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073 光るカード と 肉&肉

串焼きダブルソード!


サブタイトルをまた弄りました。

何時も通り適当ネーミングですが。

 入館者カードの返却も滞りなく終わりましたので、ペコリと頭を下げて、そそくさと表へ退散しようと回れ右をしてさあ行こう! と思ったのですが。


 ウサギ耳の司書さんが左手で私の肩をフンワリと掴んできて、一歩目から足止めされてしまいました。


 うん? はて、何かカウンターでやり忘れた事でもありましたでしょうか?

 私が疑問を顔に浮かべつつ振り返りますと、ウサギ耳の司書さんが私の肩から手を離して、ニンマリと笑いながら、チョイチョイと左手の指先だけを曲げる感じで、手招きをしておられました。


 なんだろうか、一々仕草が独特で気になる……お姉さんの魅力に洗脳されてきたのか!?

 ウサギカワイイデス。


 何か私に御用事の様なのでカウンターへ向き直りますと、ウサギ耳の司書さんが右手でなにやら一枚の紙でできたカード……ぱっと見は名刺ぽい作りです……の様な物を私にスルーっと差し出してきました。

 コレは……受け取れば良いのでしょうか。


 差し出されているのなら仕方ありません。

 取り合えず、そのカードを両手で大事に受け取りますと、私の接触に反応した様にフワリと紙のカードが光りました。一体なんでしょうか?


 光は1秒にも満たない時間で収まりましたが……これ何か魔法が掛かっているのでしょうかね。

 何かが記載されている以外はタダの紙みたいなのですけど……不思議です。


 紙のカードを受け取った私を見て、ゆっくりと一度頷いたウサギ耳の司書さん。

 事情の判らない私に向かって、紙カードを指差しながら何時もの調子で説明をして下さいました。


「次回ーご来館の時に そのカードを出して頂ければー入館料が割引になりますのでー どうぞどうぞーお持ちになってくださいなぁ」

「なるほど……ありがたく頂きます」


 つまりこの紙のカード、割引券の様な物みたいです。


 図書館で割引券配布ってなんだか面白いですね。

 改めてウサギ耳の司書さんに頭を下げると、今度こそ外へ出る為に出入り口の回転扉へと向かいます。

 歩いている最中に、右手に持っている紙のカードに記載されている内容を確認してみました。


 紙の一番上には『再入場者用チケット』と印刷がされており、その下にペンで書き記したと思われる文字で【ファルトゥラ=ティルワイア】というお名前? と何やら特徴的な模様が細かく絡み合っているハンコが名前の左右2箇所に捺印されておりました。

 何かの植物というかお花のハンコですね。


 裏返すと、紙の中央に青いインクかなにかで魔法陣っぽいものが描かれていました。

 これがさっき私がカードを受け取ったときに、ふんわり光を放った原因でしょうか。


 カードを眺めつつ、出入り口の回転扉を押し開いて表に出ます。


 空を見上げるとだいぶ日が高くなっていますね。

 知らないうちにお昼位になっていたみたいです。取り合えず串焼きをお腹に叩き込むべく、図書館出入り口脇にある円形状のベンチの様な物に腰を下ろします。


 石造りで頑丈そうですねこのベンチ。

 継ぎ目もないし、大きい石材をそのまま加工したのかな? 材質なんだろう。


 それでは、とアイテムボックスを開いて、先ほどいただいた紙のカードを仕舞いまして……現在残っている串焼き2本を一気に取り出しました。ふふふ……ダブル串焼き装備です!


 図書館周りには殆ど人が居ないようなので、落ち着いて食事できますね。

 一本目の串焼きにかぶりつきながら、のんびりとギルドが立ち並んでいる方面に視線を向けます。歩きながら何か食べてる人が結構見受けられますね。やっぱりお昼時なのでしょうか。もぐもぐ。


 一本目の串焼きを素早く撃破、2本目に取りかかります。

 そういえば食べた後に残った串をどうするか考えねばなりません。


 今朝食べた分の串もとりあえずアイテムボックスに突っ込んでおく、という遅延行為しか出来ておりませぬので。

 そうだ、アイテムの本を読んでちょっと気になったことがあるので、この串を利用して試してみる事にしましょう! もぐもぐ。


 2本目の串焼きも無事胃袋に詰め込み終わりましたので、早速実験です。


 本の内容で判ったのは『品質は破損度と連動している』という事です。

 そしてアイテムの必要部位が欠損すると『品質』が落ちるという事。つまりはこうすれば。


 3本纏めて串を持って、真ん中からベキリとへし折ります。

 私の予想通りならば串に『品質』が設定されているならアイテムとしての『品質』が半分以下になった筈ですので。


 つまりコレを数度繰り返せば……ポキポキ。


 1本を2本 2本を4本まで折った所で。

 3本の串は七色の光になって消えていきます……やった!


 やっぱり私の予想は大体正解だったみたいですね。

 数値的に『品質』が『破損度』の最大値? だとすると『品質』をワザと削っていけば、いずれそのアイテムは完全に壊れるってことですよね。

 装備品にも同じことが言えるでしょうから、修理は大切だという事が判ります。アイテム大事に。


 無茶しすぎると、着てる服とかもスポーンと弾け飛んでしまうという事ですからね!

 どんな手品ですかね。

 さて、ついでですので先ほど頂いたカードの詳細でも確認して見ましょうか。


=====================


 アイテム名 【再入場者用チケット】

 等級  特殊規格(エクストラ)

 品質 ☆☆☆

 破損度 問題無し

 属性 ※物品『物理』 ※加工不可 ※認証 ※紙『魔法紙』

 付加能力 ※色彩『白』 ※使用者限定『書換 不可』

 効果待機時間 1カウント

 詳細 承認者 【ファルトゥラ=ティルワイア】

    捺印済 有効期限 1年

    『はーい毎度ありぃーまたのご来店をー』

=====================


 ふむふむ? 内容的には私にだけ使える様になってるチケットって事でしょうかね。

 そして詳細の所に記載されている『承認者 【ファルトゥラ=ティルワイア】』っていうのは、カウンターでお仕事していたウサギ耳の司書お姉さんの事で宜しいのでしょうか。


 そして最後の一文の何たるやる気の無さ。

 思わず苦笑しちゃう位に脱力。スタイル的にはリスペクトしたい。


 さて、腹ごしらえも済みましたし出発いたしましょうか……と思ったタイミングでポン! という通知音と共に、目の前に唐突に現れた一枚のシステムメッセージ板。

 うん!? 何か不味い事でもしてしまいましたでしょうか!?


 ビックリして思わず飛び跳ねつつ後ずさり、という高等テクニックを披露してしまいましたよ。

 誰も見ていなかった事に胸をなでおろす位には無様。もー心臓に悪いですよ……


 一体何事か、と思いつつメッセージ内容を確認してみますと。


『長時間のプレイは健康を害しますので、適度にご休憩する事をお勧めします』という一文が書かれておりました。その下には『今後 この警告を表示しない はい いいえ』という選択肢付きで。


 ああ、これってアレですかね、一定時間連続してプレイしてたら表示されるとかですか?

 取り合えずは『はい』を選んでおきます。表示のオンオフが出来るという事は必ず必要な物ではないという事でしょう。


 むしろ戦闘中や先ほどの読書中みたいなタイミングで出てこられたら、それこそ逆に健康を害しますよ。


 至れり尽くせりもある意味困ったものです。

 変な所は不親切なのにねこのゲーム。


 こういうメッセージとか、必要無さそうでも表示させないと駄目! みたいな決まり事でもあるのでしょうか。ニュースでも稀に、VRゲームのプレイしすぎで誰々がどうした……みたいな事言っていたりしますものね。


 御忠告の通り、噴水前辺りに戻ったら一旦休憩でも挟みましょうか。


 その後はブラシを購入すべく雑貨屋さんを探す流れで。

 正確な場所は判りませんが、お店関連であれば看板なり何なり出てそうですし、何よりマップ拡大して確認すれば確実にお名前が載っている事でしょう。


 その後は、残った疑問を質問しにガルドスさんに突撃を敢行しましょう。

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