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056 ポーチ作成 『ストレスフリー』

お裁縫フワモさん。

 それでは早速、休憩場所のテーブルの上に設置しておりました【初心者用調薬キット】をアイテムボックスへお片づけしまして。

 魔法のポーチを作成するべく、入れ替わりで【初心者用革細工キット】を取り出します。

 これは前回の皮のなめし作業に使用した物ですが、あの時使った機材以外にも、何に使用するのかぱっと見て良く判らないものが幾つも存在いたします。


 この辺が、魔法のポーチその他の革細工品を作成するのに使用する道具なのでしょうか。


 とりあえず何時も通り【革細工】のスキル使用を宣言し、幾つか表示されている革細工品作成リストの項目の中から【魔法のポーチ】を選択いたします。さーてさて、一体どういう手順で作るのかな?

 こう見えて(?)家庭科のお裁縫授業はそこそこ苦手な分野ですので、ある程度簡単な方法だと助かるのですが。


 え? 得意な家庭科の授業内容はですって? ……まぁそれは聞かないで下さい。


 最初の工程を確認いたしますと、まずは材料である【なめし革】を取り出して、作業用マット? の上に置く、という感じらしいです。

 どれが作業用マットとやらなのか判りませんでしたが、50センチ程度の長さの巻物の様な物体が。チョコンと機材に紛れているのを発見しました。

 恐らくこれが作業用マットとやらでしょうか。

 平べったい厚みのある布? が、紐で丸めて纏められた物ですね。


 結び目を解いて広げてみると、横長の長方形の形状をした、まさしくマット! といった感じの敷物になりました。これ結構大きいな。


 とりあえず作業工程の指示通り、アイテムボックス内に確保しておいた【なめした ラビの毛皮】を3枚取り出して、設置したマットの上へ置きます。

 これで最初の準備は終わったのかな。さて、お次は如何するのでしょうか。


 えーと、作業用マットの角に描かれている魔法陣に魔力を流し込んで設定項目を開く、と。


 魔力の流し込みなら、先ほどマナポーションを作成した時に経験済みですので安心です。

 作業用マット全体を眺めるように視線を流してみると、私の座っている場所から見て右奥の辺りに、手のひらで隠れてしまう程度の大きさの、円形のゴチャっとした図形が描かれていました。コレが魔法陣でしょう。


 先ほど行った様に、手のひらを魔法陣に乗せて、むむむと念じてみます。


 数秒ほど経ったでしょうか、ピン♪ という音と共に作業用マット中央に透明なメニュー板が現れます。

 これが設定項目とやらでしょうか。内容を確認して見ましょうか。


 表示されている文章にざっと目を通してみると、ポーチの形状や、中に幾つまで物を収納できる様にするのか、といった容量設定。基本の素材以外に盛り込むアイテムの設定等が弄れるようです。



 物は試しですので、適当に形状や収納容量の数値を弄ってみたのですが、一番最初の素のままの設定以外では、メニュー板上部に赤字で材料不足の警告が出るようです。恐らくは【なめした ラビの毛皮】3枚で作成できない設定に変更すると、わざわざ判りやすい様に表示してくれるみたいですね。


 他の形状や容量設定にしたい場合は、もっとなめし革や他に必要な材料を集めてからにしましょう、という事でしょうね。

 今後も色々と作成する為に、大量のラビ達が犠牲となるでしょう……

 これも【革細工】成長の為だ、すまないねラビ君。


 設定項目の左上に表示されていた『設定をリセット』という部分をプッシュして、設定項目表示を一番最初の素の状態へと戻します。んー形状だけでも弄れないかな?


 試しに形状を選択してみましたが、サイズの大きい物にするとアウトの様ですね。

 初期設定は肩から下げるタイプの物でしたので、変更して腰に括りつけるタイプの形状に致しました。こちらの装備方法なら、動きながら使う分には良さそうですからね。

 ガルドスさんが身に付けているタイプと似た感じです。


 メニュー下部に大きく表示されている『設定完了』のボタンをぽちっとプッシュ致しまして、次の手順へと進みましょうか。


 ふむふむ、材料となるなめし革を作業用マットの中央部分へ置いて、一枚づつ順番にキットの裁断具を使用して裁断加工する、と。


 ご丁寧にもイラスト付きで説明文が表示されておりましたので、アレコレと迷うことなく、すぐに裁断具とやらを発見する事が出来ました。

 見た目はペン先の付いていない万年筆みたいな感じです。


 早速ですが、作業用マットの上に纏めて出しておいた3枚の【なめした ラビの毛皮】のうち、まだ加工しない2枚を横に退かして、と。


 作業用マット中央にモフっと広げた状態で配置した【なめした ラビの毛皮】の上に、何やら半透明の設計図? の様な物が重なって表示されます。

 手を伸ばして触れてみましたが、完全に毛皮に張り付いているのに、何の手触りも感じられません。可視状態のものですが、メニューのように触れる事の出来る物では無い様ですね……


 取り合えず説明文を見てみるに、表示されているラインに沿って、先ほどの裁断具の先端を滑らせて行けば良いらしいです。一体どういった具合で作業が進んでいくのか全く想像できませんが、とりあえず文章の指示通りにやってみましょうか。


 紙に書かれたラインをなぞる感じで、裁断具を【なめした ラビの毛皮】の裏面に滑らせて行きます。

 おお、切れてる切れてる!

 万年筆状の器具でなぞった部分が、綺麗にスッパリと切り取られて行きますよ!


 何だかレーザーメスみたいな感じがします。実物は触ったこともありませんけれどね。ニュアンスで。


 切り取られてあまった部分はどうなるのかなー、と一枚目の裁断を進めつつ考えていたのですが、作業完了と同時に余った周りの端切れ部分は、七色の光になって空気中に霧散してしまいました。

 ありゃ、取っておいて後で何かに再利用、等は出来ないみたいです。


 これはお料理のスキルとかも、材料加工時に切り取った部分は利用出来ない、何て事がありそうだ。

 お料理上手な人とかだと、その辺り納得できない部分があるんじゃないかなぁ?

 この辺どうにか出来る手段はあるのだろうか。設定部分で弄ったりできるのかな。


 とりあえず、一枚目の【なめした ラビの毛皮】加工が終了いたしましたので、次の2枚目を中央に配置してみます。早速先ほどと同じように毛皮裏に表示される裁断ライン。

 先ほどとはちょっと形が違いますね。


 難しい形状では有りませんので、ささーっと切り取ってしまいましょう。


 表示されたラインを沿う様に裁断具を滑らせて行きます。

 全く力を入れずにスッパリ切れるので、非常に楽な作業で御座います。これ指とかに当てたら危なそうだなぁ……でも、見た目的にはタダの先無し万年筆だし、革製品にしか効果がないとかそんな感じかな?

 先っちょが無いから、言うなればツボ押しの棒みたいな感じだものね。


 まぁ試しに指に当ててみるとかは、やりませんけれど。

 作業用具は用法を守って使わないといけませんよね。うんうん。


 色々考えつつも、無事2枚目の毛皮加工が終了いたします。

 あれ、でもこのままだとベルト部分に相当する材料が無い様な気が……するのですけれども? その辺りは大丈夫なんだろうか。


 とりあえずは、3枚目の加工を済ませてから考えると致しましょうか。


 実は3枚目がベルト部分になるのかなー? と思いつつ作業用マットの上に毛皮を設置したのですが、どうやらベルト形状には裁断しない模様。

 うーん、後から何かしら付けて加工したりするのだろうか。

 うん、3枚目ともなると裁断作業も慣れたものですね。線からペン先が外れない様に、焦らず騒がずしっかりと切り取っていきます。


 【革細工】全般がこういった手法で加工して行けるなら、これから色々作っていく上でも安心ですね。

 問題は、もしも革で衣服系統を作成できるとして、材料のサイズがちょっと足りないのではなかろうか? といった不安が有ること位です。継ぎ合わせていけば何とかなるかな?

 色々とセンスが試されそうな作業になりそう。


 3枚目の加工も滞りなく完了致します。

 さて、次は如何するのだろうか? 針と糸の様な物は全く見当たらないのですけれど。


 作業説明文を確認して見ますと……

 なになに? 今度は作業用マットに付属している四角い金属板に指を触れさせる、と。


 マットを見回してみると、先ほどの魔法陣の真逆、左奥の辺りに四角い小さな金属板が貼り付けられているのを発見いたしました。これかな? とりあえず右手の人差し指で突いて見ます。


 手を引いてみると、金属板に触れた指先に光り輝く糸が付着しておりました

 ……ひえーナニコレー!?


 ビックリして、思わず右手をブンブン振ってしまいましたが、無駄に腕を動かしすぎたせいで、金属板から追加の糸がニュルニュルーっと伸びてきて、何だか凄い事になってしまいました。

 うわぁーどうしよう。と、とりあえず次の作業を如何すればいいのか見よう!


 ……あー、なるほど、この光ってる糸のついた指で突っついて行くと、その場所が縫えるのか。

 ミシン針みたいな感覚で、人差し指でトントン触って行けば良いらしいです。


 裁断済み【なめした ラビの毛皮】の縫い合わせ方も説明文に載っておりますので、それを確認しつつゆっくりと縫い合わせてゆきます。

 ほー、突っつくだけでドンドン縫えるから楽だこれー!

 凄い楽しい! 何というストレスフリー作業!


 是非とも、学校の家庭科授業でもコレを使いたい……うん無理か。


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