力石の合成を頼まれたり。


『ぷぅぷっぷぷぅ』

「あ? 人が集まって来た? おぉ! 来てる来てるっ」

「じゃあ受付を開始しようかな」


 そう言ってシースターがペットを取り出す。トリケラトプスのこいつを目印にするんだとか。

 ちっさくって可愛いなぁ。

 心なしか、シースターもデレデレしているように見える。


『ぶっぶぅー』

「あ? あたちの方が可愛いに決まってる? いやいや無いからあーだだだだだだっ」

『ぶっぶぶぶぶぶぶぶっ』

「可愛くない! てめーのそういうところが可愛くないんだあタタタタタタッ」


 シースターがせっせと受付を行う間、俺が横で客引きパンダを行う羽目になったじゃないか。くそっ。

 30分ほどで15人の参加者が集まった。だが15人……奇数じゃダメなんだよなぁ。


「ということでマジック」

「ぐ……さ、参加か……うんまぁ男に二言はないからな。参加するよ」


 とは言うものの、参加者たちを見ると足踏みしたくなる。

 こいつらガチ勢だろ? やたら豪華な装備してやがるじゃん。


「な、に? ふんどし王子も出るのか?」

「ほう。そりゃあ楽しみだ」

「腕がなる」


 いや、ポキポキしなくていいから。俺、か弱い魔法使いだから。

 15人の中には俺と同じ、魔法スタイルの男も居た。仲良くしたいものだ。

 だが俺の初戦の相手は、ガチムキ戦士だった。


 チーン。






 ルールは至って簡単。

 PVPのシステムに依存したものだ。


「で、PVPってどういうシステムなんだ?」

「マジックはそこからなんだね……」

「主催者さん。俺が教えとくよ」

「あ、お願いします。じゃあ一回戦行いますので、選手の方は――」


 あ、俺無視された。まぁ初戦相手のガチムキさんが教えてくれるようだから聞いておこう。


「んでは、放電の殴りふんどし王子さん」

「なんか俺の名前長くないですかね? 俺、彗星マジックって名前なんですけど」

「じゃあふんどし王子さんで」

「あー……はい」


 名乗ったのに何故名前で呼んで貰えないんだ!?


 で、PVPシステムというのが――。


「片方がPVPの申請を出す。もう片方にはウィンドウが出てくるんで、承諾を押せばいい。押してから10秒後にスタートだ」

「ほぉ。カウントとか出てくるのか?」

「出るぞ。勝ち負けは、先に相手のHPをゼロにした方がそうなんだが、それ以外にも180秒経過でPVが終了。その時HPの多い方が勝ちだ」

「3分勝負なのか」

「そういうことだ。勝ち負けは視界に浮かぶのと、勝った方には暫く王冠が付く。これは他のプレイヤーにも見えるんだ」


 なるほど。どっちが勝者か分かりやすいってことだな。

 でもこのルールって、HPの多い前衛タイプが有利じゃないか?


「まぁそこは仕方ないだろう。PVなんだし」

「ぐぬぬ。より多くのダメージを与えるしかないのか。クソ」

「ふふん。あんたが参加するとは思っていなかったが、それならそれで対策はさせて貰うぜ。ふんどし王子さま」


 ぐ……対魔法使い装備で固めてくる気だな。ちくしょーっ。

 今の時点で全属性耐性とかあるんだろうか? いや、属性単位だろ?

 何を揃えてくる?

 装備を見て分かったりしないもんかなぁ。


 いや……この男、さっき俺の事を『放電の』って言ったよな。

 俺は最初こそ雷魔法しか使ってなかったからな。それで付いたあだ名なんだろう。

 雷対策がされているってことは……雷に強い属性といえば土か!?

 ならこっちは土対策だな。


 ふっ。土に強い属性は火だ!!

 火ならあるぜ。決まってるだろ。

 魔法使いと言えば火魔法っていうぐらいだ。持ってて当たりま……これも対策されてたらどうすんだ俺えぇぇっ!

こっそり。ゆっくり目の更新いたします。

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