「前鬼様」
幻の0話 (ほんとの1kb縛り)
「前鬼様」
夢の中で声が聞こえる。後鬼ちゃんが呼んでる。
「目が覚めましたか?」
目を擦ろうとしたが出来なかった。後ろ手に縛られついでに猿轡もされていた。
「ほひはん?」
「うふ、可愛い」
目の前には妖しく笑う後鬼ちゃんがいた。目が完全に赤くなっている。絶対美味しく頂かれる時の目だ。
「そう言えばその猿轡」
「?」
前屈みに近付いて胸元を見せつけてくる。
「私のさらしなの」
「へ?」
一瞬思考が停止したが私は直ぐに顔を赤らめる。
「もしかして汚い?私が嫌い?」
いきなり自虐的になるから私は咄嗟に顔を横に振ってしまう。
「そう、嬉しい。私が好きなのね」
「むぅ」
首を振れば再び自虐的になるので顔を赤らめる事しか出来なかった。
「さぁ目も隠しましょう」
後ろに回られ長いさらしで目隠しされる。
「あと鼻もね」
「ふぇ」
そのまま鼻の所にももう一周され後ろで結ばれた。
「ん」
呼吸と共に私を満たす甘い、甘い後鬼ちゃんの匂いに包まれる。どんどん顔が赤くなる。
「あぁ可愛い」
「むう」
暢気な感想に声をあげる。
「私はずっとここで見てます」
「へ」
「前鬼様、おやすみなさい」
後鬼ちゃんの声で私は諦める様にそのまま眠る。




