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049 待機時間 と 体感時間

付与魔法のあれこれ。

あとガルドスさん有能。

 淡く光を纏っている棒を軽く素振りしつつ、このままアイテムボックスへ突っ込んだらどうなるのだろうか、と思い立ちました。確かボックス内部では時間が停止しているとの事ですので、攻撃力が増加する魔法が付与された状態のまま、効果を保持してくれるのでしょうか。


 それが可能ならば、例えば何本も武器になる棒を準備して、魔法を使用した後にアイテムボックスへ放り込み保管しておけば、何時でも強い武器で戦闘開始できるのでは無かろうか? どうだろう?


 さっそくこの棒を突っ込んで試してみましょう。


 メニューを開いた後、光って攻撃力が増加している棒をアイテムボックスへ収納してみます。

 すると目の前に突然現れるメッセージ板。


『収納すると スキル効果が消去され 待機時間のみ適応されますが よろしいですか? はい いいえ』


 ありゃ! 流石に魔法強化状態の棒を使いまわそう! といった作戦は取らせてくれないようです。


 まぁ現実的に考えて、同じような性能の武器を大量に準備する、といった手段はゲームが進むにつれて難易度が跳ね上がっていくでしょうし……あまり現実的な作戦では無いのかもしれませんでしたが。

 でもこの方法って悪い効果も打ち消せるのでしょうかね?


 いい効果と悪い効果、両方が同じ仕様なら可能なのでしょうか。


 それはそれで有用なシステムなのかもしれません。

 予備の武器を準備するといった手法はアリかも、ですね。


 物に当てた時の手応えを確認してみたかったので、試しに地面を棒でポコポコ叩いてみたのですが、普通に魔物を攻撃した時と同じように、ダメージ数字が飛び出しました。

 棒で叩いて穴を掘れそうです。


 とはいっても飛び出してくる数字は一桁ばかりなのですけれど。

 これは有効な道具ではないからダメージが少ないとかそういった理由なのでしょうか。スコップとかならサクサク掘れそうですし。

 まぁ地面を棒で叩いても、打撃を受けた部分はちょっと凹みはすると思いますが、普通に穴なんて掘れていかないですよね。色々と納得。


 でも頑張ればいつかは穴が出来るのでしょうか。どんな苦行だ。


 流石に穴が出来るより先に棒が破損しそうですけれど。

 武器と銘打ってはいますが、実際はちょっと頑丈な木の棒ですからね、この武器。


 地面を叩いてもダメージが出ているので、もしかして【基礎 棒スキル】のレベルが上がったりしていないだろうか? と思ったのでスキル欄を確認してみたのですけれども。

 全く変動しておりませんでした。流石にそんな甘くはなかった。


 その辺に生えている木とか落ちてる石とか、そういった相手を叩いても、スキルレベルは上がってくれない様です。動かない的にむかって練習してもスキルは全く育たないのでしょうかね。残念。


 そんなこんなで棒を振り回しつつ色々試しているうちに、地面に落ちていた【ラビの魔石】が七色の光になって空気中に拡散していってしまいました。

 ああ、さようなら魔石。


 どの程度の時間がたったのか正確なところは判りませんが、体感時間で言うと私が魔石を手にとって地面に放り投げてしまった時から、大体10分位かな?

 遠出したときに拾い忘れて町に戻ったら、確実に拾いなおしにいく前に消えちゃいますねコレ。


 敵を倒した後に地面チェックは忘れずに! 私との約束です!


 うん? でも置いてあるアイテムが時間で消えてしまうと言うのであれば、例えば【初心者用調薬キット】を作業台の上に設置したとして、そのまま10分経ったら消えちゃうのかな?

 でも作業しつつ放置していた時間はあったけど、別に【初心者用調薬キット】が消えてしまいそうな挙動を取った事無いんだけれど。


 んー? この辺りもなにか理由がありそう。アイテムの道は奥深いですね。


 よし、落ちているアイテムがどの程度で消えてしまうかも確認できましたし、そろそろ町へと帰還いたしましょうか。生産する物がタップリありますからね!


 ふと気が付くと右手に装備していた棒から、いつの間にか魔法の光が消えていました。

 制限時間が経過して効果が消えてしまったみたいですね。もう一度付与しておこうかな?


 先ほど行ったように【武器付与】を宣言、アイコンから『武器 物理攻撃力増加』を選択します。

 光を纏った左手を棒へ接触させましたが。光が武器に移動しません。あれ? 何で?


 ペタペタと棒の色々な場所を左手で触ってみたり、ぐいっと握ってみたりしましたが、一向に【武器付与】が成功する兆しが見えません。あれぇ何故だー? 

 ……いや待って下さいよー確か【ガイド】さんから攻撃魔法以外の、物やプレイヤーに使う系魔法の仕様を説明してもらった件で、色々詳しく教えてもらったようなー記憶があるのです……えーっとなんだっけ?


 ……ああ! 思い出した!

 魔法をもう一回使用できる様になるまでの待ち時間以外にも、魔法をくっ付けられた相手にも待ち時間みたいなのが有るんだった! ちょっとスキル説明見直して確認しよ!


 ぱぱっとスキル欄を出して再度確認いたします。


 あー載ってるね、この『効果待機時間』っていう表示部分だねきっと。300カウントって300秒って事かな。『再度使用待機時間』の方は120カウントだから、えーっと。


 2分待てばもう一度魔法が使えるようになるけど、5分経たないと同じアイテムには魔法をくっ付けられません! っていう事か!

 ええええ、これって時間の把握が物凄い大変じゃない!?


 この魔法を上手に使っていく自信がまったく沸かないんですけれども!?

 せめて時計が欲しいよ! ぎぶみー時計! できればストップウォッチ機能付き腕時計!


 こんな魔法の待機時間を常に把握しつつ動くなんてそんなスーパーなプレイ、私には実際不可能だと思うのですよ? 実際問題、腕時計みたいな物があったとしても上手く把握できるか……ひどい鬼畜仕様です。


 こんなの皆さんどうやって運用してるんだろう? 連戦を控えれば大丈夫なのかなぁ。

 そんなこんなでワタワタやっているうちに、左手に宿っていた光が消えてしまいました。あー。


 コレが【ガイド】さんが言っていた『効果も発揮されず消費したものも戻らない』っていう事か……マナを無駄に消費しただけに終わってしまいましたね。

 これが消費アイテムだったらと思うと勿体無いことこの上ないです。

 焦って使わないよう一応念頭において置きましょうね。


 さて、何時までも鬼畜仕様にうな垂れているわけにはいきませんね。

 今度こそ町への帰還を果たしましょう。素材タップリで懐がホクホクなのです。これならば今日の売り上げは4桁行くのではなかろうか! 非常に楽しみです。


 道中も数本残っていた【薬草】等を採取しつつ、通いなれたルートを辿り北門へ到達いたしました。


 門をくぐって毎度おなじみのガルドスさんポジションを確認いたしますと。

 またもや数人のプレイヤーさんっぽい方々から何やら質問を受けて、身振り手振りを交えつつ返答しているのが見えました。

 おお、今日は大忙しですねガルドスさん。


 他の門番の方々も、アレコレとプレイヤーに聞かれている感じで指を挿したりしつつ、笑顔で対応をしておられました。

 採取も完了しましたし、ガルドスさんに色々と教えてもらおうと思いましたが。

 これは時間が掛かりそうです。色々とやることを終わらせてから再度お伺いを立てる事にしましょう!


 ガルドスさんの前を通り過ぎる際、質問中のプレイヤーさんに気が付かれない様に、こっそりと両手を小さく振った後に、右手をぐっと握りつつ親指をぐっと立てて挨拶をば。


 案内任務ご苦労様でありまーす!


 ガルドスさんが、ちらっと此方に視線を向けてくれました。

 私の存在に気が付いてくれたみたいです。


 あちらもさりげなく腰の辺りで左手の親指をグイっと立てて下さいました。また後できますねー!

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