009 チュートリアル進行中 『ガイドさん 困る』
すこーし短めです。
※ 4月23日付 日間ランキング一位!? ブックマークも3000に届きそう!? 何事だー!?
み、皆様に少しでも楽しんでいただけたら幸いで御座います。
『それでは、次は戦闘時に行なう魔法の行使に関して、ご説明をさせていただきます』
非常に手触りの良くなった尻尾を愛でつつニヤニヤしていると【ガイド】さんからお次の話題が飛び出します。
ついに来ました魔法! 魔法ですよ!
ファンタジーの醍醐味の一つといえば、恐らく上位に食い込むであろう魔法!
お星様を飛ばしたり、ホウキで空を飛んだりです!
変身ー……するのは魔法? なのだろうか。アニメ的には魔法かな?
『魔法は大まかに三種に分類することが出来ます。まず、魔物に様々なダメージ効果を与える攻撃魔法、プレイヤーや魔物に様々な特殊効果を与える支援魔法、受けた肉体的、精神的ダメージの回復など身体を良好な状態に保つ回復魔法。こちら三種が代表的な物になります』
「攻撃魔法、というのはある程度内容が想像できるのですが、なんというか、例えば魔物に毒を食らえ! とか痺れろー! という風に、悪い影響を与えるのは攻撃魔法なのでしょうか?」
『とても良い質問です。プレイヤーや魔物に悪影響を及ぼす物も、ゲーム内ルールによりますと【特殊効果を与える】という認識がなされておりますので、毒液のようなダメージに繋がる魔法でも、支援魔法の枠組みにはいるのです』
「ほほぅ、魔法の道は中々奥深いですねー」
味方を強くする魔法も敵を弱くしたりする魔法も支援、つまり支えて応援するための魔法! ってなるんだね。
でも、一人でプレイしてる私には必要ないのかな。支援魔法。物作りにも効果あるかな?
『ではまず、第一項目である攻撃魔法ですが、属性ごとにスキルが分かれておりまして多種多様な属性を行使しようと画策いたしますと、多量の習得Pが必要となります』
「火を出したり水を出したり、ってするのに個別でスキルが必要なんですね」
『はい。火を飛ばすのなら【魔法 火】のスキル、水を噴出させるには【魔法 水】のスキルを習得する必要がありますね。ランク1では火の玉や水の塊を飛ばすような小規模の魔法しか発動できませんが、スキルを繰り返し使用しスキルのランクが上がりますと、各属性に設定されております上位の攻撃魔法を行使することが出来るようになります』
なるほど、一括で【攻撃魔法】っていうスキルがあるわけじゃないんだね。
【基礎 棒スキル】の棒の所が変化してるから、装備する武器=使いたい魔法の種類、っていう風に考えれば判りやすい。
狐人だったらやっぱり火魔法で狐火! とか、やったほうが和風な妖怪的雰囲気があって良いのかな? あ、水の魔法で雨とか降らせて、これは狐の嫁入りだな! なんていうのもありなのかな?
嫁入りはしないですけどね? イメージ優先で。
「例えば火の玉を飛ばすだけじゃなくて、手元に浮かばせて明かりにするとか、薪に火をつけるとか、水に突っ込んでお湯を沸かすとか、攻撃に使う以外の行動もできるんでしょうか?」
『はい、攻撃魔法と銘打ってはおりますが、火の玉を出現させるアクティブスキル【火球】の基本構造は火の燃焼効果を維持しつつ球状に固定、後に射出という二段階の現象をセットにしているだけですので。固定したままでいれば照明に。固定して薪に接触させれば火種に。逆向きに設置して水に押し込めば水の温度上昇に活用できます』
「おー、魔法一つでもすごい便利ですねー!」
なんというか絶対に戦闘とかだと使ってる暇ないだろう! って言われそうですが、凄い取得してみたくなってきた、魔法を! 思わず倒置法!
でも生産スキルがどれくらいの種類があって、習得Pもいくつ消費するのかまだ判らないし。
とりあえず予定は未定でいきましょうか。
『次に支援魔法ですが、こちらは先ほど質問にあったような毒や麻痺など敵の行動を阻害するもの、他には自分や他プレイヤーの身体能力を一時的に向上させるようなものが存在いたします。例外的なものと致しまして、武器や防具、アクセサリなどの装備品に向かって使用するものもございます』
「い、一番ボール君にかけたら強くなりますか?」
装備品、とはいえない可能性が高い一番ボール君、彼に効果があるのかどうか!
果たしてその質問の答えは!
『一番ボール君の等級は【伝説級】ですので、支援、阻害両方に対して完全無効設定が成されております』
「のぞみがたたれたぁー!?」
流石は一品物のスーパーレア、一番ボール君だ。そういう所まで凄いんですね。
チョット期待したのに。がっくり。
でも……支援魔法は自分にも使用できるって言ってたし、器用さをあげる魔法とか良いんじゃないかな!? と思って【ガイド】さんに質問をしてみたのですが、珍しく数秒沈黙した後に何故かこのような返答が。
『突然ですが、生産行動時にステータスの値が成功判定に適応されるタイミングを解説させていただきます』
「あ、了解です」
ん? あれ? なんだか【ガイド】さんの声にちょっぴり元気が無くなっているような気がするぞ? 先ほどまで淡々と詳しく説明してくれていたのに、どうしたんだろう。
『器用さを要求される生産品を作成する際、完成時の判定で参照されるステータスの値は、生産開始時と生産中と生産終了時。この三度のタイミングで最も【低い値】なのです』
うんうん、そりゃまぁ物を作っている最中になにかしらの理由で、一瞬だけ「うおー、俺は今猛烈に手先が器用だぜー!」ってなったら凄いアイテムできた! って流石にならないよね。全体で判断してるんだね。
『それで、あの、非常に申し上げにくいのですが、支援魔法は効果が非常に強力な反面、戦闘行動中に使用する事を想定して設定されておりまして、効果時間のほうが、いささか、生産中に使用するには短くて、ですね?』
「あっはい! もう何と言いますかスッゴイ了解いたしました!」
眉毛が八の字になって困り顔のバスガイドさんの顔が頭に浮かんだ。
すみません聞いた私が悪いんです!