「前鬼様っ〜!」
「前鬼様っ〜!」
弾むような声で後鬼ちゃんが私の背後から手を伸ばしてくる。
「えっ、何っ?」
伸ばしてきた両手はそれぞれ私の服の袖を正確に通り、あっという間に脇に達する。
その手は、子供を持ち上げる様に脇に食い込む。
振り解こうにも、しっかりと掴む手がそれを許さない。
同時に、通された腕は私の腕の自由を奪う。
後鬼ちゃんにいとも簡単に持ち上げられた私。
不安定な身体を支えるように、私は後鬼ちゃんの腕を力なく握る。
あと私にできることは、精一杯つま先立ちで抵抗するだった。
「うぅ…」
脇と胸のあたりがくすぐったい。
足が震える度に後鬼ちゃんの手が私の身体を擦るのだ。
それどころか逃げようと身体を動かしてもくすぐったい。
的確に私の敏感な柔肌に添えられた指はそれだけで脅威だ。
「あっ…」
支えている手が私の身体を揺すってくる。何度ももどかしい感覚襲ってくる。
その度に声を漏らしてしまう。
「どうしたんですか?」
背後の後鬼ちゃんの顔を確認できないが、間違いなく妖々しく笑っているだろう。
何か悪いことをしたのだろうか、それとも単なる触れ合いか。そんなことどうでもいい。
逃げることも何もできない私は、ただ弱く鋭い刺激に身体を震わせるだけだった……
突如本格的なくすぐりが始まる。思わず何度も声を上げてしまう。
「いやー!」
叫んでも一向に止まないどころか、刺激が更に加速する……
「許して~」
「どうして謝るのですか?」
自分でもどうして謝ったのか分からない。ただただ、この刺激から逃れたいだけだ。




