087 世界の果て と 魔の域
掲示板に張り付くフワモさん。
その後、ゲーム内での掲示板使用について色々と試してみようと思ったのですが、掲示板メニューを開いた際に一緒に表示された説明文があったので、まずは其方に目を通してみる事にしました。
基本的な使い方はゲーム外と大差ないようですが、連続で書き込む事に対して制限が設けられている、と書いてありました。
体感速度2倍のゲーム内からドバっと書き込まれたりしたら、現実のほうで凄い事になっちゃいそうですもんね。
そんな風にメニュー板に顔を寄せて文章と睨めっこしていた私の横で、待ち合わせていた人と無事合流できた様子の女の子グループが、挨拶を交わしつつワイワイ良いながらパーティを結成していました。
女三人寄れば姦しい、という感じですね。
皆さん慣れた様子でメニュー操作をしてそのまま出発されていきます。
やっぱり他のVRゲームとかをプレイした事のある方々なのでしょうか。
そもそも箱庭ゲームである【ふわもこファーム】プレイヤーである私に、何でこのゲームの運営会社からの招待メールが届いたのか、その辺りがちょっと疑問なのですよね。
何かしらの選別方法が有ったのでは、と思うのですけれど……何をどう考えたとしても場違い感が。
そのうち何かしら理由が判明する事も有るかもしれません。
現状このゲームを物凄く楽しめているので、メールをくれた運営さんには感謝です。
そんな事も思いつつ、何となくですが掲示板の一番最初の方に表示されているスレッドに目を向けます。
そこに書かれていたのは、来週月曜日に予定されているアップデートの内容を予想してみよう!
といった内容です。皆さん楽しみなのでしょうね。
その次のスレッド内容がちょっと面白そうな感じだったので、思わずクリックしてしまいました。
表題が『世界の果てを目指してみた』という物で。
何やら世界の果て? を目指して、ゲーム開始直後から延々と一方向へ進み続けている人がいるらしいのですが、何やら透明な壁の様な物に突き当たって、一応そこを超えて先に行ける感じだけど、進もうとその先に足を踏み入れたら警告文が表示されたんだが、といった内容が書き記されていました。
『警告内容をうpれ』とか『ファンタジー伊能忠敬乙』とか様々な書き込みがありましたが、私もその内容が気になったので、軽く流し読みをしつつ書き込みを下のほうにスクロールさせます。
その後、ページを更新するとまさにリアルタイムで書き込みが増えて……
待望のスレを立てた方の書き込みがそこに含まれていました。
それは『警告文を模写してうpる』といった書き込みで。
その後に続く文章には何やら聞き覚えのある不穏な単語が含まれていました。
『この先 女神の加護届かぬ【魔の域】 進入する場合は覚悟せよ』
……【魔の域】ってガルドスさんが言ってた超危険区域だよね……?
その後、書き込みをした方が『実験の為に吶喊する。皆の衆、オサラバ!』と書き込みを残して皆さんに応援されていました。私も心の中でガッツポーズをしつつ声援を送ります。頑張れ、頑張れ!
その後、10分程は皆さんの予想コメント等の雑談でスレッドが進み、乙ったかな、コレは死にましたな、等の書き込みがパラパラと増えていき始め……
私も思わず掲示板の動向を睨み付ける感じで続きを待ってしまいます。気になるぅ……
そんな感じで噴水脇に座ってメニューを開き、経過を見守っていたのですが……
続きが書き込まれたのはそれから更に5分後くらい後でした。
まず短く一言『ムリゲーゾーンだった』という書き込みから始まり。
巨大なヘビやオオカミのような魔物や虫の大群、極め付けにはドラゴンに遭遇したという事です。
もちろん生き残る事は出来ずに、もれなく【死に戻り】したとの事。
しかも【魔の域】内部ではメニューが開けないらしく、アイテムボックスが使えない状態だったとの事でした。救いなのは魔法や武器スキルは効果がある模様で、吶喊なさった方は魔法で逃げ足を強化して限界まで突き進んだらしいです。
最後は巨大なドラゴンに阻まれてブレスでやられたとの事。
うへぇ、ドラゴンとか出来れば今後も絶対出会いたくないですね。
そしてココからがまた大変で、なんと【死に戻り】した先は何もない真っ白い空間で、ご丁寧に椅子とテーブルが置いてあったらしいです。
アバターを作成した空間に似ていたというコメントが書き込まれていました。
そしてとりあえず椅子に座った辺りで目の前にまた文章が表示されたらしく、その内容が『祝福区域外でのアバター破壊を確認』といった物だったとか。
表示されるメッセージの続きを読んで、逐一書き込んでくれるスレッドの主さんに、皆さんから賛辞の嵐が叩きつけられておりました。
何やら話を要約すると、祝福が無い場所で【死に戻り】をしてしまうとアバターが破壊? されてしまうらしく、復帰に時間が掛かるという感じのようです。
今は魂だけの状態、ということで白い空間で30分程待つことで復帰が可能だとか?
しっかりとタイマーが表示されているらしく、ログアウトしてると時間が進まないとか。
……うわー物凄い面倒そうだぁ
メニューは開けるらしく、そこから掲示板に書き込んでいるという事でした。
スレッドの〆のほうに『みんなは警告がでたらちゃんと守るんだゾ!』という書き込みが。
貴重な情報ありがとう御座いました。
流石に北の山脈地帯に行く予定とは言え、そこまで遠出するつもりはありませんけれど……
知っているといないでは全く違いますからね。
【魔の域】と云うのはイメージで言うとハードモードな場所って事でしょうか。
アイテムボックスを使えない状態でいかに戦闘していくか、という事になるわけですからね。
そのうち鼻歌交じりで攻略してしまう人とかも現れたりするのでしょうか……っていうかドラゴンってこのカイムさんから貰ったベルトの素材じゃなかったでしたっけ!?
えええ、カイムさんそんな所に現れる魔物の素材とか取れちゃう位の人だったの!?
どうも初対面時のイメージが抜け切らなくて、そういう英雄然とした感じの想像が出来ないです……
って、いかんいかーん! 掲示板読んでたら時間が幾ら有っても足りない!
時間泥棒過ぎるよ! 掲示板が憎い! でも楽しくて好き!
さあ、ぼーっとしてないでログアウトしてチョット休まないと!
その前に軽くお勉強して、お買い物にも行かないと駄目かな。
激しい人の出入りがある噴水前をちょっと離れ、露店が立ち並ぶ路肩周辺まで移動した私はログアウトを選択してゲームから離脱する。
大分ログインログアウト時の負荷にも慣れて来た感じがします。
反復行動で適応していきましょう。
その後、軽く勉強を済ませた私は、予定にあった買い物に行く前に軽い眠気に襲われ……
その誘惑に負けて、お布団に飛び込んでしまうのでありました。合掌。
先ほど確認したら、ブックマークが9000突破しておりビビるワタシ。何故増えたし。
PVも400万を突破しておりました。ぬふぅ。
これからもノンビリと書いて行きますので、息抜き程度に目を通して頂ければ。
書きたいエピソードも色々ありますので、そこまで頑張って進めませんと。
プレイヤーの知り合いが出来る場面とか。
早くフワモさんのボッチを解消してあげたい(切実
……え? 生産で凄い要素は何処だ? ……い、一応伏線的な物は存在しております。一応……




