「後鬼ちゃん、なにこれ……」
「後鬼ちゃん、なにこれ……」
私の胸元で前鬼様が訪ねてくる。
さて寝よう、という時にちょっと思いついたこと。
私の身体に重なるように前鬼様の身体をタオルケットで結びつけた。
要は私に抱き着く形で前鬼様を固定している。私も抱きかかえる
「苦しい……」
胸元でぼそぼそと伝えてくる前鬼様。流石に強く抱きすぎたと反省。
腕を緩めたところ、すっと前鬼様が離れていく。気づくとタオルケットが解かれていた。
私の上からころんと脱出した彼女は自身の布団まで転がっていく。
もぬけの殻となった身体の上。力なく空を掴む私の腕が寂しい。
「むぅ……」
「ふふっ」
私の悔しそうな声を聞いてか、くすっと笑う前鬼様。嘲笑うがの如く。
このままでは、眠るものも眠れない。意地でも私の身体の上で眠らせてみせる。
油断している前鬼様の横にタオルケットを敷き、彼女を転がす。
「!」
不意を突かれた前鬼様に追い打ちを掛けるように伸し掛かる。
そのまま、タオルケットを結び、ぐるんと身体を回すと前鬼様は私の身体の上だ。
先程の敗因は、前鬼様が解ける場所に結び目があったこと。
であれば、結び目を隠してしまえば良い。私の身体の下に。
加えて、先程と異なり上を向いた前鬼様には結び目がどこかわからない。
なんとか解こうと、結び目を探す前鬼様。闇雲に動かす手が少しくすぐったい。
どうやら、結び目に届かないことに気づいたのかおとなしくなる。
私には一方的に前鬼様の頭を撫でらたり、抱きついたりできる。
彼女には自身を拘束しているタオルケットをぎゅっと握ることしかできない。
よしよしと可愛がりながら、前鬼様を堪能した私は眠るのであった。




