「前鬼様、ありがとうございます」
「前鬼様、ありがとうございます」
「後鬼ちゃんも、ありがとね」
今日は贈り物の日、そういうわけで贈り物を交換する。
主と従の関係。何を贈ると後鬼ちゃんが喜ぶかな。
何を贈るか迷った私は後鬼ちゃんとある約束を決めた。
それは、贈った本人が嬉しいもの、という条件。
つまり、贈り物で相手に何かをして貰うことが贈り物である。
こうすることで、贈るものを簡単に考えることができた。
そして、件の私の贈り物はと言うと……
「何でしょうか」
後鬼ちゃんが開けた箱には調理器具が幾つか入っている。
「お菓子作り、ですか」
「正解!」
調理器具と言ってもお菓子作りの為の器具ばかりを取り寄せた。
尤も、普段の調理も楽になる器具も用意している。
「策士ですね、前鬼様。ありがとうございます」
「お菓子、よろしくね」
「では、その前に私の贈り物を見ていただけますか」
どういうことだろう、と考えながら箱を開ける。
幾つかの布切れの様なものが丁寧に折り畳まれていた。
「服、かな?」
「当たりです」
これは着なければならない流れ、と悟り衣服を脱ぎ始める。
どうも異国の服装らしく後鬼ちゃんは慣れない手つきで着付けてくる。
軽く、ひらひらと柔らかい布。腰周りの布はきつく締められる。
腰回りと裏腹に両肩は空気に曝されており、少し肌寒い。
軽い服装が好きな私としては、かなり好きな服装だ。
腰回りの帯のきつさは後鬼ちゃんに締め付けられている様で気持ちがいい。
「お菓子作りの件ですが」
そこで話が戻る。座った後鬼ちゃんが手でポンポンと招いてくる。
座ると曝された肩をより一層目立つ様に、剥かれる様に抱き着かれた。
「後で作ってあげますからね」
「う、うん」
そのまま、髪をすんすんと嗅がれたり、ぎゅーと抱き着かれたり。
反抗しようとしても、「お菓子」の一言で黙らされる。
体中を舐め回すように弄んだ後鬼ちゃんは私以上の策士だ。




