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「後鬼ちゃん、もう起きるの?」

「後鬼ちゃん、もう起きるの?」

隣で眠っていた前鬼様が眠そうに目を擦りながら声を掛けてきた。

「あ、起こしちゃいましたか……」

明け方に寒さで目が覚めた。ここ数日、冷えるのにまだ布団は少しばかり涼しめのものだ。もう一度眠ろうと体勢を変え……なんだか眠れないと体勢を変え……と試行錯誤していた。

こうなってしまうと、どうにも眠れない気がする。

何度も身体を動かしていた私に気付いたのか、前鬼様を起こしてしまった。


「うぅ~、寒いね」

布団の中から顔だけ出している前鬼様が、こちらに向いて話しかけてくる。

寝る時は毛布に包まってから布団に入る彼女もそろそろ厳しいらしい。

「そうですね。そろそろ布団を変えないといけませんね」

がたがたと脚が震えるので、折り曲げてなんとか布団の温かい部分を確保する。


「えいっ!」

布団から隙間風が入ったと思えば、ごそごそと毛布の塊が近づいてくる。

中から前鬼様が出てきたと思えば、ぎゅーっと前鬼様が抱きついてくる。

彼女の小さな手に抱きしめられるのは、不思議な気分だ。

何というか、守るべき対象に守られるかのような背徳感。

そして、毛布に包まっていた前鬼様は温かい。冷えた私の身体に染み渡る。


前鬼様をしっかりと抱き返し、彼女が包まっていた毛布に二人で包まる。

まるで巻きずしの様な、温かさにうとうととしてくるのであった。


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