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「前鬼様、苦しくないですか?」

「前鬼様、苦しくないですか?」

帯を少し窮屈と感じる手前までで結んでもらう。

「大丈夫ぅ」

結び終え、私の肩に手を預けている後鬼ちゃんに返す。

お気に入りの帯、それを付けてもらっていた。

「もふもふ!」

そう叫びながら私は腰を左右に振る。

「もぅ、くすぐったいですよ!」

私の背中、帯の結び目には大きな梵天が付いている。

私の背中を隠す程大きいそれは、ほどんど重みを感じない。

つまりそれだけ軽く、そのぶん柔らかく、肌触りはくすぐったさと共に癒しを与える。

私はこの帯が好きだ。まるで巨大な尻尾が付いているかのような感覚。

私はもふもふすることはできないが、背中についている、という感覚がよいのだ。

「こしょこしょこしょ~」

自分で触ることができない。だからこそ後鬼ちゃんに味わせることが楽しい。

「それそれ~」

仰け反る後鬼ちゃんの顔に、追い打ちを掛けるように腰を振る。

「あっ!」

足元が見えていなかったので、後鬼ちゃんの足につまずいてしまう。

そのまま後ろに倒れ……ることはなく、軽く持ちあげられてしまう。

「危ないですよ」

「ごめんなさい……」

ひやっとした。咄嗟に謝る。少し調子に乗りすぎていただろうか。

「じゃあ、横になってください」

持ちあげられたまま横に倒される。尻尾を突き出し、丸くなって眠る赤ん坊の様だ。

そのまま梵天に顔を押し付けるように後鬼ちゃんが抱きついてくる。

「気持ち…いいです」

まるで背中の梵天が喋っているみたいでくすぐったい。

後鬼ちゃんの腕がより一層きつく私を抱き寄せる。

このまま持ち上げられれば、抱えられた小動物みたいだ。

「すぅー、すぅー」

後鬼ちゃんの吐息。梵天を突き抜けてきているのか、少しくすぐったい。

逃げられないように抱かれたまま、私も眠るのであった。


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