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「後鬼ちゃん~眠い~」

「後鬼ちゃん~眠い~」

「もう、早く起きてください!」

布団から出るのが辛くなるこの季節、前鬼様はなかなか起きてこない。

しかたがないので私は凍えるような水に手を浸してくる。

手から痛みにも似た凍るような感覚が伝わる。

そして前鬼様の前に立つ。

「前鬼様、起きてください」

「ぐぅ~、ぐぅ~」

可愛らしい声で狸寝入りを決め込む前鬼様に、布団の中に進入する。

「えへ~、暖かいでしょう~」

嬉しそうな顔で前鬼様が言い終わる前に私はこの冷えきった手を背中の中に入れる。

「つめ、たいっ!」

暴れる前鬼様に追い打ちをかけるように、腋、臍、尻、太腿、次々に手を入れていく。

「やめてっ!」

布団から逃れようとした前鬼様、それが正解なのだがつい捕まえて更に追い打ちをかける。

段々と悲鳴にも似た声を上げ始めた前鬼様を弄び続ける。

手が温くなった頃には、前鬼様は完全に目が覚めたようだが、その機嫌は最悪だった。


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