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「前鬼様、何やってるんですか?」

「前鬼様、何やってるんですか?」

「あっ」

後鬼ちゃんにばれた。と言っても特に怒られるわけではないが。

肌寒い日に干した布団。取り込んだばかりの太陽の温もりを感じる。

そこに私は飛び込んだのだ。ずぶずぶと布団に身体が沈むのを感じた。

お日様の匂いとお布団の匂い……顔を埋めない訳がない。

そう楽しんでいるうちに後鬼ちゃんにばれてしまった。

始めはじーっと見ていた後鬼ちゃんであったが……

「重い……」

私の身体の上に覆い被さるようにのしかかる。

私の身体はより一層布団の中に沈んでいく。

布団の温もりと太陽の匂いに押さえつけられるように。

「温かいですね……」

「さっきはもっと温かったんだけどね」

取り込んだ直後に比べ、随分と布団が冷えてしまった。

「いえ、前鬼様が、です」

そんなに私が温かいのかな?と疑問に思いながらも私は彼女の重さを感じる。

正直、重いと言う訳ではないのだが苦しくないと言えば嘘になる。

加えて徐々に布団の中に押し付けられているため息がしづらい。

「後鬼ちゃん、苦しいよ~」

もごもごとした声で後鬼ちゃんに訴える……が反応がない。

むしろすぅすぅと寝息のようなものが聞こえてくる。

眠っているのか、ならばと身体を揺すってみる。

だが、そのほとんどが布団に吸い込まれてしまい、抵抗らしい抵抗にならない。

だんだんと辛くなる呼吸に、何度も深呼吸を意識する。

その度に、太陽の匂いと布団の匂い……加えて後鬼ちゃんの匂いも取り込む。

心地良くなって、意識が遠のいてしまいそう……だが、苦しさが意識を取り残す。

「あっ」

途端に後鬼ちゃんに持ち上げられた。ぐるっと布団から取り出されてしまう。

そのまま仰向けで眠り始めた後鬼ちゃんの腕の中に拘束されるように抱かれる。

後鬼ちゃんの身体が布団に沈んでいくのを、後鬼ちゃんの身体の上で感じる。

なんだか不思議な感覚だ。そして安心感を感じる。

だが、先ほどと打って変わって少し肌寒さを感じる。

結局、逃げ出すことが出来なかったので私も諦めて眠りについた。


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