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051 ボッチ作業 と 性能確認

朝の公園で怪しい実験(風評被害

 ひとまずメニュー板を表示させたまま移動する事に致します。

 このナイフとフォークのマークが消えたら食事効果が消えた、という事なのでしょうし。


 流石に一分二分程度で効果が消えてしまう、と言った事は無いと思うのですけれど。

 食べやすさ重視でカットしてしまったので、持続時間が短くなってしまった! という可能性も否定できないのですよね……品質が削れていたのが少々気に掛かりますし。


 大雑把に脳内で時間をカウントしつつ、昨日通った通路を思い出しながらマップと照合して、現在位置を確認しながら路地を進みます。途中何人か住民の方とすれ違いましたので、軽く会釈して挨拶いたします。すれ違いざまになにやら不思議そうに此方を眺めてくるので何だろう? と思いましたが、何個もメニュー表示を浮かばながら歩いていたからの様でした。やっぱり住人の方達は見慣れていらっしゃらないのでしょう。

 さて、昨日と違う道順で進んでおりますが、位置的にそろそろ公園の入り口が見えてくるはず。


 建物の角を左折、なだらかな坂を上りますと……見えました! 毎度お馴染みの(昨日ぶりですが)公園です。流石にまだお昼前の筈なので、カイムさんやラティアちゃんは来て居ないみたいですね。地味に寂しい。

 うん、しょんぼりしていないで頑張ってアイテム作成しましょうか。


 前回と同様、休憩場所のテーブルの上に【初心者用調薬キット】を取り出して設置し、付属のビーカーに水を汲みに行きます。さてさて、ひとまずライフポーションを作れるだけ作ってしまいましょうか。

 大事な収入源ですからね! 今度は自分で使う分は別に保管しておきましょう。


 【調薬】スキル使用を宣言、昨日と同じ手順でライフポーションの作成を進めていきます。

 機材の大きさからして、恐らく10本分以上の同時作成は無理っぽいので、数回に渡って作っていく事にしました。10個でひと塊に収納されていた【薬草】をアイテムボックスからモサっと取り出して、白い容器に放り込みゴリゴリっと棒で磨り潰して、ペースト状になった薬草を水の入った容器に投入。

 簡易魔道コンロのつまみをグリっと捻ります。


 後はコンロの出力を調節しながら、不純物を取り除きつつ色が赤く変わるまで煮ればオッケーです!


 待ち時間を使って次の【薬草】10個分を磨り潰してしまいましょう!

 右手で【薬草】をゴリゴリっと磨り潰しつつ、左手で簡易魔道コンロのツマミを調整して温度を安定させます。

 うん、我ながらモノ作りしている人! って感じがしますね。


 まぁ偉そうな事言ってても【調薬】歴2日なんですけれどね!


 2回目分の薬草磨り潰しが終わったので、煮込んでいたポーション溶液をかき回しつつ、浮いてきたゴミを掬って廃棄します。地面へ捨てた分は七色の光になって空気中に霧散してしまう筈ですので、適当に足元へポイっとしても問題ないでしょう。


 この辺は昨日のポーション作成作業時に確認済みでございますので、安心安全ですね。


 【初心者用調薬キット】の機材確認をしてみると、予備なのか薬草ペーストを煮込んでいるビーカーと同じ形の容器がもう一個あるようなので、そちらに水を汲んで磨り潰し終わっていた次のペーストを放り込みます。

 一回目のポーション溶液のほうは冷まし工程に入りましたので、簡易魔道コンロを停止させてからテーブルの上へ移動させましょう。

 直に持つのは熱そうでしたので、アイテムボックスから【なめした ラビの毛皮】を一枚取り出して、手とビーカーの間に挟みこむ感じで持ち上げました。


 こう、自宅の台所でフキンを使って、なにか熱いものを掴んで持ち上げる感じですね。


 うむ、意外と便利ですね! なめし革!

 使い方的に絶対間違ってると思うけど良いのです。気にしてはいけません。


 こういう熱いものを持ち上げたりする用の手袋か、ミトンの様な物があると良いかも知れません。リアさんが使っていた様な可愛らしい見た目のが良いな。

 これも雑貨屋さんで売ってたりしないかなぁ……購入予定物が増える増える。


 ああ、もしかしたら【革細工】スキルで作れたりしないかな? 大して複雑な形でもないですし、材料を革にすれば出来そうですよね。

 魔法のポーチの次に製作挑戦してみようかな。


 そんなこんなで、無事に熱いポーション溶液を空きスペースへ移動させる事に成功しました。


 それでは準備しておいた次の薬草ペーストを煮込みますよー!

 大分流れ作業っぽい感じで進めていける様になってきたので、採取してきた【薬草】もあっという間に使い切りそうですね!


 簡易魔道コンロに乗せたライフポーション第二波を、ゆっくり加熱しながらかき混ぜつつ、一旦メニューの食事効果アイコンを確認してみます。

 うんうん、まだ表示されているようなので効果は持続しているようです! 【ガイド】さんがお勧めしていただけの事はありますね。


 まぁ、どれくらい生産成功率? とやらが上昇しているのかは判りませんが……

 なにせ今のところポーション作成に失敗した経験がないのです。


 恐らく一番簡単な難易度の【調薬】アイテムだからなのでしょうか。

 それに私が選んだ獣人の『狐人』は、魔法の能力と手先の器用さが特徴で生産職に向いている種族だ、という触れ込みだった筈ですからね。


 おっと、そろそろ一回目のポーション溶液が冷めた頃かな?

 2回目の溶液のゴミ取りと煮込みが終わったら、一旦ポーションの瓶詰め作業に入りましょう。


 冷めた溶液をろ過装置に流し込み、ポーションの素完成です。

 さあ、この調子でライフポーションをどんどん増産していきましょう!



 その後の作業も慣れたもので、サクサク作業が進んだのですが。

 合計60本のライフポーションが完成した辺りでスタミナが空っぽになってしまいました。迂闊!


 休憩を挟まずにドンドン流れで生産を続けていたので、【調薬】スキルが発動せずに不発状態に陥るまで、全くスタミナの残量に気が回っておりませんでした。

 食事の効果がまだ残っていますが、スタミナとマナのポーションの作成は、休憩を挟んでからと致しましょう……


 ただ座っているのも何ですし、水飲み場で水分補給でもしようかなーと思って、休憩場所に据え付けられた椅子からヨッコイショと腰を上げたのですが……

 ううむ、身体の反応が鈍いというか重い。

 座った状態で生産作業に勤しんでいたので、身体の変調に気が付かずスタミナ枯渇に意識が向かなかったようです。


 あれほどスタミナの量に注意してスキルを使って下さいね、と【ガイド】さんが説明して下さったのに、なんと云う体たらくでしょう。

 この失敗は今後に生かしていかねば。ごくごく。うーんお水が美味しい!


 メニューに表示されているスタミナの残量を確認すると、水を飲んだ事によって一割程度と少ないですがゲージが回復しておりました。

 お腹タプタプになるほど飲めば全快したりするのかな。いや流石に無いか。

 休憩場所に戻る足取りも、少しだけ軽くなった気がします。

 これは戦闘中にスタミナが切れたら大変な事になるなぁ……体感して初めてわかる動き辛さですね。


 さて、休憩中【初心者用調薬キット】を出しっぱなしなのも邪魔になりそうですし、スタミナ回復するまで一旦アイテムボックスへ収納しておきましょうか。

 機材として使用していないと、もしかしたらですがシステムが【初心者用調薬キット】を『放置アイテムだ!』 と認識して、一定時間後に消去されてしまう可能性もあるかなと。一応念のため。

 ……ああそうだ、スタミナは空っぽですがマナは残っていますし、破損した機材がどの様に復帰するのかだけ確認してみましょうか。


 先ほどまで激しい活躍を見せてくれていたビーカー君を一つ手に取りまして……

 少々躊躇いもありましたが、意を決して私の顔の高さ位から地面に落下させてみます。

 悪く思わないでおくれ! コレも実験のためなのだよ! 悪の科学者っぽい台詞。


 ガシャンと割れて粉々になるかな? と思い、ギュっと身を固めつつ目を細めていたのですが。


 地面に接触した瞬間に、シャラン! と小さな鈴が鳴った様な音と共に、破片どころか跡形も無く七色の光になって消え去ってしまいました。ええ!? どういった構造なんだろうか!?

 消え方的にはポーションの空ビンと同じような感じです。マナで補充されるアイテムだからかな?


 さて、勢いで壊してしまいましたが……どういった風に補填されるのでしょう。

 何処からとも無く湧き出してきたりするのかな?


 椅子に腰を落ち着けて暫く待ってみますが、何の反応も起こりません……あれー? おかしいなー?


 ま、まぁとりあえず当初の予定通りに、アイテムボックスへ【初心者用調薬キット】を収納しましょうか。


 毎度お馴染み、アイテムメニューへポイポイと機材を放り込む方法で【初心者用調薬キット】をお片づけします。

 収納後に【初心者用調薬キット】のアイテム詳細を確認すると、品質が一個黒い星になっていました。

 さて、困ったなぁ……どうやって機材を補填すれば良いのでしょうか。


 説明文には自動的にと書いてありますし、放置しておけば問題ないのでしょうか。


 ええい、とりあえずスタミナ回復を待ってから考えましょう!

 きっと大丈夫なはず! 信じていますよアイテム説明文さん!

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