「後鬼ちゃん早くぅ~」
「後鬼ちゃん早くぅ~」
「嬉しそうですねぇ」
「へへぇ」
私は前鬼様の為にミルクセーキを作っている。前鬼様はミルクセーキがとても大好きなので毎日の様に私が作っている。
毎回量の違う卵黄に合わせて牛乳を絶妙な配合で流し込む。今日はいつもより卵黄が大きかった為、沢山飲める事に喜ぶ前鬼様である。
「砂糖多目で」
「はいはい」
後は砂糖を甘過ぎない程度に溶かすと完成する。ボールから愛用のコップに移して前鬼様に渡す。
「ありがとぉ」
そう言って可愛らしく両手でコップを持ち、こくこくと喉を鳴らしながらミルクセーキを飲んでいく。
こくこくで思い出したが前に卵をを沢山食べたからミルクセーキを作らなかった事がある。
私も気が付いたらという程度に卵料理を出してしまっていたので駄々を捏ねる前鬼様にある提案をした。
「ホットミルクはどうですか?」
あの時の嬉しそうな顔もそうだが一番可愛かったのは飲むときである。熱いぐらいのホットミルクは猫舌で無くてもこくこくとは飲めない。その為ちびちびと飲むのだがいつも意識して見ている私にはわかる、どっちも可愛いと。
「ぷは~」
そう言って前鬼様は飲み終える。甘い匂いは可愛い前鬼様の特徴である。