「前鬼様ぁ?」
「前鬼様ぁ?」
私は後鬼ちゃんから全力で逃げる。広い別荘の中を走り回り隠れる場所を探していた。
さっき見た時、後鬼ちゃんの顔は真っ赤だった。お酒を飲んだのだ。
元に戻るまで、あるいは眠るまで捕まらない様に逃げなければならない。捕まれば何をされるか分からない。
隠れている部屋に近づかれそうになったら急いで別の部屋へと逃げて隠れる。
時間を稼ぐだけで良い。何せうちは大きい、かくれんぼするには十分だった。
大分慣れてきた。目を離したうちに音を出さず息を潜めて逃げる。
何度も繰り返し大分時間を稼げた時の事だった。部屋に入る時にちょっと見られた。
「み~つけた!」
今から部屋を出て逃げても間に合わない。
私は急いで机の下に隠れると縮こまる。すぐに戸が開けられる。
「頭隠して何とかですね」
嬉しそうに鼻歌を流しながら足を引っ張られ捕まってしまう。
腕を捕まれ何もできずまな板の上の何とかだった。
「やっぱり…もう、眠い…」
しかし突然後鬼ちゃんが眠りながらのしかかってくる。
「後鬼ちゃん?」
どうやらもう限界だったのか、下から逃げる様に這い出す。
私には後鬼ちゃんを運べないのでとりあえず毛布を持ってくる事にした。
そしてさっきの部屋に入る。後鬼ちゃんがいない。
「さぁ遊びましょう!」
突如背後から抱きつかれ私には抗うことが出来なかった。
狸寝入りとはまさにこの事何だなと考えながら本当に後鬼ちゃんが眠るまで付き合わされた。




