007 チュートリアル進行中 『カカシに無双?』
本日2本目でございます。ご意見を元に一話から六話までの投稿分に少々手を入れました。内容変更はございません。 ※ 4月21日付 ジャンル別日刊SFランキング1位・・・どうしてこうなった。ビビリな私めは恐縮するしかできませぬ。
『それではアバターネームやライフ等の消費変動パラメータ以外のメニュー項目についての説明をさせていただきます』
「はい、よろしくお願いしますー」
無事ゲーム内での初入手アイテムを手にいれることに成功し、やる気ゲージもりもり!
この戦利品(一方的にダメージを食らっただけですが)の取得可能オブジェクトへの変更は、ものの十秒程度で終了していました。
変更後にピカっと一瞬だけ輝いた一番ボール君、見た目的には何も変わっていませんが。
【ガイド】さんによると、空中に浮いて静止する必殺技は内蔵したままにしてくれたとか!
そしてなんと、ゲーム内で一つしか存在しない品物である【伝説級】という等級のアイテムだそうです。貴重品だからといって強いわけではないらしいですが。
良いのです良いのです。ナンバーワンよりオンリーワン。
『まず一番上の【アイテムボックス】の使用方法からご説明いたしますね。使い方は非常にシンプルで、メニュー欄の【アイテムボックス】という文字部分を指先で2度叩いてください』
「了解でーす、てりゃっ……おお?」
スッと右手の指でメニューをひらき、【アイテムボックス】の文字を中指の先でトトン、とプッシュするとメニューの横に2枚目の透明な板が出現しました。
その透明板の一番上に【初期装備箱】という文字と右側に数字の1が表示されています。
おお、これが『システマ』さんが仰っていた第一期ID作成者に配られるという、例のプレゼントアイテムですな!
『フワモ様は第一期プレイヤーですので、そちらの【初期装備箱】をお持ちですね。ではそのアイテムを取り出してみましょう。【初期装備箱】と書いてある部分を指先で2度叩いてみてください』
説明されたとおりに透明板をトトンと2回叩きます。
ピンっという甲高い音とともに目の前に見覚えのある箱が出現いたしました。
あれ、この箱も浮いておりますね?
『出現させたアイテムは、呼び出した直後から5秒間空中保持されます。制限時間が終わるとゲーム内重力に影響を受けるようになりますので、制限時間中に手で取得したり、台の上へ移動させたりしてください』
「えっわっとととっ」
【ガイド】さんの追加説明を聞いて、慌てて箱をガッシと両手で挟み込みます。
一辺が10センチくらいしかない正方形の箱なのですが、この中に装備が入ってるというのはなんとも不思議な現象ですね。
あけるとブワっっと展開されたりするのかな。この箱は再利用できないのかちょっと気になる。
『はい、無事アイテムを取り出すことができましたね』
「どんなに重そうなものでも最初は浮いて出てくるんですか? 例えばでっかい剣とか重そうな鎧とか」
『問題ありません。すべてのアイテムに対して取り出し猶予時間は適応されますのでご安心ください。たとえ、数トンはあろうかという岩石がアイテムボックスに収納されておりましても、取り出して5秒は浮いております』
つまり、でっかい岩でもアイテムボックスに収納成功すれば持ち運んで取り出して、浮いてる間に所定の場所にボコっと置いたり出来るんだね。
枯山水とか作れるんじゃないかな?
それか敵の頭上にスッっと静かに添えて攻撃したり!
まぁ私にはまず無理かな。場所的にも戦闘行動的にも。
『そちらの【初期装備箱】はチュートリアル終了後にご開封ください。開封の仕方はポーション使用と同一で、蓋にあたる色が白い面を2度指先で叩くだけですので』
大体のアイテムは指で2回トトンとやると、使ったり動かしたり指定したり出来る! っていうのがルールなのかな? ゲーム内に戻ったらいろんな物を突っついてみようかな? つんつん。
『では【初期装備箱】と【※ 一番ボール君 ※】をアイテムボックスに収納してみましょう。方法は二つありまして、一つは手に持ってアイテムリスト画面へと押し入れる方法です。この方法は手早く小さなものを収納する方法になります』
「こうかな? よいしょー!」
ぐりっと【初期装備箱】を現在何も表示されていないアイテムリスト画面に押し付けると、何の抵抗もなくスポっと内部に収納されました。
直後アイテムメニューに『【初期装備箱】1』の表示が復活! そのままの勢いで左腕で抱えてもっていた【※ 一番ボール君 ※】も収納!
『素晴らしいです。アイテム収納その1は滞りなく終了です。では二つ目のアイテム収納方法ですが、少々複雑なシステムでして……【プレイヤー及びそのPTメンバーが持ち上げた状態で保持しているアイテム】に対して、手のひらを接触させて【ボックス収納】と宣言することで完了します』
「うん? その持ち上げた状態というのは、例えばどんな感じなんでしょう?」
『判りやすく申しますと、町以外のフィールドやダンジョンなどに存在する殆どの設置オブジェクトは破壊、取得可能アイテムなのですが、先ほど説明にありました数トンの巨大な岩、こちらを収納するのには一度【プレイヤーの力】で持ち上げ一瞬なりとも保持しなければならない、という制限がございます』
「うへぇ、マッチョメンじゃないと無理なんですね」
重量挙げ世界チャンピオンなら楽勝だね!
まぁ腰とかやられちゃうんじゃないかな。
でもPTメンバーの協力も仰げるみたいだし、もうちょっと小さめな岩石相手なら力こそパワーで普通に行けちゃうんじゃないかな?
『では次のメニュー項目、スキルメニューの説明を開始いたします。先ほどと同じように【スキル】と表示されている所を指で2回叩いてください』
「はーいはいっとー♪」
メニュー動作だってもう慣れたものです。こうやって私もこのゲームの達人(?)になっていくのですね。基本は大事です。
先ほど開いたアイテムメニューと同じような透明板が出現しましたが、こちらには何も表示されていません。いや? 一番上に【習得P 20】という表示がありました。
「この【習得P】というのはなんでしょう?」
『はい、そちらに表示されております【習得P】の数値を消費して、様々な冒険や生産に役立つスキルを入手することが可能になっております』
「自分の好きな職業を決めて生活するようなものでしょうか?」
『その表現でおおよそ正解なのですが、このcompound world onlineでは生産をしながら戦闘をこなす事も可能です。その逆も然りですね。同時にセッティングできるスキルは10個ですが、取得の制限はありませんので、どうぞご安心ください』
「セッティング、というのはなんでしょう?」
『取得したスキルはスキルセット欄に装備しなければ活用する事ができません。スキルを10個以上取得する際にスキル欄の隣に『控えスキル欄』が追加表示されますので、そちらに現在は使用する予定のないスキルなどを、ドラッグして収納する事が可能です』
現実だと覚えた技能は付けたり外したり出来ないけど、このゲームだと武器とか服みたいに身につける物と同じで付けたり外したり出来るんだね。
戦うときは戦闘用のに交換したりするんだろうなぁ。
でもとりあえず生産一直線でいくつもりだし生産のスキルだけでいいよね? だ、大丈夫だよね?
「戦闘用のスキルがなくても戦ったりできるのでしょうか……」
『はい、ダメージを与える事は可能です。ですがシステムの補正をまったく受けることが出来ませんので、現実のフワモ様が武器をもって魔物と戦闘、という状況に酷似すると予想できます。現実での運動能力に自信がお有りでしたら挑戦してみてもよろしいかと』
「うわぁ、どうみても無理っぽい」
うん、あそこに佇んでるカカシ君が相手なら無双できるけどね!
ちくせう!
※ 主人公は普通のRPGゲームなら少し触った事がある、程度の知識しかもっておりません。