「前鬼様、起きてたのですか?」
「前鬼様、起きてたのですか?」
「おはよう……」
ふと目が覚める。若干外が明るいがまだ起きるには早い。
二度寝しようとごそごそしていたら後鬼ちゃんを起こしてしまった様だ。
「まだ寝る~」
「私もまだ寝ますね」
さっさと眠り始めた後鬼ちゃんに合わせ私も布団に戻る。
眠たいのだが、中途半端に目が覚めているのでなかなか寝付けない。
かと言って起きるのも面倒だ。そんなダラダラとした不思議な時間。
ぐるぐると身体を動かしてもどこか落ち着かない。眠いようで眠くない。
私は手頃なタオルケットや毛布の近くで転がる。
まとわり付くそれらは身体を一回り大きくする。
布団から出てしまっても問題ない。毛布に囲まれているから。
程よい締め付け具合。もふもふとした感覚。身体が重いと頭も重くなってくる。
転がる時にダマになった毛布はまるで何かおんぶしている様だ。
転がる時にきつくなった毛布はまるで誰かに抱かれている様だ。
そのどれを取っても心地よい。あっという間に眠ってしまいそうだ。
でも何かが足りない気がする。布団から離れてしまって何か寂しい。後鬼ちゃんだ。
ごろごろと転がり、身体についたダマを引き摺り、毛布を開けさせながら布団に戻る。
後鬼ちゃんの寝顔を少し見てから近くで丸くなる。
彼女の寝息と匂い。守られているかの様に落ち着く。
抜けていた何かが合わさるが如く、意識が落ちていった。




