表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/256

008 チュートリアル進行中 『気の利くガイドさん』

八話にして、いまだチュートリアル。

いつの間にかブックマークが1000人を突破しており驚愕。ガクブル。

が、頑張りますのでよろしくお願いします。

『では、戦闘行為に関してのご質問もございましたので、主に戦闘に効果を及ぼすスキル群に関してご説明をさせていただきます』


 今日出会ったばかりだが、戦闘の基本を私に教えてくれた宿敵(とも)であるカカシ君を眺めつつ、まだ見ぬ魔物との戦闘に不安を抱いていると、【ガイド】さんからスキルによる戦闘訓練のお達しが告げられました。


 恐らく先ほど仰っていた「システムによる補正」っていうのが受けれるスキルですね!


『戦闘関連のスキルは大きく分けて二つの種類ございます。一つは戦闘行動に特定の武器を使用した際、システムの補正を受けることができるようになるために必要な武器基礎スキルです』

「さっき私がカカシをポコポコ叩いていたときの使いやすい棒だと、どんなスキルを取れば良いんでしょう?」

『先ほどの武器はそのまま【棒】カテゴリに分類されますので【基礎 棒スキル】が対応されたスキルになりますね。ちなみに使いやすい棒のアイテム名は【練習用打撃棒】です』


 ふむふむ、つまり剣を使うときは剣のスキル、槍を使うときは槍のスキルみたいに基礎から積んでいかないとダメなんだね。

 さっきの【練習用打撃棒】使いやすかったし、使う武器は棒にしてみようかな?

 剣とかと違って間違って指とか切らなくて済みそうだし、大きさもあまり大きいと邪魔になりそうだもんね。


『それでは、先ほど使った棒を再度召喚いたしますのでカカシの前へと移動してください。スキルの仮取得システムを使用してフワモ様にスキルを付与いたしましたので、スキル取得後の攻撃感覚を確かめてみましょう』


 【ガイド】さんの言葉とともに例の棒が右手にスポリと収まる。


 待っていたぜ相棒。あ、駄洒落じゃないですよ?


 ささっとカカシ前に移動した私は、先ほどと同じように棒を振り上げ、目の前の宿敵(とも)を強打する。前回叩いたときに出ていたような軽い音は発生せず『パカン!』と甲高い音が響きます。


 手応え有り!


 飛び出した数字は初の2桁、1が二つ並びで11です。スキルがない状態のほぼ倍かな?


『いかがですか? スキルのシステム補正の効果は繰り出された攻撃の軌道最適化、反動や戻り動作の軽減、全体の高速化などが含まれております』

「さっきより軽い動作で強い打撃が出来たような気がします!」

『では【基礎 棒スキル】ランク1で使用できるアクティブスキルをつかってもう一度カカシを攻撃してみましょう』


 縦方向横方向にブンブンと棒を振り回して、スキルの恩恵というありがたーい感覚をかみ締めていた私の耳に、何やら聞きなれない言葉が。


 あ、いま耳うごいたかも! コツがわからぬぅ!


「アクティブスキルというのは一体なんでしょう? あと使用するにはどうしたら?」

『アクティブスキルは判りやすく説明しますと、ヒーローの『必殺技』のような位置付けの物になります』

「必殺技!」


 フラフラの悪の怪人に止めを刺したり、一般人が危ない所に割って入って悪の幹部に大きいダメージを与えたり、クライマックスでヒーローが使ってピンチをチャンス! にする技ですね! 感慨深いですね。

 でも言っては悪いですが、この何の変哲もない棒がそんな威力を発揮するのでしょうか?


 いや、信じるんだ私。相棒のパゥワーを。というか手で殴るよりは絶対強いもんね。


『それでは、実際にアクティブスキルを使用してみましょう。棒ランク1スキルですので『強打』と言葉で宣言してカカシを攻撃してみてください。発動の際に、スキルを使用して攻撃する! という明確な意思が必要になりますのでご注意ください。意思のないスキル発動コールは単なる台詞ですので』

「『強打』ですね、わかりました!」


 『強打』っていう事は、その名の通り強く打撃する! っていう意味で良いんだよね。

 イメージしやすいから楽だ。ガンガン殴るよー!


【ガイド】さんの説明を受けつつ『強打』の言葉を宣言、思いっきり叩く! という意思を持ってカカシを殴りつけます。


 ほんのりと赤い発光? が発生して数字がポーン! 20です!

 良い威力ではないか。ふふふ。


『アクティブスキル使用の際にはスタミナを消費します。戦闘中にスタミナが切れますと行動にペナルティが発生いたしますので、無茶な乱発は危険だということを念頭に置いて、ご利用になってください』

「アクティブスキル以外ではスタミナは減らないんですか?」

『いいえ、戦闘行動を継続しているかぎり、微弱ではありますがスタミナを消費し続けることになります。戦闘時以外ならば時間経過によって回復していきますので、折を見て休憩などを挟むことを私としてはお勧めいたします』

「戦闘中にスタミナは一切回復しないんですか?」

『回復薬の使用や魔法、戦線から一定の距離を取る事によって発生する『休息効果』を利用する事によって、戦闘中もスタミナを回復させる事が可能です』

「ふむふむ」


 こう、ファンタジー映画とかで魔物と戦闘してたりするタイミングで、ダメだもたねぇ! 大丈夫か、俺がひきうける、オマエは休め! っていうのが実際出来るわけですね。


 まぁあれです、一緒にゲームプレイするお友達いないのであまり関係ないんですけど。


 言っててチョット寂しくなってきました。尻尾もふもふしよう。


『ではもう一つの戦闘関連スキルをご説明いたします。こちらは身体能力を向上させるスキルで、取得することによって対応したステータスが強化され、戦闘のみならず他の行動への恩恵も発生いたします』

「アバター作成のときに設定したステータスボーナスとは違うのでしょうか?」

『ステータスボーナスはフワモ様のアバターが『先天的』に所持していた能力として認識されております。ですが、習得Pを消費し、スキルとして取得する身体能力向上スキルは『訓練や生活環境』によって取得された『後天的』能力という認識になります』


 厳しい訓練の賜物で手に入る、っていうやつですか。

 運動の部活とか頑張っているクラスメートと一緒ですね。


 現実と違うのはそういう『能力』という物体では無い物でも、身につける物と一緒で簡単に付けたり取り外ししたり出来ちゃう、という事でしょうか。


 あとポイント使ってパパっとゲット! って言う所もですね。


 ワタクシ的には非常に楽で助かります。運動苦手なのです。尻尾もふもふ。


『身体能力向上スキルの一例として、身体を丈夫にする効果のある【頑強】を取得致しますと、スタミナの消費の軽減や回復速度の微増加、魔物からの攻撃によるダメージの軽減、身につける装備の重量の最大値の増加や毒、麻痺、めまいなど、数多くの状態異常に対する耐性も上がります。オマケで町の移動速度が微上昇する効果も付与されておりますね』

「ふわぁ、【頑強】一個だけで凄い色々な効果があるんですねぇ」


 私に【頑強】っていうイメージがまったく合わないと思うのですが、お話を聞いていると何故だか取得したくなってくる不思議。

 通販番組かな? 売込みがうまいですね。もふもふ。


『他にも様々な身体能力向上スキルがございますが、身体向上スキルの欠点と致しまして、一つはアクティブスキルが存在しない事、もう一つは複数の身体能力向上スキルを取得する場合、二つ目以降のスキル効果が大幅に減ってしまいます』

「なるほど、つまりマッチョで頑丈で早くて頭が良くて細かい事ができる凄すぎる男! みたいなスーパー冒険者にはなれないって言うことですね」

『そういうことになりますね。二つ目のスキルの能力は25%適応まで激減いたします。三つ目ともなると5%程しか効果が現れなくなりますので取得はお勧めできません』

「なるべく系統のあっているスキルで、大体2個までで止めておきましょう、ってことですね!」

『他に方法としては、状況や対応する事柄によってスキルを入れ替える事で、様々なケースに対応する事が可能になりますが。問題は習得Pとスキルを成長させる時間が大量に必要になることですね』


 うーん、最初の習得Pは20しかないし、そういう上級者! 熟練の冒険者! という感じのテクニカルなキャラクター育成は無理ですよね。

 私では上手く活用できないのが見え見えなのですよ。もふもふ。


『あの、フワモ様』

「あっはい、なんでしょう?」

『よろしければ非戦闘装備アイテムに『ふわふわブラシ』というものがあるのですが、特別に召喚してお貸し致しましょうか?』

「おお! 是非お願いします」


 そうして左手に現れたのは、程よいやわらかさのブラシです。


 な、なんと……尻尾もふもふしていたのを気にかけてくれていたのですか。


 有能AIさん達はホントに細かい所に気がついてくれますね。サービス精神もあるし!

 もう脳内【ガイド】さんが、左右に手を向けながら名所をご紹介している、バスガイドのイメージになってきた。名前からの連想。


 などと考えつつ尻尾へブラシを投入。


 うわぁ! このブラシ、数回のブラッシングで艶々のふわふわですよ!

 なにか特殊な効果があるアイテムなのかな? 絶対に後で購入せねばなりませぬ!


『ゲーム開始時にスタート地点となります『始まりの町』の雑貨店で販売しておりますので、ご入用でしたら是非お買い求めください』


 そう助言をくれる【ガイド】さん。

 うん……無表情系クール美人バスガイドお姉さんで、脳内想像完了です。


 よーし、あとで販売場所へ突入だ。

【ガイド】 さんの こうかんどが あがったぞ !

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ