表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/256

063 腰に提げてた 証明書

 頂いた武器を腰に携帯しての移動……つまりそれはもう惜しげもなく、腰の部分に『安寧の女神様の神殿に関係のある者ですよー』と言う、判り易い証明書をぶら下げていた状態だったという事が判明。

 まったく、こういう事は事前に伝えておいてくれないと困るのですがカイムさん。


 まぁあのひとの事だから、こうなる事を知って居ながらも、面白がって私に説明しなかった可能性が少々、いや大分、いいえほぼ確定でありそうです。

 しかし、この事に関して突っ込むと負けな気がするので我慢。ぐぬぬ。


 悪い方で目立っていたわけではなく、どちらかといえば良い方? で目立っていた様なので、そこのところを考慮して、あまり強く言及するのは止めておきましょうかね。

 むしろ逆に喜びそうだしね……あのお爺さまは。


 でも、一々皆さんが反応してしまうような装備なのであれば、あまり見える所に提げていない方が宜しいような気がしてきたのですが。

 不安なのでメディカさんに如何したらいいか聞いていましょうか。


「それでしたら、あまり見える所に提げていない方が良いのでしょうか?」

「別に悪い事をしているわけじゃないし、あまり気にしないでも大丈夫だとおもうけれどねぇ 気になるのだったら、そうねぇ……視線に入りづらい場所に提げたり、聖印を隠してしまったらどうかしら?」


 メディカさんは私の質問を請けて、右手を頬に当てて首を傾げつつお答えくださいました。

 でも確か、神殿護衛騎士のアレイアさんは、それっぽい装備を持って居なかったような気がするのですが。聖印ってこの十字マークの上に横線3本のこれだよね。見落としてただけかなぁ?


 カイムさんから折角譲って頂いた物ですが、どうやって身につけるか少々考える時間を置きましょう。

 この棒は、握りの部分に聖印が刻まれているので、今まで使っていた木の棒のように、握りの部分に布なり何なりを巻きつければ恐らく問題なさそうかな?


 しかし、住民の方限定で目立ってしまうアイテムとは……

 プレイヤーさん達には影響ないでしょうから、その点はひとまず安心ですけど。

 ぱっと見た感じは白い棒だもんね。


 どこぞの身分を隠して漫遊している、ご隠居様の印籠みたいなノリなのだろうか。隠居のジジイポジションだったかカイムさん。


「とりあえず、一旦仕舞っておく事にします!」

「あらそう? それじゃ ポーションの査定を終わらせちゃいましょうねぇ」


 アイテムボックスを開いて、腰に提げてある【#03 懲戒必罰 ギランステルム】を収納、変わりに今まで使っていた【硬い木の棒】を提げておきます。

 この【聖騎士の帯刀ベルト】も色々な能力が付いていますが、こちらは目立っていなかった様なので、装備したままにして置きましょう。


 私がアレコレと身支度を整えておりますと、メディカさんのポーション査定が終了した様です。

 今朝のポーションの出来栄えはどうだったでしょうか。


「今日のポーションも全部売り物として出して、全く問題ない出来だったわぁ ありがとうねぇ」

「いえいえ! こちらこそ大量持込でお手数お掛けします!」

「ところで この付加能力の所にある不思議な効果は、どういう物か説明してもらえるかしら?」


 良かった、特に問題がある品物は無かったようです!

 ……と喜んでいたのですが、アイテム詳細を確認したときに記載されていた例の【※『●●●●』】という効果不明な付加能力の事を聞かれてしまいました。

 うう、やっぱりあの良くわからない一文は、何か品質に影響が有ったりするのでしょうか……


「あっあの……自分でも詳細がわからない物なのですけど……やっぱり駄目でしょうか……」

「あらぁそうなの? 私の見立てだと『危険性のある能力じゃない』という事は判明したのだけれど」


 ひええ、メディカさんでも判別できない物なのか……

 意図せずしてくっ付いてしまう物なので、どうにもならないのが困り物です。

 でも危険は無いっていう事は判るんですね、流石はメディカさん。


 でも本当にこの謎の能力って、何なんだろうね。困ったちゃんだなぁ。


 全てのアイテムを見直してくださった後にメディカさんが、お店で売り物として出しても問題ないと太鼓判を押して下さいました。その点は非常にありがたいです。

 作ったポーション全部使い物にならない状態だったら、と想像すると心が折れそうになります。

 

「じゃあ昨日と同じ通りに 全部買い取りさせてもらうわねぇ」

「はい、よろしくお願いします!」

「えーと ライフポーション全部で1200ゴールドに スタミナポーション37本で925ゴールド マナポーションが59本で1770ゴールド 締めて3895ゴールドね」


 メディカさんが、カウンター上でパチパチと計算機(あるんだ!?)を叩いて、私に合計金額を提示して下さいました。

 もちろん買い取り査定金額に異論など御座いませんので、提示していただいたそのお値段で買取していただく事に。


 計算機をカウンター下に仕舞ったメディカさんが、入れ替わりでお金を取り出し、カウンターの上に置いてあったトレイの中に並べて下さいます。


 ちょっと大きめの銀色をした硬貨が3枚と、それより少し小さくて真ん中に穴の開いた硬貨が1枚。

 他に見覚えのある物が何枚か。


 最初の二種類は始めてみる硬貨ですね。

 枚数で考えると、恐らくは1000ゴールド硬貨と500ゴールド硬貨かな?


「はい、枚数をちゃんと確かめてから 納めて頂戴ねぇ」

「はい! ありがとうございます!」

「買い取り査定の方は、ライフポーションが昨日と同じで20ゴールド スタミナポーションは1個25ゴールドで、マナポーションは一個30ゴールドよ」


 私がトレイ内の硬貨を確認していると、買い取り金額の方をメディカさんが説明して下さいました。

 なるほど、マナポーションが一番実入りが良いのか。でも採取できる数が厳しいですね。


 それにしても、このお金の重みですよ!

 思わず人差し指と親指で1000ゴールド硬貨? を摘み上げ、クルクル回転させながら、矯めつ眇めつ眺めてしまいました。


 恐らく表側? に描かれている抽象的な絵は恐らく男性だと思いますが、何処の何方なのか判りません。裏側に描かれている絵の中心に彫り込まれている女性は、恐らく安寧の女神様かな?

 神殿の女神像に非常に似ています。


「1000ゴールド硬貨が そんなに珍しいのかしら?」

「始めて見ました! 実は、諸事情により一文無しでこの町に来たもので……」

「あら! そんな事情があったのねぇ! これからもドンドンポーション持って来てもらって大丈夫だからねぇ 頑張ってちょうだいね!」


 メディカさんに温かい声援をいただく事となりました。

 うう、心に染み入ります。勿論頑張ってポーション作りますとも! この私にお任せください!


 頂いたお金を、早速完成したばかりのポーチへ収納いたします。

 一々アイテムボックスを開かなくても大丈夫なのは非常に楽で良いですね!



 あれ、でも取り出すときって如何すればいいんだろうか? ふたの部分を開いて中を覗き込んでみても、黒い空間が広がっているばかりで、お金が見えない。


 ううむ!? どうしよう? これはメディカさんに聞いてみたほうが良いかな?


「あのメディカさん! ちょっとお聞きしたいことが」

「あら、何か判らないことでもあったかしら?」

「魔法のポーチを自作して、いまここに身に付けてるんですが、ちょっと詳しい使い方がわからなくって」

「あら、自作したの! お店で買ったのなら店員さんに使い方を説明してもらえるんだけどねぇ」


 私が腰に装備しているポーチを見せながら質問すると、メディカさんは感心したような表情で数回頷いておりました。

 なるほど、祝福の冒険者だからいきなりスキル取得からの作成! って出来るけど。

 住民の皆様方なら、普通は誰かに教わりながら覚えて、作成して、っていう流れになるはずだものね。


 その点【習得P】を消費するだけで、いきなりスキルを使えるようになっちゃうプレイヤーだと、知識の偏りとか空白が出来ちゃうって事か。


 やっぱり、抜けた知識を補うために図書館へ向かうという選択を取った私の考えに、誤りは無かったという事が判明致しました! 熱い自画自賛。


 その後、メディカさんから魔法のポーチの使い方を教えてもらいました。

 入れた順番に1番2番と番号順に収納されて、手をポーチに入れる時に番号を思い浮かべるか、口に出しながら行うことで、そのアイテムを手にする事が出来るらしいです。ふむふむ。


 容量を超えて物を入れると、弾かれてしまうとの事。

 この自作ポーチは容量8種の筈でしたので、それ以上入れようとするとアウトという事ですか。


 あと、女神の加護を持っているプレイヤーだと、特定のワードを口にする事で、アイテムボックスと同様に、取り出したアイテムを空中保持状態で出現させる方法も可能だとか?


 その辺りも、後で詳しく図書館で調べてみましょうね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ