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「後鬼ちゃん、大丈夫? 」

「後鬼ちゃん、大丈夫? 」

「あい」

はい、と言おうとしたのだがうまく発音できなかった。そして正直な所、はっきりと大丈夫と言えるほど大丈夫でも無かった。


「熱っ! 」

先程熱いお茶をちびちびと飲もうとして舌の先を火傷してしまった。

直ぐに水で冷やしたためか、腫れたり膨れたりすることもなかった。

だが何と言っても……ひりひりする。これに尽きる。幸い冷やしている間はそう痛まないので、冷たい水を入れた湯呑みに、ずっと舌を浸している。

そんな私を前鬼様は心配の目で見ている。


「私、どうしたら……いい? 」

前鬼様が私に聞いてくる。正直な所、彼女にできることはない。もっとも、私も今は冷やすことしかできない。かと言って心配してくれる前鬼様に何か声を掛けないと……舌を湯呑みから出す。

「少しひりひりするだけですので、大丈夫です」

少しだけ彼女の顔が明るくなる。

「あ、もう冷やさなくても痛まないですね」

「よかったー」

私の声に彼女の顔がもっと明るくなる。私も合わせて、にっこりとする。


「うぅー」

やっぱりまだひりひりと痛む。また舌を湯呑みの中に入れる。

「えっ! 」

安心していた前鬼様の顔が、また心配の表情に包まれる。

「もう、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」

また舌を戻す。治ってきたとは言え、やっぱりひりひりは収まらない。


「むぅー」

心配しているのか、私に呆れたのか、前鬼様が私の背後で呻く。背中に抱きついてきて、頭を撫でられた。私がもう大丈夫ですよ、と口を開くまでずっとそうしてくれた。


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