「後鬼ちゃん~」
「後鬼ちゃん~」
「そろそろ寝ますか?」
「うん」
前鬼様が眠そうにしていたので寝室に向かう。
前鬼様は布団の中へともそもそと器用に潜り込んで行く。ちょっと面白い。私も明かりを小さくしてから布団を捲り中に入る。
「ふぅ」
前鬼様は一息置くとあっという間にすぅと寝息を立て眠り始める。
「可愛い」
寝息を立てる前鬼様の顔を見ていると癒される。
私ほどではないが長い髪は潜り込む時に置いていかれ扇状に広がっていた。流石にこのままだと寝癖が可哀想なことになるため私は前鬼様の髪を整える。
「さて」
寝るか遊ぶか、どちらにしようかな。今から眠るか前鬼様で遊んでから眠るか。
「よし、ちょっとだけ」
私は再び布団から上半身を乗り出し自分の髪を後ろへと流す。前鬼様の頬っぺたをつねる。鼻を摘まむ。温かい体温を感じながら私は癒される。
「まだ起きてるんだけど」
前鬼様は目を開け不機嫌そうに睨んでくる。
「少しぐらい良いじゃないですか」
「どういう理屈?」
「可愛いから?」
「むぅ」
前鬼様は拗ねた様に顔を赤らめる。
「やっぱり可愛い!」
思わず私は抱き付く。
「や、やめてぇ!」
「今日は一緒に寝ましょうね?」
おやすみなさい。