表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
202/268

202:マジ、スキル創造に励む。

 メンテが四時間延びた。

 暇だ。

 ロビーも開かないし、ウィキを見るのも飽きた。


 宿題……


「寝るか」


 現実から逃れるためベッドに寝転がる。

 ……。

 ……。


「うおおぉぉぉぉっ。じっとしてるのが苦痛だあぁぁぁっ」


 仕方ないので宿題をしよう。早めに終わらせてしまえば、安心してネトゲに没頭もできるだろう。

 よし。






「うおおおぉぉぉぉっ。俺、頑張った!!」


 宿題用タブレットの電源を切り、壁時計に目を向ける。

 時刻は十八時ちょい過ぎ。

 よし、今から急いで晩飯を食おう。時間があればシャワーも浴びよう。

 そうすれば眠くなるまでガッツリ遊べるぞ!


 っくくく。次の登校日に提出する宿題はほぼ終わった。あとは苦手な英語を……


「誰か写させてくれないかなぁ……」


 とか考えながらキッチンへと向う。


「お袋、晩飯ある?」


 キッチンでは仕事から帰宅したお袋が、飯の準備をしているところだった。


「えぇ、まだ六時過ぎよ? 早くない?」

「今日は七時にメンテが終わるんだ。いつもより四時間も長いから、遊べる時間も短いし。だから少しでも時間の節約したくって」

「……廃人め」

「ん? なんか言ったかお袋」

「別にぃ〜。今日はしょうが焼きと中華春雨と卵豆腐。春雨は出来てるし、しょうが焼きは焼くだけ。先にお風呂入る?」


 じゃあ、そうするか。

 ささっとシャワーを浴びて戻ってくると、しょうが焼きも完成していた。


 俺、飯、食う。


「ごちそうさま」

「はやっ! よく噛んだの?」

「……噛んだ」


 どこかのAIと同じ事いいやがる。

 AIがお袋みたいなのか、お袋がAIみたいなのか……まぁどっちでもいい。


「じゃあ遊びに行ってくる」

「宿題少しはしたの?」

「したした。めっちゃした」


 そこは自慢できるぞ。

 さっさと自室に戻ってパソコンを起動。公式サイトを開いてIDとパスを入力してログイン。それからヘッドギアを装着してベッドに寝転び、ゲームサーバーにログイン!


【只今メンテナンス中です。今しばらくお待ちください】


 というメッセージが浮かぶ。

 ……今何時だ?

 ヘッドギア外し、時計を見ると――五十分にはまだ早かった。が、あと三分程度だ。

 少しぐらい早く開けてもいいだろ! プレイヤーを喜ばせろよっ。


 ログインアタックしちゃうぞぉ。

 ログインボタンを連打だっ。

 ポチっと――


『お帰りなさいませ、彗星マジック様』


 ……。


『お喜びくださいっ。ログインサーバー解放予定時刻より、一分二十三秒早くオープンいたしました!』


 ……。

 微妙。


『優秀な運営ですね! 神運営ですよ、神!』


 ……ヨイショプログラム起動中か。

 こいつは無視して――


「スキル作るから黙っててくれな。ついでになんちゃってノーパソ出してくれ」

『畏まりました』


 あっさり引き下がったな。ヨイショプログラムのレベル設定が低いんだろう。

 静かになっらログハウス内。

 ソファーに腰を下ろしシステムメニューを開き、ノーパソの方は検索サイトを出しておく。

 サーバー完全解放まで十分だ。急いで作るぞ。


 媒体は『魔力向上』でいいだろうな。『魔力操作』を入れてIMPが下がるってんなら入れてもいい。

 とりあえず向上だけで作ってみよう。

 効果は――


 毎秒MPを回復するという持続系。


 回復量を10、持続時間を60にすると、消費IMPは50になった。

 おぉう、多くないか? しかも消費MPも200じゃんか。二十秒で元が取れるとはいえ、MPを回復したいタイミングで200はなぁ。

 回復量の初期数値を5にして、持続時間は60にまま――IMP30か。消費MPは50と、大幅に減った。


「これならいいか――『魔力操作』との合成にすると――おっ、消費MPが30に減った!」


 おぉ、MP節約になったぜ。

 複数の技能を合成してスキルを作る場合、効果が良くなる代わりに消費するものがいろいろ増えるパターンと、逆にIMPなんかの消費が抑えられるパターンとあるな。後者の場合、スキルの効果が向上するってことはないみたいだが。

 IMP抑えられた分、攻撃スキルも作っておきたいなぁ。

 水が微妙なんだよ。威力はあっても、見た目は水鉄砲か水芸かってレベルだしな。

 もっとこう、カッコいいのが欲しい。

 カッコいい水攻撃……って、どんなのだ?


 考えろ、考えるんだ!

 何かヒントはないか……『水』『かっこいい』『映像』で検索をしてみる――が、よく分からない動画ばかり出て来て参考にもなりゃしない。なんでドラマのワンシーンが出てくるんだよ。

 画像に切り替えると――


「なんだよこの、全身にオイル塗ったおっさんが水の流れてる滑り台を寝そべって滑ってるような写真は……さっきの条件で何故これがヒットする?」


 どこがどうカッコいいんだ? と首を捻りたくなるような写真ばかり出てくる。

 ググる先生の電脳は大丈夫か?

 画面をスクロールしていくと、フライドボードとかいうやつの写真が出てきた。

 靴底に太いホースが付いていて、水を噴出しながら海上を跳び、一回転するみたいなアクロバティックなあれだ。

 こんなのが上手く出来ればカッコいいだろうなぁ。


 だがこれをどうやって攻撃スキルにするんだ!?

 確かに足裏から噴射されてる水をモロに食らったら、リアルで痛そうではあるが……キック技ならありか?

 足の裏から高圧洗浄機のような勢いで水が出て……宙に浮いて……回転キック!


「……常に水が噴射してるんだし、キックどころか着地も出来ないんじゃなかろうか……却下。うぅん、なぁシンフォニア」

『はい?』


 ちーんっと座って俺を見ていたシンフォニアに尋ねてみる。

 水と聞いてまっさきに思い浮かべる物は何か。もしくは海でもいい。波でもなんでも。


『鮫ですね』

「鮫……シャークか」


 即答だったな。

 鮫……まぁ確かにカッコいいし、強そうだ。

 これが鮫ではなくイルカだったらどうか……可愛いだろクソッ。クジラだと……もっさりしてて攻撃スキルっぽくないな。うん、なんかメルヘンな世界だな。

 鮫だっ。やっぱり鮫だぜ!


 水で出来た鮫を魔法陣から召喚するような感じで生み出し、敵の真っ只中に泳がせる。そのままスプラッシュして、水礫にして範囲攻撃!

 いいじゃんいいじゃん。

 くくく。メンテ明けに早速試しうちしに行こう。

 メンテ明けに……あ……


「今何時だあぁぁぁっ!?」

『十九時八分四十七秒でございます。サーバーは既にオープンしておりますよ』


 それを先に言えっ!!


PV1万未満に耐えれなくなりましたorz

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ