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殴りマジ?いいえ、ゼロ距離魔法使いです。  作者: 夢・風魔
バージョン1.02(予定)
135/268

135:マジ、掲示板デビューを果たす。

*清掃員の下り、セリフ等一部ちょっと変更しました。

 宿題を提出――担任のタブレット端末に送信――して、中期分の宿題を貰って急いで帰宅。

 お袋から貰ったバス代を小遣いにするため、帰りは歩いた。四十五分掛かった。

 どうせバスで帰っても、メンテ突入してるからログインできないし、健康の為にも歩く方がいいんだぜ!

 後期の登校日の時もバス代貰おう。そしたら五百円分のwebマネーが買える。

 歩きパン食いをしつつ帰宅すると、ロビー解放までまだ若干時間があったため貰ったばかりの宿題に着手した。

 分かる所だけさっさと終わらせ、分からないところは時間のある時にネットで調ながらやろう。


 十三時きっかり。

 よし、ログイン!


 学生は夏休みだが、社会人様にとっては平日だ。予想通り、ログインはすんなり出来た。


「よっ」

『お帰りなさいませ、彗星マジック様』

「メンテ順調?」

『はい。現在のところ、お掃除おばちゃんが電源コードを誤って抜く事もなく、これといったトラブルもございません』

「なんのこっちゃ」


 おいおい、誤ってコードを抜くって、なんで掃除のおばちゃんがそんな事するんだよ。

 寧ろメンテ中に清掃員入れるのがそもそもの間違いだろ。 


『冗談でございます』

「は?」

『なんでもございません。ときに彗星マジック様』


 何をはぐらかした!?

 真剣につっこんだ俺の努力を返せ!


『告知はご覧になりましたか?』

「見てません。教えてください」

『はい。畏まりました』


 言葉は丁寧だが、今シンフォニアの顔は――勝ち誇っている。

 っち、公式サイトでユーザーログインした時に、ちゃんとお知らせも見ておくんだった。

 シンフォニアは机の椅子に腰掛け、対面する位置に椅子をもう一つ用意し、俺にそこへ座れとジェスチャーする。

 おい、なんかこれ、職員室で先生に説教される生徒の図なんだが、気のせいか?

 しかもシンフォニアの奴、紙なんか手に持ってるし。

 それアレだろ。テストの点数悪くて怒られるパターンだろ?


『ではお教えします』

「は、はい」


 自然と恐縮してしまう。

 いや、俺は別に先生から説教された事とかアリマセンけど?


『本日のアップデート情報。バージョン1.02を行います』


 え……アップデート?


『これまで多くの方からご要望のあった対人コンテンツの第一弾が遂に実装!』


 と言って彼女はガッツポーズを作る。

 俺は要望出してないから。

 第一弾という事で、まずは町中限定で実装されるという。


『PVPは両者承諾の下でのみ行う事が可能となります』

「決闘みたいなものか?」

『というより、まさにそれでございます。どちらか片方が決闘を申し込み、もう片方が承諾すれば三十秒後に開始される仕組みでございます』

「拒否は可能?」


 こくりと頷くシンフォニア。更に、ステータス画面にて、決闘の申し入れをそもそもお断りする事もできるらしい。

 PVPに興味が無ければ、決闘の申請拒否にすればいいんだとか。

 決闘は完全に競技みたいな扱いで、戦闘不能になっても十秒後にその場で復活できるし、デスペナも無い。アイテムの紛失も、アイテムの略奪も無い。

 デメリットは無い、という事だ。


『では次――皆様が待ちに待った、倉庫システムの実装でございます!』


 そう言って一人で拍手をし始める。

 そんなに待ってたか? いやまぁ、あるに越した事はないんだが。


『倉庫枠は二十枠となっております。倉庫拡張には是非、アイテムモールにて拡張チケットをご購入ください』

「……守銭奴め」


 倉庫二十枠とか少ないだろ!

 課金させる気満々だな。


『今ですと、ユーザー登録数七万人突破記念といたしまして、インベントリ、倉庫拡張チケットがそれぞれ三十日100AQとなっております!』

「期限付きかよ。永久は?」

『ございません。継続的に収入を得るには、期限付きのほうが良い。というデータがございますので、『Imagination Fantasia Online』では、アバター衣装以外は期限付きを採用しております』


 そのアバター衣装だって、期限付きもあるじゃねえか。

 しかし、そういう運営の腹黒いところをあっさり喋ってしまうって、大丈夫なのか?

 俺の心配を他所に、シンフォニアは次のアップデート内容に話を進めていく。


『遂にペットの進化が解放されるときが来た!』


 と、ここで雷鳴が鳴り響く。効果音か?


『幼生期』から『成長期』へと進化を遂げるペット。

 遂にペットによる支援が実装されるのだ。これは……期待しちゃっていいですか!?


『尚、進化にはペットとの相性の他、ペットそのものの経験値も必要となります』

「経験値? そんなのあったのか?」

『はい。隠しステータスですので、プレイヤーから見ることは出来ません』

「ぷぅの経験値は?」

『お教えできません。が、これだけはこっそりお教えしましょう。ぷぅはまだ、進化できません』

「な、なんだってーっ!?」


 がーんっ。

 ぷぅって正式サービス当日に孵化してたんだぜ? 飯だって美味い物食わせてたんだぜ?

 なのにまだ進化できないのかよ!

 まぁ、ってことは、進化できるペットはまだいないって事だろう。


『ぷぅはレアモンスターですので、必要経験値が一般のペットの二倍となっております』

「なんでそうなるんだあぁぁっ!?」

『仕様です』


 ぐぬうううぅぅぅ。

 こいつのどこがレアだっていうんだ……似たようなのはあちこちにいるじゃないか。ピッピとかポッポとかチュンチュンとか。

 ちょっと頭に鶏冠があるだけでレアとか。

 とうのレアペット、ぷぅは巣の中で熟睡中だ。くそう、起きて経験値稼ぎやがれ。


「はぁ……どうやったらペットの経験値が溜まるんだ」


 せっかく進化解放だってのに、ぷぅは進化できないのか。あぁ、ガッカリだぜ。


『彗星マジック様が経験値を獲得すれば普通にぷぅも……はっ』

「え? もしかして飼い主の経験値と連動してたのか?」

『ワタクシは何も喋っておりませんが? 次の情報です。アイテムモールに新アイテムが続々登場! 既存装備のデザインを抽出して、専用アバターに定着っ。これであなた好みのアバター衣装が手軽に作成できます♪』


 誤魔化したな。

 くくく。良い話が聞けたぜ。ログインしたら必死狩りだ!


『あとは様々なバランス調整を行わせて頂きました。かねてからよりご要望の多かった、生産素材のドロップ数を上方修正しておりますので、これからは装備品の値崩れが始まるでしょう』

「お、それはいいな。高くて手が出し難かったんだよ。まぁ知り合いの好意で散々作って貰ったりしてるんだけどさ」


 たまには自分好みの効果とかデザインとか探してみたいしな。

 いや、好みのデザイン物待っても合成するからどうしようもないんだが。


『最後に、オープンベータからプレイされておりました皆様へ朗報です』

「お?」

『技能レベルの上昇率変動により、以前よりプレイしていた方の技能調整を行います。技能レベルを直接与えるのは避け、技能経験値上昇アイテムの配布を行います』


 アイテム?

 要は経験値二倍アイテムだ。それをオープンベータ中のプレイ時間に応じて贈られるという。


『アイテムの有効時間は、オープンベータプレイ時間に準じております。何も行動をしていなくとも消費されますので、その点はご理解ください』

「ログアウト中は?」

『ログアウト中の消耗は停止されます』


 なら安心してログアウトも出来るな。

 なかなか分かってるじゃないか、ここの運営は。

 コスライム人形の件といい、好感持てるなぁ。どんな親切な人達が運営しているのか……。


『尚、技能経験値二倍アイテムはメッセージより配布されますので、受け取り後から時間の消費がスタートとなります』


 だったらそんなに慌てる必要もないか。ログイン後からだったら、焦って狩場に行かなきゃと思っていたんだがな。

 出来ればレベリングに最適な狩場を見つけてからがいいだろう。ついでに合成剤も大量に用意して、アイテム使ってから一気に合成しまくるとか。

 よしよし。今日は狩場探しと合成剤の材料集めをしよう。


 あ、そうだ。


「シンフォニア。大勢のプレイヤーに情報を伝えたい場合、どういった方法があるんだ?」

『情報、でございますか?』

「おう。隠れ里に出入りするための穴を開通させたんだ。そこを通れば海賊ダンジョンの短距離コースが使えるしな。それを教えてやろうと思って」

『はぁ……大勢の方に知られてもよろしいのですか?』

「あぁ。なんか問題でもあるのか?」


 やや考えた後、シンフォニアは首を傾げて『いえ、特にございません』と答えた。

 無いよな。ある訳ないじゃん。皆が楽してボスまで辿り着けるようになれば、誰だって嬉しいに決まっている。

 そんな状況を作り上げたのが俺だと知れば、皆俺に感謝するだろう。するよね? してくれるよね?


『公式サイトの掲示板をご利用になっては?』

「お、その手があったか! じゃあ早速。えぇっと、ここで書き込めるか?」

『はい、どうぞ』


 シンフォニアの手からノートパソコンが現れる。

 それを受け取り、既に表示されている掲示板に今回の情報を書き込む。



◆◇◆◇◆◇◆◇


投稿者名:彗星マジック  タイトル:海賊D短距離コースへの案内

内容:海賊Dボス部屋まで三十分強で到着できる裏入り口がある。

    裏入り口へは、岩壁に空いた穴を通ってチュンチュンの巣の裏から入れる。

    是非、ご利用ください。


◆◇◆◇◆◇◆◇


 よし、これでいいだろう。

 さて、メンテ終了まであとどれぐらいかなぁ。


『彗星マジック様。掲示板へのレスがございました』

「お、マジか!? ちょっと見てみよう」


 くふふ。感謝感激のレスかな。



◆◇◆◇◆◇◆◇


Re1:ホルグレン

 岩壁ってどこの岩壁だよ!

 チュンチュンの巣ってどこなんだよ!



Re2:グラウス

 情報少なすぎwwww



Re3:くるん

 王子様、それどこですか?



Re4:もんく

 親切なのか不親切なのか

 さすがふんどしの人だ


◆◇◆◇◆◇◆◇



 削除依頼、出してきてもいいですか?

*3月11日の活動報告にヤバいものを公開しました。

マジック君の立ち絵です。顔は描いておりません。イケメンが描けないからです。

とりあえず思った事は――酷い格好だ。


前話本文最後に地図作成サイトで作った部分的エリアのご紹介をしております。

地図作りたのすぅいー

尚、画像付きページですので若干重いかもしれません。

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