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「前鬼様もやってみたら、どうですか? 」

「前鬼様もやってみたら、どうですか? 」


後鬼ちゃんの日課は、毎朝のストレッチである。

晴れていればお外で、そうでなければ室内で。

腕を上に伸ばし、「んぅ~」と声を上げる。下着の袖ががだらんと垂れる。

私はいつも通り、「ふぁ~」と欠伸をする。縁側で脚をぶらぶらしながら。


私はうとうととしながら目を瞑っていた。

「前鬼様もやってみたらどうですか? 」

後鬼ちゃんの声に目を開く。腰に手を当て上体を反らしこちらを向く彼女。

顔に対し、まるで上下が反転したかの様に彼女の長い髪は地面へと伸びる。

「ぅぅ……眠いもん」

目をくしくしと擦り、答える。確かに気持ち良さそうだがそれ以上に眠い。

「目も覚めますよ」

足音と共に、徐々に大きく聞こえる声は、自身に近づいてくることを示す。


「よいしょ、っと」

履物を脱ぎ揃え、縁側の方に飛んでくる後鬼ちゃん。ぎしっ、と音がする。

そのまま私の両手首を、それぞれの手で掴む。うーんと上に引っ張られる。

続けて、上体を反るように脚で私の背中を軽く押してくると、胸が伸びる。

「あっ」

上体を反らした気持ち良さに、ついつい声が漏れてしまう。

別に身体をみしみし言うほど伸ばすのではなく、あくまで少し反るぐらい。

その絶妙な力加減に私はうっとりとしてしまう。彼女の日課なのも頷ける。

少しの間その状態を維持され、手が開放される頃には背中がぽかぽかする。

「どうですか? 」

「悪く、ないね……」

感じたままの感想。なんだか後鬼ちゃんも満足そうに、にやにやしている。


翌日から私も目を覚ます為、後鬼ちゃんに習いストレッチに挑戦してみた。

でも……してもらうのは気持ちいいが、自分で伸ばすとなにか物足りない。

「後鬼ちゃん、やって~」

そうやって寝起きの甘々とした声で、駄々をこねると、大抵やってくれる。

やってくれるのは縁側で……その為、私はいつも縁側で伸ばすのであった。


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