「後鬼ちゃん、寒い~っ!」
「後鬼ちゃん、寒い~っ!」
庭で遊んでいた前鬼様が帰ってくる。
今日も寒いのに薄着で、しかも湿っている。
ここのところ、珍しく雪が積もる程降り続いている。
初めて積もった雪にはしゃぐ前鬼様。実のところ私も楽しい。
初日は一緒に遊んでいたのだが、続けて数日は流石に飽きる。
連日、寒さの限界まで遊ぶ前鬼様のために、風呂に湯を溜めておく。
それと忘れないように温かくて甘い甘酒を用意する。
玄関で服を脱ぎ捨てた前鬼様は一目散に浴室へと駆け込む。
服を片付け、甘酒を盆に載せて浴室へと向かう。
「温か~い!甘~い!」
ちびちびと少し熱いぐらいの甘酒を飲む前鬼様。
温かい飲み物を飲むときの仕草は本当に可愛らしい。
飲みながら肩までひたひたと湯に浸かっている。
髪まで浸っているのに気付き、慌てて束ね上げる。
「温まったら教えて下さいね」
「は~い」
飲み終えた器を回収してから私は浴室を後にする。
前鬼様が呼ぶまで、私は余った甘酒をちびちびと飲む。
外で遊んでいなくとも、十分に至福の一杯である。
今日は呼び声の前に、全部飲み終えてしまった。
なかなか声が聞こえないので気になり始める。
そこで、確認しに行くと湯船の中で気持ちよさそうに眠っていた。




