表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/256

057 ポーチ作成 『ミニゲーム』

 指先一つのワンタッチで、魔法のポーチを縫い縫い出来る喜びをかみ締めつつ、スキルメニュー欄に表示されている図形を参考に完成を目指して進めてゆきます。

 ペーパークラフト等で見かけるような、それっぽい展開図で縫い場所が表示されておりますので、私でもすぐに確認&認識する事が出来ました。


 これ、例えばポーチの形状設定をマニュアル作成で進める場合は、今まさに目の前に表示されているようなポーチの展開図も、全部自分の手で描かなければならないのでしょうか。


 中々の高等テクニック。VRゲーム内ではなく現実の方であれば、それ専用の展開プログラムか何かを利用して図の描画を代行出来そうな感じですけれど。

 その辺りの専門的知識関係は、普段からそういった物を使っている様な詳しい人ならば、まったく問題なく活用できるのでしょうかね。


 私は雑巾くらいしか自作できませんけど。得意科目です。

 布を縫うだけで完成する雑巾を、得意な物と表現してしまって良いのかは、判りませんですが。


 そんなこんなで、魔法のポーチ本体の作成が完了いたしました。

 このままだと色々と付属品と云うか何というか、足りないような気がするのですが……まぁ次の作業工程へと進んでみましょう。


 えーっと……出来上がった品を作業用マットの上へ置いてから再度メニューを開いて、ポーチ作成の作業工程を完了させる処理を行う、らしいですね。


 まぁ書いてある通りにポーチ置いて右上の魔法陣にマナを流し込んで見ましょう。


 おっと、そういえばこの指先にくっ付きっぱなしの光の糸って、如何したら良いのでしょうかね。もう一回金属の部分に触ったら消えるかな?

 糸が付着しっぱなしの右手人差し指を、先ほど触れた小さな金属板にもう一度接触させて見ます。

 うん、予想通りだったようで、プツリと糸が指先から切り離されました。

 もう一度触ると再度付着しましたので、突っつく度にオンオフ? 出来るようです。


 ちなみに糸の生成にマナを消費しているようで、マナのゲージが1割ほど減少しておりました。

 座ったままの作業ですので、縫っている最中も自然回復していた様ですから、実際はもっと減少しているのでしょう。


 魔法が苦手な種族だと、大量に縫うのは結構大変そうですね。


 この光の糸ではなく、実物の糸で縫いつけたりも可能なのでしょうかね。

 それかスタミナを消費して縫うとか。どうだろうか。


 一応の完成を見た魔法のポーチをマットの中央に設置し、右奥にあるメニュー呼び出し魔法陣に魔力を流し込みます。


 出現したメニュー上に、なんと3D描画で完成しているポーチの図案が浮かび上がっておりますよ!

 無駄に凝っていてすごい!

 この図を見るに、工程を完了させるとベルト部分や止め具等はサービス? でくっ付けてくれる様になっている見たいですね? 至れり尽くせり。


 そして、完成前のこの状態でも、一部の設定はまだ調整したり出来るようです。

 表示内容を見回していますと、先ほど表示されていなかった『作業完了』というボタンが、点滅しつつ活性化されているのが目に入りました。

 コレを押す事でこのアイテムは完成する、という事かな?


 んー、折角色々と変更が可能な様ですし、何か他の素材をマゼマゼして見ましょうかね?

 現在4種類所持している、各種属性石とか混ぜ込むと面白そうじゃないですかね!?


 こう、その属性にまつわる不可思議な特殊能力とか付くかも! 4種全部とかどうだろう?


 でも確か、大量に色々くっ付けようとすると、完成せずに壊れちゃう可能性がドンドン上昇する、見たいな感じの事を見たような記憶が……うん、やっぱり1種だけにしようかな。

 そうだ、止め具の辺りにアクセントでフンワリ【白ラビの尻尾】をくっ付けても良いかも!


 腰に手を伸ばせばモフっと出来る場所が! うん、我ながらいい案じゃないかな?


 魔法のポーチ完成を放置して、さっそく【白ラビの尻尾】の処理に入りましょう。

 もうちょっとだけ待っていておくれ、ポーチさん。


 アイテムの説明で、たしかなめし革と同じような工程を通せば、素材として使えるようになる。

 って書いてあったよね。

 コレはモフっとした球状の毛玉状態で最初から存在してるから、削ったりする工程は必要ないよね。となるとあの例の色がつく水に漬け込んで、暫く待てば良いのかな。


 アイテムボックスから【白ラビの尻尾】を取り出しますと、横にどけておいた、漬け込む時に使用する専用のトレイを持ち上げて、水飲み場へと向かいます。

 【白ラビの尻尾】を、水飲み場から下へ流れ落ちる水でモミモミっと洗いまして、専用トレイに放り込みますと、中に水を満たします。


 相変わらずトレイ内部に満たされた水が、キラキラと青く光って綺麗だね。


 暫く漬け込まないといけない筈ですので、トレイを持って中身を零さないよう注意しつつ、作業場と化した休憩場所へと帰還します。

 後は混ぜ込むつもりの属性石をどれにするか決めてしまいましょう。


 どの属性石をつけても面白そうでは有りますが、折角ですので自分が使える魔法の属性である、風の属性石を混ぜ込んでみようと思います! 水とか風って、何となく涼しげなイメージで良さそうですし。

 属性石の選択は終わりましたので、あとは 【白ラビの尻尾】加工のほうですね。


 トレイ内部でブクブクと泡立つ音を立てていた【白ラビの尻尾】の反応が止まっていますので、そろそろ排水しても大丈夫じゃないかな?


 トレイを両手で保持しつつ立ち上がりますと、青い水を水飲み場の排水溝に流し込んで捨てます。

 あとは尻尾を乾燥させたら、なめし作業は終了ですね。


 あー乾燥の壷が欲しい! すでに深刻な生産用スペース中毒です。便利さは毒か。


 何となく付近を見回してみたのですが、ちらほらと通行人の方が通りすがっている姿が見えます。

 ああ、そろそろ不審者的な扱いを受けそうで心臓ドキドキですね……


 昨日はラティアちゃんが一緒だったので、色々な意味でカモフラージュが効いていた、と云うか可愛らしさで緩和されていたというか。

 今現在、公共の場で絶賛怪しげな作業中の人物は私デス。


 とりあえず【白ラビの尻尾】の乾燥を促すべく、ブンブンと振って水気を飛ばす感じに動かしてみたり、ぽふぽふと手のひらでモフりまくってみたり。

 お、結構乾いてきている感じがする! 一応効果あるのかなコレ?

 布巾とか所持していれば、それで包んで揉みしだいて差し上げるのですが。


 そうだ、私ご自慢のこのフンワリ尻尾でモフリと包んでみてはどうだろうか!

 尻尾が湿気を吸ってしまうかもしれませんが、動いていれば乾くでしょう!


 早速尻尾をぐにっっと体の前に持ってきまして。ズボリと湿った【白ラビの尻尾】を突っ込んでモフってみます。お、コレは大分効果が高いのでは!

 見る見るうちに乾くぞ! 尻尾はちょっと萎びました。


 乾燥と同時に揉んでいた為でしょうか、【白ラビの尻尾】の柔らかさ度合いも、丁度いい具合になりましたよ。

 うむ、マイ尻尾イズ万能。

 湿気を少々吸ってしまった尻尾は、フリフリ左右に動かす事を意識することによって、しっかり乾かして参りましょう。


 それでは早速、作業用マットから糸を引っ張り出して、ポーチの止め具がつく部分に【白ラビの尻尾】を縫い付けます。

 うん、ふんわりワンポイント。結構可愛いじゃないですか。気に入りました!


 後はメニューの追加材料に、アイテムボックスから取り出しました【風の属性石 極小】をグリっと突っ込みますと。目の前に浮かんでいた3D描画ポーチ図の下に、追加の文章が出現しました。


 『図案上に出現する○マークを素早く指で突け!!  スタート 中止』


 ……んん!? 何かゲーム内でゲーム始まったよ!? アプリのミニゲームか何かですか!?


 と、とりあえず『スタート』をプッシュして工程を開始してみましょうか。


 3 2 1 とカウントダウンが始まった後、十円玉くらいの大きさの○が描画されているポーチの上に1秒置き位で出現し始めました。

 うわわ、これ結構大変だな!? だがこの手のミニゲームは得意なのですよ……

 ふふふ、私を舐めて貰っては困ります!

 『ふわもこファーム』でもこの手のミニゲームは大量にありまして、毎日プレイしまくって居たのですよ!

 主にクリア報酬である『メェ』の餌目当てで!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ