「前鬼様ぁ」
「前鬼様ぁ」
「何?」
「ちょっと賭けをしませんか?」
そう言ってテンションの高い後鬼ちゃんが手を出してくる。
「じゃんけんの一発勝負ですよ」
「うん、分かったよ」
私は気合いを入れて手に力を込める。
「ところで何を賭けるの?」
「そうですね、どうしよ?」
「考えてなかったの?」
「じゃあ私が勝ったら指をしゃぶらせて下さい」
「指?」
いや、負けたら悲惨な事に成るけど要は勝てば良い。
「前鬼様が勝ったら私のをしゃぶってね」
「いやっ、待って!それどっちも罰ゲームだよ」
「じゃんけんぽん!」
後鬼ちゃんが急に言うから私もそのまま手を出してしまう。後鬼ちゃんがちょきで、私がぱーだ。
「やったあ~」
「ちょっ!これ無効!そもそも賭けの内容おかしいし!」
反論していると後鬼ちゃんに押し倒される。
「前鬼様の負けですよ?私は賭けに勝ちましたから」
利き手を掴まれて、大概の抵抗は効かない、つまり諦めるしかない。
今思えば私は負けたのだ。後鬼ちゃんが賭けたのはじゃんけんの勝敗ではない。私が乗るか、手を出してしまうか、あいこで止めるか否か。だから勝ち負けの内容がああなのだ。
「うぅ」
「負けを認めたのですね、流石賢い前鬼様ぁ。それではいただきます」




