「後鬼ちゃん~」
「後鬼ちゃん~」
前鬼様が丸まった毛布の中から顔だけだして助けを呼んでいる。果たしてそれは意味があるのか。絡まって身動きが取れない、その毛布を私が軽く押さえて動けないようにしているからだ。
「面白いですね。転がったのは前鬼様ですよ」
前鬼様はある癖がある。寝ていると無意識だろうか毛布にまとわりつく様に転がる。動けなく成るように考えて毛布を動かすとそれに合わせて絡まる、実に楽しかった。
「むふ」
「足、伸ばせなくて辛い?」
両足ともおそらく正座に近い状態で指は腰のあたりにあるタオルケットに巻き込んでいるはずだ。
「手は伸ばせるもんね」
「嘘、動かせないでしょ」
「何で解るの~」
そんな些細な嘘に、私が考えたから、と笑って前鬼様の鼻を摘まむ、髪を弄る、ほっぺをつつく。
「ひゃめてよぉ」
鼻をつままれて変な声にくすくすしながら、今日は喉元が苛められないのかと残念がる。その代わり顔を弄ぶ事にする。
「や、やーめてぇ」
「顔だけ弄られて気持ち良い?」
顔を左右に振る前鬼様だが首すらまともに動かせない今は逃げられない、もっとも逃がす気もないけどね。
「ふゃ、くすぐったい」
顔中を私は自身の髪を使ってくすぐる。せっかく毛布とタオルケットで拘束したのだ、嫌がる可愛い前鬼様で思い切り癒されよう。




